現在放送中のNHKの連続テレビ小説『エール』の撮影でお仕事をいただきました。

今週(第11週)の 6/11(木)・ 6/12(金)に携わったシーンがでます。

ぜひ見てください。

 

『エール』の主人公、作曲家・古山裕一が誕生したのは「日本が生糸輸出量世界一となった明治42年、急速に近代化がすすむ福島の老舗呉服屋」。福島県といば、昔から養蚕と絹織物が盛んで現在でも川俣では上質な羽二重の生地が生産されていますね。


今週の放送では、裕一が故郷の福島に妻と娘をつれて帰省します。そこに農家が登場するエピソードがでてきます。この農家は養蚕を生業にしていて農閑期に蔟(蚕が繭を作りやすいように用意する道具)を編むのです。このシーンで使う養蚕道具(折藁蔟2種、蚕棚、蚕箔、藁蔟)の貸出と折藁蔟機2種の技術指導をしました。

 

放送時間としては短いですが、当館が係ったシーンだけで2日間を要しました。助監督さんと少しお話すると、この場面のために時代背景や当時の蚕業のこと、養蚕農家は冬にどんな仕事をしているかなど、関連施設や資料を幾つも当たったということです。ドラマ制作のことはまったくわかりませんが、想像するよりも多くの時間を掛けて準備されたシーンで驚きました。丁寧に作り込まれたドラマですね。

農家の夫婦役の俳優さんは当日の限られた数十分の練習時間で藁蔟の編み方を覚え、台詞と合わせて演じられました。キャスティングからドラマの中ではきっと大事なエピソードなのだと思います。最後にスタッフさんの年齢層がとても若く活気ある現場でした。関係者の皆さまには撮影時、細やかにお気遣いいただきました。ここで改めて感謝申し上げます。

 

 

https://www.nhk.or.jp/yell/story/week_11.html