「明日彼と会ってくるから」
「なおちゃん、私も一緒に行く」
「それはダーメ…まりあも休暇は明日まででしょ?」
「そうだけど…」
「何も心配いらないからね」
「ん…」
「あ、そうだ!明日仕事帰りに待ち合わせしようよ」
「どこ行くの?」
「今度GUとコラボしたSEVENの商品が販売されることになってね。ショップの下見についてきてくれる?」
「GUと?すごいね!私も欲しい」
「まりあのコーデは俺に任せて」
「ボーイッシュに?」
「ううん、グッと女性らしくね」
「そんなアイテムも作ったの?」
「ここからはネタバレになるから内緒ね」
「ズルい💦」
「アハハハ…」
まりあが動く度に、フローラル系のいい香りが漂ってくる。
まりあが使っているアメニティの香りだろう。
ボディソープかシャンプーかも?
そんなことを考えながら、直人は包み込むようにまりあを抱きしめた。
「なおちゃん…」
「急にぎゅっとしたくなった」
まりあも直人の腕に手を添えた。
「話つけてくるから、堂々とデートしよ」
「ん…」
「スタバも付き合ってね」
「いいよ」
直人は心から願った。
まりあの腕に残る赤黒いアザが、一つ一つ薄くなるにつれて…
笑顔で過ごせる時が増えますように…
つづく