蚕網の話

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今週末の群馬県は、台風の影響があり雨模様になりそうです。

昨年の晩秋蚕の飼育中は1日曇りの日があったくらいで、あとはずっと雨でした。そのため、繭の作柄は良くありませんでした。今年の晩秋蚕は、いまのところ良好です。濡れ桑を一番与えたくないデリケートな成長期である4令までの飼育がもうすぐ終わります。

 

養蚕ワークショップも進んでおります。

ton-cara さんが、その様子をブログにアップしてくれているので、ぜひご覧ください。 https://www.ton-cara.com/blog/kyousitunohuukei/養蚕ワークショップ/

 

 

 

 

 

 

さて、先日お友達から中古の蚕網(かいこあみ)を譲ってもらいました。

この網のことについては、ブログに書いたことがないような気がしたので、今回は飼育のことから少し離れて、この道具について書こうと思います。

 

蚕網とは、蚕が葉を食べた後の枝や蚕糞を取り除くときなどに使われる網のことです。蚕の成長期に合わせて、目の細かなものから粗いものへと使い分けます。

 

 

 

 

 

 

譲ってもらった網は、糸網(いとあみ)ともいいます。目が細かく、とても軽いです。これは、2令期ころまでの小さな蚕に使います。

 

この網は民俗資料館行きの代物です。群馬県では、昭和30年代に稚蚕期の飼育を共同の飼育所で行うようになりました。これにより、個々の農家でこの網は使わなくなったのです。稚蚕飼育を委託できる施設がある県は群馬県を含め一部です。県によっては農協さんも養蚕から撤退しているので、これから養蚕を始めたい人は自身で稚蚕から飼育する必要があるでしょう。その場合は、こうした糸網があると便利です。網に関しては、他の作物の農材で代用できる場合もありますから、探してみてください。

 

 

 

 

 

この糸網を2令になった蚕に使ったときの様子です。網を掛け、その上に新鮮な葉をのせると、蚕が網の上に上ってきます。

 

 

 

 

 

 

3令期に使っている網。

 

 

 

これは、4令期以降で使う目の大きな網。プラスチック製もありますが、写真はナイロン製。これは群馬県だとお馴染の網です。いまでも新品が購入できます。実は、コンニャク栽培の農材なのだと業者さんに教えてもらいました。コンニャク業界はまだまだ安泰でしょうから、この網は心配しなくても当分は手に入るでしょう。コンニャクでどのように利用されているかは、見たことがないので不明です。

 

 

 

 

 

 

上蔟(じょうぞく)のときには、このように使います。糸を吐き始めた熟蚕を手で拾うときは必要ありませんが、一斉に蚕を集めるときは必要です。一斉に集めるとは、枝に上っている熟蚕を一所に振るい落とすのです。その時、蚕と一緒に葉の屑などのゴミも落ちます。蚕とゴミを分離するために網を掛けるのです。

 

 

 

 

 

 

こちらは藁縄製で、縄網(なわあみ)といいます。いまは民俗資料館などへ行かないとお目にかかれません。この写真は、徳島県の農家さんで見せていただきました。昔は自家で編んだそうです。縄網自体は全国で広く使われましたが、この編み方はちょっと特殊だと思います。

 

 

 

 

 

 

こちらは、い草製。山形県の農家さんで見せていただきました。飼育に使う籠が丸いと網も丸い形状になります。い草製のものは、他の県のものも見たことがあります。

山形県のは、この網よりも飼育の丸籠の編み方が独特です。籠モノに目がない私としては、すごく魅かれました。