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群馬県立日本絹の里で 9月12日 から「花まゆ展」が始まります。
この「花まゆ」の作品には、いつも惚れ惚れします。晩秋蚕が終わったら見に行こうと思っています。

さて、繭から花や人形をつくる活動は、いつから始まったのでしょう。
調べてもわからなかったのですが、わたしが持っている養蚕関連の本に繭でつくったマスコットというのがでてきます。これは昭和52年のものなので、少なくとも今から38年前には、すでにあったのですね。わたしは蚕と蚕の糸に魅せられているので、繭のクラフトにはあまり関心はなかったのですが、この酒井登巳子さんの作品を初めて見たときには衝撃が走りました。これはクラフトではない、芸術だと思いました。繭が芸術にまでなった!初めてそれを見たと思いました。染め織り以外で繭を(絹を)芸術にまで押し上げた人。酒井さんの作品を見てわたしはそう思いました。





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そこで、今回は酒井登巳子さんの花まゆの本をご紹介します。

『 繭から生まれた花 』
著者:酒井登巳子・花まゆ主宰
発行:ラトライズ 価格:2400円(税別)





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この写真の花まゆは、くず繭や汚れ繭、穴あき繭、生糸を繰り終わったあとの残りの揚がり繭でつくられています。酒井さんたちが最初に使った繭は、こうした原料だったそうです。廃棄処分になる運命にある繭に新しい命を吹き込みたい、そんな願いから生まれた花です。





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枝垂れ桜。





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本の中には、花まゆの作り方も紹介されています。





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他にも美しい作品がオールカラーでたくさん収められています。また、繭の里を訪ねてと題して、養蚕農家や製糸などの現場を旅した手記も掲載されています。著者の繭への想いに触れるステキな一冊です。

花まゆのオフィシャルHP:http://hanamayu.com