モロコシ1

昨年中にできなかったモロコシの脱穀をやっとしました。



モロコシ2

その後、唐箕でゴミなどを飛ばしました。
これで種まきの時期まで保管します。



モロコシ3

このモロコシは、タカキビの名称のほうが一般的でしょうか。コーリャンともいいます。食用として外国から日本に渡ってきたもののようですね。そして、いつの頃だか脱穀した後の穂が糸取りの道具にちょうどいいなと思った人があったのですね。きっと、土地によってとれる作物は違いますから、昔はいろんな糸取り箒があったことでしょう。

群馬でいまでも見かけるのは、このモロコシです。
明治・大正頃の手引書のなかには、このモロコシの箒は玉糸製糸に用いるとはっきり書いてあるものがあります。ということは、その頃にこのモロコシの箒は玉糸製糸の技法とともに全国に広まったのかもしれませんね。モロコシは荒地でも育ちますから食用としてまず全国で栽培されていたでしょうから入手も容易かったでしょう。玉糸製糸が盛んだった時代には、これを栽培して製糸家に納めた農家や仲介業者が全国にあったのだろうなとも想像してみたりします。

自動繰糸の機械にいまでもついている藁の索緒箒は、専門業者があったそうです。
わたしが碓氷製糸に勤めていた10年くらい前の話ですが機械整備をしていたおじさんが教えてくれました。その当時、もう国内では栽培する農家はいなくて手に入るのは中国製だと言っていました。本来の索緒箒は、お米を脱穀した後の穂ではないそうです。品種まではわかりませんでしたが、専門に栽培された若い穂だと聞いています。なので、わたしも若い穂を農家さんからわけていただいて作っていたこともありますが、脱穀後の穂でも個人で座繰りをするのにはまったく支障はありません。

話がそれましたが、そんなことで、わたしは玉糸をつくるときにこの箒を用います。実際に使うときは、実や籾殻の部分をよく取り除きます。この部分には赤い色素があるので、しっかり取り除かないと座繰りをするときに生糸に色がついてしまいます。要注意です。