『 紅い襷 〜富岡製糸物語〜 』を観てきました。

全国上映に先駆けて、ただいま群馬県内のイオンシネマ高崎とユナイテッド・シネマ前橋の2箇所で上映しています。夜の上映があるのはイオンだけなのでそっちで観ました。10月7日から上映中。いつまで上映しているかはわからないので、関心のある方は早めに行った方がいいと思います。

 

さて、わたしは富岡日記ファンです。元のお話がある場合、読者の頭の中には個々が描く世界がありますから、他人がつくった世界に納得が行かないことはよくあることです。だから変に期待はせず、でも気になるから行ってみました。

 

結果から云いますと、良かったです。

お国のため、故郷のために、官営富岡製糸場で切磋琢磨する女の子たちの清らかな青春映画です。ちょうど ton-cara さんのツアーで岡谷蚕糸博物館でフランス式繰糸機のレクチャーを受けたばかりですし(後ほどブログに書く予定です。)、繰糸のシーンはワクワクしました。また、ブリュナさんのことが想像していたより描かれていたのは新鮮でした。

 

映画を観た後、わたしは自分も糸取りをしますから、富岡日記の中にある、揚げ返し場での苦労や糸取りを教えてくれた先生とのこと、八升取りができるようになるところが観たかったと夫に話すと、そんなところは観たくない。とサラッと言われてしまいました。そんなところを描いたって一般の人が観てもつまらない、映画にあった友情と苦悩で十分とのことです。

 

 

 

 

 

 

折角なので手持ちの『 富岡日記 』を2冊ご紹介します。わたしが映画で観たかったエピソードが気になったらお手に取ってみてください。

 

左:『 現代語訳 信濃古典読み物叢書 ② 富岡日記 』

発行所:社団法人 信濃教育会出版部 定価:1,000円

 

集録項目は、富岡日記、富岡後記(抄録)、我母之躾。

これは、小学校高学年くらいから読めるかな。現代語訳で送り仮名もついていますから読みやすいです。こういう教育に関する分野は信州って熱心でスゴイなと思います。富岡後記は、六工社での話ですが頁数の関係で創立1年目の部分を抄録しています。我母之躾は、英さんのお母さんの躾けについての手記です。これを読むと、英さんがどうして思慮深く、芯の通った女性になれたかがよくわかります。

 

 

右:『 富岡日記・機械糸繰り事始め 』

発行所:みやま文庫

 

集録項目は、富岡日記(前編・後編)、機械糸繰り事始め。

「富岡日記」は、前述の書籍と違い文章は原本に近く、手記が全て載っています。「 器械糸繰り事始め 」は、富岡製糸場の創立より早く前橋藩が始めた水力による洋式器械製糸工場のことを語った深沢孝さんの聴書をまとめたものです。この2件を1冊にまとめるだなんて流石!みやま文庫さん(いつの間にかホームページが出来てた!!)です。

 

 

 

 

 

 

 

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晩秋蚕の養蚕ワークショップ最終日、繭かき作業です。

この日は、4名の方が参加くださいました。

ton-cara さんのブログにもこの日のことが掲載されていますので、ご覧ください。

 

まずは、ボール蔟(まぶし)をお日さまにかざして、繭かき前の検品作業です。この作業で一番取り除きたい繭は、薄皮繭です。これは、繭をつくっている最中に息絶えてしまった状態の繭です。この繭が繭かきの機械に入ってしまうと、中で潰れて他の繭を汚す原因となります。薄皮繭は光にかざすとよくわかります。この作業には、専用のライトテーブルがあります。それがあると夜も作業ができるので便利です。

 

 

 

 

 

 

薄皮繭以外にも、外部や内部汚染繭や奇形繭、穴あき繭などを丁寧に検品して取り除きます。最初は、どれが不良繭なのか判断に戸惑いますが段々と目が慣れてきます。午前中には検品が完了しました。

 

 

 

 

 

 

待ちに待った ton-cara さん弁当〜♪

 

 

 

 

 

 

午後からはマユクリンで繭かきです。これは、ボール蔟から繭毛羽と繭を分離してくれる便利な機械です。ひと山ずつ交替で作業を体験いただきました。① ボール蔟を機械に入れる人 ② 殻になったボール蔟を回収して積み上げる人 ③ 繭毛羽を回収する人 ④ 繭を回収、重さを量る人。この作業は、当館では通常2名で行っているので忙しい作業ですが、この日は余裕でした。

 

 

 

 

 

 

遅れ蚕の分が入っていませんが、これが今年の晩秋蚕で収穫した繭です。

久しぶりに「ぐんま黄金」を育てました。色鮮やかで眩しいですね。

 

ちなみに、右手前の小さなまとまりは玉繭です。これだけの正繭に対して玉繭はこれくらいしか出ません。真綿や玉糸の製造には欠かせない原料ですから、もっとたくさん出ないかなと思いますがこんなものです。1トン以上飼うような農家さんだともう少し出るのかな。

 

WS参加者のみなさんは、これから座繰りや真綿づくりなどを楽しまれる予定です。

座繰りWSでは、通常は白繭「ぐんま200」が原料ですが、事前にton-caraさんへ伝えていただければ、養蚕WS参加者以外の方も黄繭「ぐんま黄金」がご用意できます。ご興味ございましたらお訊ねください。

 

あ、ちなみに直近のことですが、10月20日(金)に座繰りワークショップがあります。いま、参加者が少なくて大々募集中です!! よろしくお願いします〜!!!

くらし手仕事の店 ton-cara 【 座繰製糸のワークショップ 】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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春蚕の養蚕ワークショップ(以下WS)が終わった後、ton-caraさんとお話する中で、単日だけのワークショップもあるとイイよねという案が出ました。

 

これまで参加していただいた方向けに、都合が悪くて出られなかった作業に後日参加いただけるとイイよね。それ以外にも、いろんな方にもっと気楽に養蚕を体験してもらいたい!そのためのスポット枠です。

 

 

 

 

 

 

今回のWSでは数名の方が単日スポットにご参加くださいました。

今日はその中から、県外からお越しのKさんご夫妻が単日スポットでご参加いただいたときの様子をご紹介します。

 

この日は「繭かきの日」の前日で、天井から吊るした回転蔟(かいてんまぶし)を降ろし、回転枠からボール蔟をはずす作業でした。次の日はボール蔟を日にかざして悪い繭を選別する作業から始まります。その作業をしやすいように縁側近くにボール蔟を積み上げてゆきました。午前の作業はこのように過ぎました。

 

準備作業だけではつまりませんから、マユクリンを少し稼働させ、手動の繭収穫も体験いただきました。

 

 

 

 

 

 

お昼は ton-cara さんのお弁当。ボリュームいっぱい!今日も美味しくいただきました。

 

 

 

 

 

 

午後からは養蚕の座学と桑の剪定作業を体験いただきました。飼育が終わっているので、作業もゆったりしたもの。奥さまが染織をしていらっしゃるとのことで、そのお話を伺いながらのほんわかWSでした。

 

 

 

 

 

 

単日スポットにも繭のプレゼントがついています。奥さまは座繰りもされるとのことで、この日の分の生繭をお持ち帰りされました。ご夫婦お2人分なので 600グラムです。これがその量。これだけあると結構楽しめます。お1人 300グラムは、ton-cara の座繰りWSで1日楽しめる量です。真綿にしてもイイですよね。今年の養蚕WSは終了しましたが、来年もまた開催する予定です。ご興味ございましたら、ぜひご検討下さい。

 

くらし手仕事の店 ton-cara【 繭をつくる〜桑摘みと養蚕のワークショップ 】

 

 

 

 

 

 

 

 

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お蚕上げ、その後。

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ブログ更新がずいぶんと滞りました。

いまは、晩秋蚕期の養蚕ワークショップ(以下WS)も終了し、通常の製糸業務に戻りつつありますが、なかなか心身をゆっくり休める時間がなく、ブログが書けませんでした。やっと今週末は体を休められたので再開です。

 

 

 

 

 

お蚕上げをした日の深夜の写真です。

お蚕さんたちは、繭をつくりやすい場所を求めて歩き回っています。お蚕さんが糸を吐いて繭をつくることを「営繭(えいけん)」といいます。この営繭中は、お蚕さんが活動しやすい温度に室内を温めてあげることがとても重要です。9月末は夕方から気温が下がり始めます。この夜からヒーターがフル活動でした。

 

 

 

 

 

上の写真撮影から19時間後です。

順調に繭づくりを遂行しています。お蚕さんは、うっすらと繭の骨組みができたら、そのすき間から尾脚を外に出して最後の糞と尿をします。体内を絹の原料だけにするのです。だいぶん繭づくりを始めたので、回転蔟の下に掛けてある尿受けには糞尿が溜まっていますね。

 

 

 

 

 

夜もずっと糸を吐いています。お蚕さん頑張ってね。

 

 

 

 

 

お蚕さんが繭づくりを頑張ってくれている間に、わたしたちは蚕室の片づけです。

春蚕のときは、お蚕上げの日にWSに参加下さった方が多く、その日のうちにこの片づけまで終えられましたが、今回は少人数だったので日を改めました。

 

 

 

 

 

ここは桑畑の隅っこにある廃条場。養蚕をするときは、桑畑以外にこうした場所を確保する必要があります。この廃条場は、高い場所から枝を落とせるので体が楽です。

 

 

 

 

 

片づけの次の日から2日間は養蚕WSでした。

この日には大方のお蚕さんが繭の形を成したので、繭をつくらずに蔟にいるお蚕さんをTさんに回収する仕事をお願いしました。繭の中のお蚕さんは、まだ糸を吐いている蚕もいるので、回転枠をそおっと回転させて拾って行きます。吊るしてある回転蔟を全て丹念に見ると半日は掛かります。

 

 

 

 

 

 

養蚕WSがあるときは、ton-caraさんがお弁当を運んでくれるので楽しみです。

見よ!この牛蒡の姿を!!ごちそうさまでした〜♪

 

 

 

 

 

2日目は、蚕室の洗浄をしました。キレイになって行きます。気持ち良いですね。

この日の写真は ton-cara のFBにも載っています。

 

 

 

 

 

飼育に使った寒冷紗も洗いました。真っ白だった布がお蚕さんの糞で可愛らしい黄色に染まっております。

 

これを見ると「うんこ染め」をしたいなと思っちゃいますね。もう10年近く前になりますが、伊丹市昆虫館の学芸員さんが地方に残る話をヒントに昆虫の糞で布を染めてみることをされたのですよね。それをわたしも知って、講座で蚕の糞染めを開催したことがありました。この寒冷紗の色も良いですが、その時好評だったのは銅媒染で出したオリーブ色というか鴬色でした。余談でございます。

 

 

 

 

 

 

 

先月、ぐんまテレビの【 ぐんま!トリビア図鑑 】さんに撮影いただきました。

その内容が明日放送になります ! 

 

『 桑から絹糸まで!蚕絲館 』

◆ 放送: 2017年10月3日(火) 21:00 〜 21:15

◆ 再放送:10月7日(土)10:30 〜 10:45 

◆ 再々放送:10月9日(月)12:30 〜 12:45

 

この番組は、群馬テレビさんの自社製作番組で今放送で100回を迎えるそうです。おめでというございます!大切な回に当館を取り上げていただき、たいへん光栄です。15分番組です。ぜひ、ご覧ください!!

 

番組HPにある【エムキャス】でも配信されるかも知れません。

 

 

 

 

 

 

くらし手仕事の店 ton-cara さんと一緒に企画している 養蚕ワークショップ(以下、WS)の5令期後半の模様です。

 

この日受講いただいたTさんは、おばあさんが元養蚕農家で、畑に少しだけ桑が残っているそうです。その剪定をしたいと話していらしたので、古木の桑が植わっている畑で作業をしました。WSでは新しい桑畑をメインで使っているのですが、この日の受講者は彼女だけだったのです。おばあさんの桑は古木なので、彼女にはこの畑での作業の方が実りが大きいと考えた次第です。

 

新しい桑畑では、わたしが最初に植えた桑の木が今年で8年目を迎えています。桑は植えて5年目から収量が本格的に上がるといいますが、本当にその通りです。幹は太く、葉が大きくたわわです。それに比べ、こちらの畑の桑は植えてから15年以上が経過しています(たぶん20年くらいは経っているのでは)。幹は細くなっていますし、枯れる木もあるので毎年収量は減っています。

 

 

 

 

 

もうおひとかたのTさん。染織の素材に関心があり、絹の現場を学ぼうと参加下さいました。4令期に受講されてから、次に蚕を見たのが9日ぶりの5令期6日目だったので、大きく育った蚕たちにビックリしていました。

 

このWSは、毎日通えば一通りのことを見て体験できますし、毎日は無理だけど養蚕の現場に触れてみたいという方は見てみたい作業内容のときにだけ受講いただけます。今回では、春蚕期に受講した方が春の配蚕日に来られなかったということで晩秋蚕の配蚕日に受講されました。今後のスケジュールでも繭を見てみたいとのことで繭かきの頃に1日のみのスポット受講される方があります。

 

 

 

 

 

黄繭種に関心を持っていただいたOさん。このWSでは一番多く参加いただいています。WSが終わったら、すぐに座繰りWSで生繰り予定です。楽しみですね!

 

写真は上蔟(じょうぞく)の日が近づき、桑の入れ方が縦から横並びへと変わりました。その理由を説明しているところです。この日(9/25付け)の内容は、ton-caraさんがブログに詳しく書いてくれています。そちらもぜひお読みください。

 

 

 

 

 

そして、とうとう上蔟の日になりました。熟した蚕をひとまず手で拾い始めるか、すぐに一斉に蚕を回収する「一斉上蔟」の作業に入るかを観察します。写真は、その見極め方を説明しているところです。

 

この日のこともton-caraさんのブログに9/29付けで詳しく掲載されていますから、お読みください。

 

 

 

 

 

熟した蚕です。体が透けて見えます。黄繭種なので、白繭種よりも透けた具合がよくわかりますね。

 

 

 

 

 

回転蔟(かいてんまぶし)を床に設置し、蔟に一定量の蚕を振り込んで行きます。

 

 

 

 

 

 

この日のton-cara 弁当! 春巻き、豚肉と白菜のあんかけ、フルーツ、珍しいのはプラムの紫蘇漬け(これは近所のおばさん作)。お夜食も用意していただきました。疲れちゃって写真撮るのを忘れましたが、おにぎりの具が楽しかったです。食べたことない具の取り合わせなのですが美味しいんです。食もセンスってありますね。フセさんのお母さんの手料理をいただく度に思います。ごちそうさまでした!!

 

 

 

 

 

 

夜10時ころの写真です。この日は夕方から激しい雨になりましたが、日中は気温が上がり上蔟日和でした。その為か夜にはさっそく繭を作り始めた蚕を確認しました。春は気温が低かったのか当日にここまで糸を吐いたのはいなかったですね。

 

ぐんま黄金の上蔟日は、この品種の標準的な飼育日数に照らし合わせると1日早いのですが、過去の日誌を見るとこの日数だったのでWSの予定をそこに合わせました。受講生の皆さんは当館が立てたスケジュールを見ていらっしゃるわけですから責任重大です。変更することなく、この日を迎えられたことに安堵しています。

 

この日に受講、お手伝いいただいた皆さま、ほんとうにお疲れさまでした!!

 

飼育工程では、この上蔟がクライマックスです。ここで気持ちが一度緩んでしまいますが、お蚕さんに良い繭をつくってもらうには、ここから数日のお世話がとっても重要なのです。これからもう少しの間、WSの方と一緒にお蚕さんの繭づくりを見守りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

2017年晩秋蚕・経過報告

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ふ化から11日目のお蚕さん。

 

 

 

 

 

ふ化から今日で23日目。こんなに大きくなりました。

 

今回育てている黄繭種の「ぐんま黄金(こがね)」は、普通の蚕より1日早く糸を吐き始めます。なので、桑をあと2日間食べたら、お蚕上げです。

 

 

 

 

 

今日は、5令の5日目に当たります。当館の蚕たちは食べ盛り。

 

蚕が一生のうちに食べる桑量の割合は、1〜3令期で3%、4令期で9%、この5令期で88%を食べるのだそうです(東京農工大さんの資料より)。1頭が一生に食べる量は約100gとのことなので、当館の葉っぱを量って計算すると20〜35枚になります。

 

 

 

 

 

当館で今回飼育している蚕の頭数は4万5千頭です。今日は、ここに1日に12キロ/束 を24束 = 288キロ以上(枝の重さも含む)の桑を入れました。

 

 

 

 

 

これが1束12キロです。なるべくこの重さで作ろうと思っても、毎日収穫していると段々重い束を作ってしまいます。この間、秤で量ったら15キロを越える束を作っていました。15キロにもなると、腰にかなりのダメージです。

 

 

 

 

 

当館の1日の給桑回数は2回。午前中に1回目の桑を入れた状態。この1列に1回目の給桑で入れた量は12キロ/束 を4束 = 48キロ。

 

 

 

 

 

これが夜にはこの状態です。桑は食べ尽くされ、白い蚕だけになります。2回目の給桑分も翌朝にはきれいに無くなります。

 

 

 

 

 

いま収穫途中の桑畑です。5令期になってからバンバン切ってますから、この畑の桑は明日には全て取りきるでしょう。

 

ton-caraさんが養蚕WSの本日分をブログにアップされました。そちらもご覧ください。

 

 

 

 

 

 

ぐんま!トリビア図鑑

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群馬テレビさんが番組で当館を取り上げてくださることになりました!

御番組の放送回数は、当館でちょうど第100回にあたるそうです。大切な回に取り上げていただき感激です。昨日は撮影日でした。ぜひ、ご覧ください!!

 

番組:【ぐんま! トリビア図鑑地域を知る、探る〜新感覚の歴史・地誌・教養番組

放送日:2017年10月3日(火)21:00 〜 21:15

再放送:10月7日(土)10:30 〜 10:45 、10月9日(月)12:30 〜 12:45

 

 

 

 

 

 

少しだけ撮影風景を。

レポーターの藤田りえさんがご一緒してくださり、当館の仕事である養蚕から座繰りまでをご紹介いただきました。

 

藤田りえさんが、昨日の撮影をブログにアップしてくださいました!

藤田りえ オフィシャルブログ「りえうらら」

 

「ぐんま!トリビア図鑑」のスッタフのみなさま、藤田りえさま、取材いただきありがとうございました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蚕網の話

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今週末の群馬県は、台風の影響があり雨模様になりそうです。

昨年の晩秋蚕の飼育中は1日曇りの日があったくらいで、あとはずっと雨でした。そのため、繭の作柄は良くありませんでした。今年の晩秋蚕は、いまのところ良好です。濡れ桑を一番与えたくないデリケートな成長期である4令までの飼育がもうすぐ終わります。

 

養蚕ワークショップも進んでおります。

ton-cara さんが、その様子をブログにアップしてくれているので、ぜひご覧ください。 https://www.ton-cara.com/blog/kyousitunohuukei/養蚕ワークショップ/

 

 

 

 

 

 

さて、先日お友達から中古の蚕網(かいこあみ)を譲ってもらいました。

この網のことについては、ブログに書いたことがないような気がしたので、今回は飼育のことから少し離れて、この道具について書こうと思います。

 

蚕網とは、蚕が葉を食べた後の枝や蚕糞を取り除くときなどに使われる網のことです。蚕の成長期に合わせて、目の細かなものから粗いものへと使い分けます。

 

 

 

 

 

 

譲ってもらった網は、糸網(いとあみ)ともいいます。目が細かく、とても軽いです。これは、2令期ころまでの小さな蚕に使います。

 

この網は民俗資料館行きの代物です。群馬県では、昭和30年代に稚蚕期の飼育を共同の飼育所で行うようになりました。これにより、個々の農家でこの網は使わなくなったのです。稚蚕飼育を委託できる施設がある県は群馬県を含め一部です。県によっては農協さんも養蚕から撤退しているので、これから養蚕を始めたい人は自身で稚蚕から飼育する必要があるでしょう。その場合は、こうした糸網があると便利です。網に関しては、他の作物の農材で代用できる場合もありますから、探してみてください。

 

 

 

 

 

この糸網を2令になった蚕に使ったときの様子です。網を掛け、その上に新鮮な葉をのせると、蚕が網の上に上ってきます。

 

 

 

 

 

 

3令期に使っている網。

 

 

 

これは、4令期以降で使う目の大きな網。プラスチック製もありますが、写真はナイロン製。これは群馬県だとお馴染の網です。いまでも新品が購入できます。実は、コンニャク栽培の農材なのだと業者さんに教えてもらいました。コンニャク業界はまだまだ安泰でしょうから、この網は心配しなくても当分は手に入るでしょう。コンニャクでどのように利用されているかは、見たことがないので不明です。

 

 

 

 

 

 

上蔟(じょうぞく)のときには、このように使います。糸を吐き始めた熟蚕を手で拾うときは必要ありませんが、一斉に蚕を集めるときは必要です。一斉に集めるとは、枝に上っている熟蚕を一所に振るい落とすのです。その時、蚕と一緒に葉の屑などのゴミも落ちます。蚕とゴミを分離するために網を掛けるのです。

 

 

 

 

 

 

こちらは藁縄製で、縄網(なわあみ)といいます。いまは民俗資料館などへ行かないとお目にかかれません。この写真は、徳島県の農家さんで見せていただきました。昔は自家で編んだそうです。縄網自体は全国で広く使われましたが、この編み方はちょっと特殊だと思います。

 

 

 

 

 

 

こちらは、い草製。山形県の農家さんで見せていただきました。飼育に使う籠が丸いと網も丸い形状になります。い草製のものは、他の県のものも見たことがあります。

山形県のは、この網よりも飼育の丸籠の編み方が独特です。籠モノに目がない私としては、すごく魅かれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月11日から晩秋蚕の飼育が始まりました。

今年の春蚕から ton-cara さんと養蚕ワークショップ(以下WS)をスタートしました。この晩秋蚕もWSを開催しています。早速、ton-cara さんが WS 1日目の作業風景をブログに細かく書いてくれましたので、ぜひご覧ください。

 

この養蚕WSは、飼育期間中ずっと参加してもいいですし、体験してみたい作業日だけスポットで参加することも出来ます。現在も参加者を募集していますので、ご興味ありましたら布施さんまでご連絡下さい。

 

 

 

 

 

 

3令期の途中まで農協の稚蚕飼育所で育った蚕たち。飼育経過がよく揃っています。夜に眠に入った蚕たちは、12日の午後には起きて脱皮を始めたのもでてきたので、石灰を散布しました。石灰散布の目的は、蚕の飼育経過を揃えるためと病気予防です。揃えるというのは、石灰で桑の葉を枯らし食べられなくすることです。先に脱皮して起きた蚕はお腹を空かせて残り葉を食べます。すると眠の状態の蚕と飼育経過に差が出てしまうのです。大方の蚕が起きたら、新鮮な葉を与えます。