7月29日に、恒例の碓氷社清掃ボランティアに参加してきました。

 

碓氷社というのは、明治11年にこの地の養蚕農家が出資して始めた製糸合同販売団体でした。この周辺は、昔から副業として蚕飼いや座繰りをする者があり、その生糸を仲買する業者もありました。創業当初は、当館も行っている手回しの座繰器で生糸を製造し輸出していたといいます。なので、わたしとしてはとても思い入れのある場所です。

 

わたしがこの催しに参加した切っ掛けはもう一つあります。当館が今の場所に移転してきた時に、主催の磯部南京玉すだれ愛好会のお二人に声を掛けていただいたことでした。その後、小学校に福袋をプレゼントする、おこさまネットワークの活動などもあり、地域の方と交流する機会をたくさんいただきました。お二人にはとても感謝しています。

 

清掃の様子は、磯部南京玉すだれ愛好会さんがブログにアップされたのでリンクします。https://blog.goo.ne.jp/isobenoisobe/e/211839fe83b788e44e7351bc580e557f

 

 

 

 

 

 

それから、今回の催しにはton-caraのワークショップに参加いただいているIさんがお手伝いに来て下さり、清掃後の見学会にも参加されました。ご参加ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

そして、主催のHさんからは碓氷社の情報をいただきました。

碓氷社が昭和2年に発刊した『碓氷社五十年史』の復刻版が昨年出版たされたそうです。この社史は、国立国会図書館のデジタルアーカイブでも読むことが出来ますが、手に取ってページをめくりたい方には朗報ですね。

 

調べてみると、2017年12月から地域文化復刊PODというサービスができたようです。一般財団法人群馬地域文化振興会を発行者、朝日印刷株式会社を製造・販売者として、群馬県の先人が遺した貴重かつ希少な文献等を、希望者の需要に応じて復刊頒布してくれるのだとか。すごい!!現在復刊している中には、田島弥平の『養蚕新論』もありました。ご興味ある方はぜひサイトを覗いてください。● ぐんまの本棚『地域文化復刊POD』

 

 

 

 

 

 

ただし、これらは出版当時の復刻であることをお忘れなく。養蚕新論の翻訳付きがほしい方には農文協の明治農書シリーズをオススメします。碓氷社五十年史についても補足。社史ですので実際の製糸方法についての記述はほぼありません。上州座繰器の歴史を勉強したい方には、松浦利隆著『在来技術改良の支えた近代化』がオススメです。こちらは現在でも購入可能です。