2011年5月に夫の友人家族と榛名山の東側にある風穴を3箇所見ました。
この風穴は、高崎市箕郷町松之沢にある「黒岩風穴」です。榛名湖畔へ登る県道28号を進むと、途中右手に垂直の岩壁が見えます。これが黒岩です。その場所が林道入口で、そこから車を降り、徒歩となります。林道を20分ほど歩いてみたけれど、一行にそれらしい看板も雰囲気もありません。この日は運良く山仕事をしていた方がいて、だいたいの場所を教えてもらうことが出来ました。それで、なんとかたどり着けましたが、風穴へは林道をそれて林の中へ入って行かなくてはなりません。特に特徴のあるものは無いので、歩く道すがら目印をして行かないと確実に迷うような場所です。間近まで来ると、黒岩風穴について説明する箕郷町教育委員会の看板がありました。
看板説明によると、【黒岩風穴は、穴からでる冷気を利用した貯蔵庫の跡で、明治36年(1903)、蚕種(カイコガの卵)の保存を目的として設立された「榛名風穴合資会社」により管理、運営され、大正9年ごろまで使われていた。(中略)穴の中は、1年を通して摂氏4度に保たれるため、秋ごろに採取した蚕種を掃立までの間、ふ化させずに保管することができた。風穴を利用した蚕種保存は明治末期から大正にかけて群馬、長野、岐阜などで行われており、養蚕が盛んだった時代の様子を伝える貴重な資料のひとつである。】とあります。
貯蔵用の深さは約2メートル。竪穴の周りは、扁平に割られた石を矢羽状に積み上げた石垣になっています。この石と積み方がカッコいい。印象的な風穴でした。
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続いて訪れたのは、県立伊香保森林公園内にある「ワシノ巣風穴」です。
この風穴はハイキングコースのなかにあります。車の場合は管理棟の手前に風穴への入り口があります。車の場合のアクセスが簡単なのと、風穴に入れるので夏休みの子供さんの学習にオススメです。
看板の説明によるとタカノ巣風穴は、【榛名カルデラ火山の寄生的火山として活動していた二ツ岳が終期をむかえ、穴山の隆起と冷却の過程において、山が裂け岩も裂けて、山全体にすき間ができたものです。】
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タカノ巣風穴の先に、「風穴利用貯蔵庫跡」という場所もありました。
石積みの中に入ると、やっぱりひんやりとしています。ベンチがあったので、夏なんかには、ここで読書でもしたいようです。
古びた説明板が立て掛けてありました。
これによると、【蚕種等貯蔵庫跡 ここは、風穴の冷気を利用して、養蚕の種や○実を貯蔵したる、榛名湖の氷を夏まで保存するため、冷蔵庫がわりをして使用していた貯蔵庫の跡です。また、茶屋もあって、雄岳山頂にまつられている二ッ岳大神の参拝者や夏には伊香保温泉に避暑に訪れた浴客も、冷気を求めに来るなど、たいへんなにぎわいを見せていました。】