繭の品評会

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私が住む安中市の碓氷安中農協さんでは、毎年11月23日に収穫祭「地産地消 農業祭り」が開かれています。この日は、農産物や加工品がたくさん並び、手ごろな値段で買えるので開場時間の9時前から長蛇の列ができます。

 

 

 

 

 

 

 

列ができる催しの1つに、農家さんの共進会があります。共進会は、作物の品評会です。農家が一番良く出来た作物を出品します。その作物は買うことも出来るので人気です。

 

 

 

 

 

 

この会の作物は予約販売です。作物には切り取り式の札がついており、その札の引換券を切り取ると購入資格が得られます。早い者勝ちです。開場時間とともに建物内に人が流れ込み、あっという間に券が無くなります。注意点は、すぐ持ち帰れないことです。引き渡し時間が14時〜15時なのです。ご興味ありましたら、来年チャレンジしてみて下さい。

 

 

 

 

 

さて、この共進会の一角には、地元養蚕農家さんの繭も出品されています。

これは晩秋蚕期(ばんしゅうさんき)の繭品評会になっています。賞が設けられており、優等賞、一等賞、二等賞、市長賞などがあります。

 

 

 

 

 

 

この品評会には私も参加しています。7、8回目になると思いますが、今回は初めて入賞しました。黄繭種(おうけんしゅ)の「ぐんま黄金(こがね)」で二等賞をいただきました!!安中市の養蚕家の中で、わたしは一番年少なので、まさかの入賞に小躍りしました。来年も良い繭が生産できるよう精進します。引換券が切り取られていました。売約済みということです、嬉しいな。

 

 

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ここからは過去のお話。

初出品した2011年の写真がありましたのでアップします。品評会には地元の養蚕家が各1品出しますから、この8年で数が減りました。だから入賞できたのだろう、なんて野暮なこと言わないで下さいね。

 

 

 

 

 

 

この時、初めて先輩方の繭を一堂に見る機会に恵まれました。わたしの眼識では入賞した繭と、逃した繭の違いがよく分らない品種もあり、持ち帰って観察したいと思いました。幸運なことに、優等賞も含め数点を入手できました。写真は、この年に出品されていた「新小石丸(しんこいしまる)」7点の内の3点です。

 

帰宅後の観察で一番驚いたのは繭層(けんそう)の厚み(固さ)です。わたしが生産した繭は、他と比べて厚みが一層くらい薄いのではないかと感じました。見た目の大きさや形だけなら差ほど違いは無かったので衝撃でした。繭層が薄いと言ってもペコペコしたものではなく出荷可能なレベルです。出荷レベルなので若輩ながら自信はあったのですが、このことで自身の未熟を思い知りました。と同時に先輩方の技術の高さと養蚕の奥深さに感嘆したのです。

 

優等賞農家になりますと、繭は大きく、繭層も厚い。蚕品種(さんひんしゅ)独自の形、例えば新小石丸ならくびれがはっきり出ている。形に関しては繭の両端(破風(はふ))が美しいアーチを描いている。繭のシボの出方は表面の繭糸の縮れがはっきりとバランスよく細やかに出ている。色は蚕品種独自の色が出ている。特に黄繭のような有色(ゆうしょく)繭は濃淡もバランスが良かったです。

 

製糸工場に出荷する農家の繭は、価格を決めるために格付けがなされます。これを繭検定(まゆけんてい)といいます(現在は、実施していない地方もあるかもしれません)。今日のお話は、これとは別の品評です。繭検定は検定用に採取した繭から、選除繭歩合(せんじょけんぶあい)繭糸長(けんしちょう)・解じょ率・繭糸繊度(せんど)・生糸歩合などを調べるのです。この検定結果は後ほど各農家に知らされますが、他の農家の結果を知る機会はほとんど無いでしょう。

 

繭検定の数値で品質を認識することは重要ですが、多くの養蚕家の繭を実際に見て手で触れることは、原始的ですがとてもダイレクトで学びが多いと知りました。群馬県内でも、この安中市は養蚕農家戸数が多い地域です。繭品評会も続いていますから、わたしはさまざまな先輩農家の繭を見て勉強できる環境を得られています。これは、養蚕家にとって大変幸せなことです。国内で繭の品評会が行われているところは、今ではほとんど無いのではと思います。この碓氷安中農協の繭品評会は貴重なものになりました。数年前ですが、一度このイベントを止めると言うことでお休みした年がありました。できたら、これからも長く続けていただきたいです。