今日は、養蚕シーズンのエピソードを1つ。

2日前のことですが、当館の桑畑の近くに空き地を持っている農家さんが訪ねていらっしゃいました。「空き地に除草剤を撒きたい。蚕は大丈夫かな?」と。どういう話かと言うと、蚕は除草剤などの薬が付着した葉を食べると死ぬのです。確認に来ていただいたことがとても有難く、うれしかったです。昔は養蚕従事者が多かったので、蚕を育てる時期は農薬散布を控えるのが当たり前で、お互い様だったといいます。現在は、そうは行きません。従事する側が、周辺の状況を把握して、お願いに上がる必要があります。ですから、こうして気にかけていただけることは本当に幸いです。養蚕はご近所の理解も欠かせません。

 

さて、当館の春蚕たちは3齢期になっています。

上の写真は、除沙(じょさ)という作業をしているところです。蚕の糞や残った葉を片づけているところです。わたしが手に持っているのは、1〜2齢期に使用していた網です。この網はもう使いませんから、空いた時間に洗浄消毒して天日干し、収納場所に片づけました。天気が良いと洗浄した蚕具が当日中に十分乾いて直ぐ片づくので助かります。お天道さま、ありがとう。

 

 

 

 

 

 

蚕は大きくなってきたので、住み処は倍になりました。これから成長に合わせて飼育スペースはどんどん広がって行きます。

 

 

 

 

 

 

3齢期になると、アゴが強くなるので葉は刻まなくてもよくなります。

刻む人もあります。当館も農協さんに3齢配蚕していただく場合は刻んで与えています。