「おみやげ、しゅごー✨」
「それ、きっとね‼️あ…ないない💦」
隆臣が何かを言いかけて、慌てて自分の口を塞いだ。
「なぁに?たぁくん、なんか言った?」
「なんでもないない💦」
「変なの」
「さぁ、家に帰るぞ。乃愛、隆臣」
「はぁーい‼️」
臣が隆臣と乃愛の手をとって歩きだそうとした。
「あれ?」
隆二がついてこない。
「おい、帰るぞ」
「…」
「隆二?」
隆二は空を見つめたまま、何も答えない。
「どした?」
一瞬空が翳り、一陣の風が吹いた。
「うわっ💦」
住宅街に突如巻き起こった強風に驚き、臣は咄嗟に自分の体で子供達を庇った。
「ゲホッ…すげぇ砂ぼこりだ💦」
「乃愛、隆臣!大丈夫か?」
「たぁくん、だいじょぶよ」
「臣たんが守ってくれたからね!ありがと」
「良かった…何だろな、こんな所でビル風みたいな突風…」
歩きだそうとしてまた隆二の方を振り返った。
「おいって、帰ろ」
隆二は突風が吹く前の姿勢のままで、中天を見つめて動いていない。
「隆二!?」
ピクっと臣の声に反応して、ゆっくり振り返った。
「家だな…そうだ、帰ろう」
「なんだよ?ったく…」
「パーパもさみしいのね」
「るーたん、ニャーにゃ可愛がってたもの」
「とーしゃん、パンケーキちゅくって‼️」
「あー‼️乃愛もパンケーキね!バナナとアイスも‼️」
「わかったわかった」
「帰ったら廉に作ってもらおう」
「臣たんのも食べたい💜」
「わかった、任せろ💪」
「廉って…ああ、あの子か…」
薄く笑ってゆらりと歩みを進めた隆二の変化に、誰も気づくものはなかった。
つづく