懇親会後のつづき。

いつもはここで解散なのですが、2019年晩秋蚕・養蚕ワークショップの参加者さんは織物を学んでいる方々でした。そこで時間のある方で午後から桐生にも行っちゃおうという話しになりました。

 

桐生は機業が盛んな地域です。織りの見学ということで、訪問したのは森秀織物さんの資料館です。当館は2回目、久しぶりの訪問でした。とても楽しかったのでご紹介します。桐生にいらしたら是非一度は見学いただきたい場所です。

 

織物参考館・紫(ゆかり)

住所:群馬県桐生市東4丁目2-24

TEL:0277-45-3111

定休日:月曜

 

 

 

 

こちらの織物参考館・紫は、森秀織物さんの敷地内にあります。ノコギリ屋根の建物が特徴で、文化庁の登録有形文化財など幾つもの登録や認定を受けています。資料館もノコギリ屋根の造りですから外観、そして内側では明かりの入り具合を見ていただきたいです。

 

予約無しで解説員の方が1名着いてくださいました。展示物を示しながら、織機の種類や特徴、動かし方、歴史などを教えてくださいます。

 

この資料館で目を引くのは『ジャンボ高機』です。桐生市川内町の高草木仙次郎家で明治15年から20年頃まで使われていたそうです。現存する手織りの高機としては日本最大とのこと。当時は輸出用として広幅の羽二重などを織りました。

 

 

 

 

この資料館が楽しいのは、このジャンボ高機の織り体験ができるところです!!

普通の高機は1人で織りますが、これは3人がかりです。どうやって織るのか知りたいですよね!

 

解説員さんが真ん中に入って2枚の綜絖を上下させる踏み木を操作します。左右の2人はヨコ糸が入ったシャトルを飛ばす担当です。打ち込みは3人で息を合わせないとキレイに入りません。ここでしか体験できませんから、是非挑戦いただきたい!!

 

3人の動作を見ていて、これで輸出に叶う品質の布を織るのは至難の業だと思いました。使用されていたのが5年程であることが気掛かり。一人用だったのを単純に巨大化しただけで、それにより発生する欠点に対し工夫が成されていないですもんね。あまり使い物にならなかったのかなとか、その内にもっと工夫した広幅織機が発明されたのだろうかと想像します。短期間しか使わなかったのに処分されずによく残っていたものです。日本の織機の歴史資料としてたいへん貴重ですね。寄付されたとき、この織機はパーツのままだったので資料館で組立てたそうです。それだけでなく、タテ糸を張って織れる状態に調節してあるのですから本当に素晴らしい!さすが織物メーカーさんです!!

 

 

 

 

空引き機や手織りジャガードなどもあり、手織りジャガードは動作をふまえて説明してくださいます。他、高機では『桐生高機』も見ていただきたいです。人力で風合いの良い絹布が織れるよう構成された織機です。

 

解説は手織り機がメインのようです。機械織機類も展示はありますが、解説は無かったです。

 

 

 

 

桐生の絹織物といえば「桐生お召」です。縮緬なので強撚糸の糸が必要です。そこで登場するのが写真の『八丁撚糸機』です。お召を織るために岩瀬吉兵衛とその孫笠原吉郎により発明されました。これは動体展示で、動かしながら解説してくれます。これも必見!

 

 

 

 

それから、事前に予約すれば手織り体験や染色体験もできるようです。

 

 

 

 

最後は工場見学です。

 

 

 

 

商品は紋織の掛け軸や名物裂、桐生御召などさまざまです。

 

 

 

 

伺ったのはお正月明けの1月7日だったのですが、もうすでに来年の2021年カレンダーを織っていらっしゃいました。

 

見学後は、ショップで森秀織物さんの商品を購入できます。浮世絵など日本らしいデザインの商品が豊富にあるので、外国からのお客さまをお連れするのにもお勧めです。