翌日、出かけようとする直人をまりあが見送りに出て、玄関で手を握り合ったまま見つめ合っている。
「あ、そーだ!直人さん…」
臣が二人に近づき声を掛けようとすると、隆二が慌ててその手を掴みキッチンへ引っ張っていった。
「邪魔すんなって!」
臣は何も言わず恋人繋ぎしてくる。
「なに?」
「ん?いや、なんかたまにはいいかなって」
「直人さんになに言いかけたの?臣…」
「あれ?なんだっけ?忘れた…」
「大丈夫か?直人さん達に当てられてんのは臣だったりして…どれ?」
隆二が臣のおデコに手を触れた。
「熱はないね」
「なに熱だよ」
「なんだろね?」
散歩中の隆臣とチビ猫が廊下に突っ立って一部始終を眺めている。
「みんな仲良しね」
「ミュー」
「ニャーにゃもお兄ちゃんとダチョウさんしよ♫」
「ニャー」
「んちゅー😘ってできる?」
「ニャン😾」
チビ猫はプイン‼︎っとそっぽ向いて、リビングにある猫専用クッションの中に入って丸くなった。
「ニャーにゃ、ダチョウさんやなのね?お兄ちゃん泣くよ」
「ゴロゴロ…」
チビ猫はクルンっとお腹を見せた。
「ニャーにゃ…」
隆臣は手に持っていたハムスターのぬいぐるみに話しかけた。
「ゴッちゃん、どう思う?」
ぬいぐるみはなにも答えない。
「ゴッちゃんもイヤイヤなの?」
しばらくチビ猫とぬいぐるみを交互に見ていた隆臣が、キッチンへ向かいながら大きな声を出した。
「パーパ‼︎おとーしゃーん‼︎」
「たぁくんにもダチョウさんしてくらしゃーい💦」
つづく