あが1

梅雨も明けて、暑い日がつづきますね。
休日、涼をもとめて吾妻の方へ。
安中からなので軽井沢の方を通ってドライブしたのですが、渋滞。
抜けるのに少し時間がかかりました。連休に軽井沢を通るものじゃありませんね。





あが2

そして、嬬恋のバラギ湖まで行ってみてビックリ。
無印良品のカンパーニャ嬬恋キャンプ場があるのですが、テントがひしめいている。
写真の中央、建物以外のものは全部キャンプのテントです。
夏休みに入ったんでしたっけ。連休だし、パパママは大変だ。





あが3

・・・と、この日は、夫が嬬恋郷土資料館で行われている硫黄鉱山の企画展を観ようかなという目的もありました・・・と、それが日記に書きたかったことではなくて、この資料館で偶然にも榀(シナ)の繊維を見たのです。





あが4

以前来たときに、資料館内で榀の糸で織ったしおりを買いました。それで地域でつくっている会があるのだなと認識はしていましたが、目にする機会があるとは思いませんでした。
たまたま、この日は会の人が作業のために来ていたそうです。





あが6

嬬恋村では昔、シナ織りがおこなわれていたそうですが技術が途絶えてしまったようです。そこで「さゆみの会」の発起人が山形で技術を学んできて始めたそうです。20年近くつづいている会のようです。さゆみとは、タテ糸の少ない古式な布のことで、伝統的な古代布、榀布などのことをさすのだとか。

織物以外にも榀は使われていて、山で収穫したものを束ねるのに、その場で木から繊維を剥いで縄にしたのだと伺いました。榀の木は、嬬恋村では身近に自生するもののようですね。




あが7

榀の木ってどんな木ですかとたずねたら、ちょうど資料館のところにありました。
20年くらい経ったものが繊維を剥ぐのにちょうど良いのだそうです。





あが8

せっかくなので、今回はコースターを一枚買いました。





あが9

帰宅してから、榀布ってどんな工程でつくるんだったかと思って、本棚から引っ張り出してきました。別冊太陽「日本の布 原始布探訪」。






あが10

これには榀布の実物見本がついています。





あが11

取材されているのは、新潟県山北町山熊田。新潟と山形の県境。
榀の木から樹皮を剥いでいるところ。剥ぐのは梅雨時期が良い。





あが12

剥いだら、外皮と中皮を剥がす。原料になるのは中皮。木灰汁で3昼夜煮て柔らかくし、川で洗う。
資料館で見せていただいたのは、この工程まで済んだものでした。

この後は2、3日糠水につけて発酵させて漂白し、川で洗い、陰干しするそうです。これでひと段落で、冬になると繊維をほどよい太さにさいて、績んで撚りをかけて糸にします。





あが13

織りは、湿気がないとやりづらいため、2月の豪雪期を選んではじめる。雪が溶けだすころには1機(20丈)ほど織り上がるのだとか。

嬬恋村でも、こういう布を織っていたのでしょうか。この本にある山熊田はどうでしょう。いまでも、こんな風に織っているところがあれば訪ねてみたいです。