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1913年12月28日、銚子遊覧鉄道の銚子〜犬吠が開業しました。しかし1917年11月20日、経営困難のため廃線となりました。第一次世界大戦の影響で鉄材が高騰した影響とされています。路盤はバス専用道路となりました。





それから6年。1923年7月、銚子鉄道という新会社により鉄道としてめでたく再開されました。この際に犬吠〜外川を延伸しています。当時の新聞では「気持のいい鉄道」と書かれていたそうです。

それからは大変様々な出来事がありました。業績の向上と新駅開業、戦争による設備の焼失、電化、京成グループ加入、存続危機による市からの欠損補助、たい焼き、トロッコ車両、貨物廃止、京成グループ脱退、ユネスコ構想、ぬれ煎餅、親会社の自己破産、親会社社長による借入金横領。


2006年には車両の検査の費用が払えなくなり、恐れていた状況になります。そのとき出た言葉が「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」

これがネット社会の力で拡散し、ぬれ煎餅を買って応援しようという動きが広まりました。

その後も銚子電鉄サポーターズ発足、しかし東日本大震災による観光客減少。それを乗り越えるべく国と県と市を巻き込んだ経営刷新、まずい棒のような自虐ネタ、数多くの企画、あらゆる方面とのコラボ、アイスキャンディーのガリッガリ君、電力会社による支援プラン。色々ありました。


こういった努力を重ね、2021年度決算では6期ぶりの黒字(21万円)となりました。

折しも2021年は「アイドルマスターSideM」のコラボ開始年であり、黒字は315プロダクションの数多くのプロデューサーによるもの、とも考えることができます。




さて、銚子電鉄は車両が個性的で、鉄道模型としても大変人気です。



ワールド工芸 プラシリーズ 銚子電鉄デキ3電気機関車 2015年8月発売

外川向き


銚子向き

※標記類は付属しないので、津川洋行さんの分売インレタを使用しています。

※ビューゲルは固定式のため、アルナイン(アルモデルさん)のパーツに換装しています。


1922年 ドイツ アルゲマイネ製 車番不明 沖ノ山炭坑(山口県宇部)で使用

1930年 宇部電気鉄道に炭坑専用線が吸収 この機関車は車籍が入らず動向不明

1941年 譲渡 銚子電気鉄道 デキ3(既存のガソリン機関車の連番) 黒塗装•トロリーポール

1966年 塗装変更 クリーム+赤(赤電色)

1973年 集電装置をビューゲル化

1978年 客車列車廃止

1980年? 黒塗装+白帯化

1984年 貨物輸送廃止 営業運転撤退

2009年 塗装変更 クリーム+赤(赤電色)

2012年 イベント時 集電装置をトロリーポールに復元

2013年 黒塗装化

2016年10月〜12月 灰色塗装化

2023年現在 黒塗装+白帯 ビューゲル仕様


銚子電鉄を代表する車両です。専用のテーマソングも作られています。車籍はあるものの、本線上を走行できないというのが痛いです。しかし度々姿を変えてくるので、人々の目を楽しませているのは確かです。


Nゲージでは津川洋行の完成品、ワールド工芸のキットが存在します。この小さな車体でよく自走するものを作れたもの。

津川洋行の完成品は、年代による差異が作り分けられています。欲しい年代をあらかじめ調べてから購入しましょう。


ワールド工芸(塗装済完成品のみ掲載)

760302 黒塗装 ビューゲル

760319 黒+白帯 ビューゲル

760326 赤電色 ビューゲル

760692 黒塗装 トロリーポール


津川洋行

13621 14041 黒塗装 ビューゲル

13622 14042 赤電色 ビューゲル

13623 14043 黒塗装 トロリーポール

14044 黒塗装 トロリーポール 90周年仕様

14045 赤電色 トロリーポール 90周年仕様

91001 グレー トロリーポール


余談。私の父が紙で作ったデキ3です。足回りと連結器はBトレのHGシャーシから。



津川洋行 91003 銚子電気鉄道ハフ1•ハフ2(1960年代前期仕様/車体色:青電色) 2018年8月発売

左:ハフ1  右:ハフ2


1923年 雨宮製作所製 ハニ1•ハニ2

1939年 車体載替 日本鉄道自動車製 半木製 ハフ1•ハフ2

1956年 ハフ2側窓上昇式化 緑塗装(品番91002が該当)

1960年代初頭 塗装変更 京成青電色(品番91003が該当)

1966年 木製の側面に鉄板を貼りニセスチール車体化(品番14047、旧製品の13624が該当)

1973年 塗装変更 赤電色(品番14048、旧製品の13625が該当)

1978年 廃車


デキ3が牽いていたものといえばこれ、とされています。

津川洋行では2009年にデキ3と共に製品化、2018年にフルリニューアルしています。

イチ小私鉄の客車とは思えないほどバリエーション展開されています。



津川洋行 14097 銚子電気鉄道 木造貨車 有蓋緩急車 ワフ1タイプ 2023年9月発売

1923年 雨宮製作所製

1925年 連結器交換 ねじ式連結器→自動連結器

1950年代 車体改修

1966年頃 廃車


銚子電鉄が自社で保有した貨車で、デハ101に牽引されていたようです。

津川洋行では2022年から古典貨車を製品化しており、その中の一つとして登場しました。なお銚子仕様は短い軸距を再現していないため「タイプ」と名乗っています。



鉄道コレクション 銚子電気鉄道デハ301•デハ501 2008年3月発売

※画像ではトミックス製PS13パンタグラフを灰色に塗装しています。

デハ301

1930年 新潟鐵工所製 鶴見臨港鉄道モハ105

1940年 改番 モハ115

1943年7月 国有化

1948年4月 運用離脱

1951年 譲渡 銚子電鉄デハ301

1990年代 新塗装化

2008年12月 廃車

2009年10月 解体 鶴見臨港鉄道自社発注車消滅

2024年現在 台車のみ仲ノ町車庫にて仮台車として現存


デハ301は浅野総一郎率いる浅野財閥の、鶴見臨港鉄道の車両です。第二次世界大戦中に鉄道省の鶴見線となり、現在に至る路線です。

モハ100形は国有化後の架線電圧の昇圧の際、私鉄や国鉄の他の戦時買収路線に転出しました。

21世紀まで静岡鉄道のクモハ20と共に現役でしたが、静鉄が2007年、銚電が2009年に、それぞれ解体となっています。


鉄コレでは2005年11月に記念すべき第1弾のトップ、つまり「鉄道コレクションの1番目」として、90年以前の旧塗装が製品化されました。

2008年には上述の通り、90年以降廃車までの新塗装が製品化されました。ゴリラのキャラ「アル•カッポレ」などが外された末期の姿です。


2007年12月、小学館の月刊IKKIで連載されていた「鉄子の旅」の増刊として「銚子電鉄応援Box」が発売されました。その中に、原作者の菊池直恵さんデザインのデハ301が付属していました。

ご存知とは思いますが、実車ではデハ301ではなくデハ1002にこのデザインが採用されました。

※ブレていてすみません。そのうち普段の車庫に置いて撮ろうと思います。



左:鉄コレ第1弾(90年までの塗装)外川側  右:デハ301とのセット(90〜99年の塗装)銚子側

デハ501

1947年 日本鉄道自動車工業製 近江鉄道クハ23(Ⅱ)

1949年 譲渡 上田丸子電鉄丸子線

1950年2月 電動車化 改番なし 運用開始

同年7月 形式付与 モハ2321

1962年 パンタ側運転台撤去 貫通扉設置

1969年4月 丸子線廃線 別所線上田原電車区へ移動

1972年6月 譲渡 銚子電鉄 西武所沢車両工場により両運転台化

同年8月 改番 デハ501 運用開始 アイボリー+朱色

            のち塗装変更 デハ201同様の赤電色

1990年代 塗装変更 新塗装

1999年 廃車 車体一部のみ犬吠駅前で保存

2012年 解体


近江鉄道あるあるネタとして、車両を新しく作っても車籍は古い車両の流用で、車齢がおかしなことになる、というものがあります。

1925年の近江鉄道電化時に電1形という車両を導入しました。それの鋼体化名義の新製で、1947年にクハ21形(2代目)が登場しました。


その後何やかんやあって銚子に来ました。が、小さい割に出力が大きく電気を食うので嫌われ、デハ801が入線した1985年以降は予備車として車庫警備していました。

馬鹿力高出力を買われユ101「澪つくし」牽引役に抜擢されており、また元日の初日の出では全車総出で運転されるため、決して活躍が皆無だったわけではありません。

1999年の廃車後は犬吠駅前で、相鉄モニ2022と共にレストランとして使用されました。しかし海に近いことで潮風の影響を受け、2012年に解体されています。


鉄コレでは1972年頃のアイボリー+窓周り朱色が第1弾のシークレット、1990年以前の旧塗装が第1弾、1990〜99年の新塗装がオープンパッケージで製品化されています。

また同じく第1弾に上田丸子モハ2321としても登場しています。銚子と金型が同じようなのでタイプモデルと考えておきましょう。



鉄道コレクション第12弾 銚子電鉄デハ701 2010年9月発売

外川側


銚子側

※画像ではトミックス製PS13パンタグラフを灰色に塗装しています。


1941年5月 近江鉄道モハ51•52 日本鉄道自動車工業製

                デユワ101•102の機器流用

1961年3月 片運転台化 非パンタ側運転台を撤去 貫通化

                 パンタ側正面窓 3枚窓→2枚窓化

1978年1月 譲渡 銚子電気鉄道デハ701•702

                 両運転台化

1994年 デハ701 ワンマン化

1995年6月 デハ701 衝突事故 復帰時尾灯変更

2007年11月 デハ702 青電化

2009年8月 デハ702 オークション出品

2010年1月 デハ702 引退

同年9月 デハ701 引退

2024年現在 いすみ市内「ポッポの丘」で2両共静態保存


奇しくもまた近江鉄道の車両がやってきました。やはり一癖も二癖もある車両です。

デハ1000とともに総括制御に対応するため非常に重宝されました。


鉄コレでは第12弾で、デハ701が通常ラインナップ、デハ702がシークレットとなっています。

また近江鉄道時代のモハ51が、同じく12弾に入っています。



鉄道コレクション第12弾 銚子電鉄デハ801 2010年9月発売

外川側


銚子側

※画像ではトミックス製PS13パンタグラフを灰色に塗装しています。


1950年 伊予鉄道クハ405 帝国車輛製

1961年 電装化 モハ106

1961〜63年 片運転台化 非パンタ側運転台を撤去 貫通化

1967年 両運転台化

1985年3月 譲渡 銚子電鉄デハ801

1990年 新塗装化

2010年9月 営業運転終了

2024年現在 外川駅にて静態保存


はるばる愛媛からやってきた車両です。にしても銚電、両運転台と片運転台を行き来した車両に縁がありすぎます。


鉄コレでは第12弾にて、伊予鉄時代のモハ106としての姿と共にラインナップされています。



鉄道コレクション 銚子電気鉄道デハ1001(桃太郎電鉄) 2009年4月発売


鉄道コレクション 銚子電気鉄道デハ1002(鉄子カラー) 2011年12月発売


1959年 帝都高速度交通営団銀座線2033 帝国車輛製

            2039•2040 日立製

1960年 2046 帝国車輛製

1968年5月 2033•2039•2040 転属 丸ノ内線(方南町支線)

                 2046 固定編成化

2033…分岐2 2039•2040…分岐5 2046…銀座1

1985年 組換

2033…M62 2039•2040…M65 2046…G88

1987年 組換 2046…G37

1991年 編成番号変更

2033…M82 2039•2040…M85 2046…G67

1993年7月 銀座線•丸ノ内線から全車引退

1994年 譲渡 銚子電気鉄道デハ1001•1002

デハ1001…2046+2033先頭部

デハ1002…2040+2039先頭部

1500N形および3000系の機器、富士急行モハ5700(小田急2200形)の台車を流用

2007年4月 デハ1001 「桃太郎電鉄」ラッピング

2008年12月 デハ1002 「鉄子の旅」塗装

2011年11月 デハ1002 丸ノ内線塗装

2012年8月 デハ1001 銀座線末期塗装(屋根橙色)

2015年1月 デハ1002 引退 仲ノ町車庫に留置

2016年 デハ1001 銀座線塗装(屋根赤色)

同年2月 デハ1001 引退

同年3月 デハ1001 静態保存 昭和の杜博物館(松戸市)


なんと第三軌条式地下鉄の車両を架線集電式へ、更に片運転台をニコイチで両運転台化という魔改造をしています。日立電鉄向け改造車ながら2両だけ銚子に来て、結局長生きしたのも有名な話。


「鉄子カラー」とは、千葉県出身の漫画家である菊池直恵さん考案の塗装です。同氏は“トラベルライターの横見浩彦さんが、作者と編集者を全国各地の鉄道へ案内する”という内容の漫画「鉄子の旅」の初代原作者です。アニメ化されるまでの人気を誇ります。

犬吠埼の朝日のオレンジ色と海の紺色をベースに、乗降扉に斜めの白線を入れて「潮の満ち引き」を表現しています。かつて在籍したトロッコ車両「澪つくし号」にも通じるものがあります。


鉄コレでは2008年の第8弾にデハ1002の登場時塗装(他形式で言う新塗装)、2013年に営団塗装2両セットとして製品化されています。

また改造前の姿として、2018年発売の営団2000形丸ノ内線セットには方南町支線仕様の2033が含まれています。



鉄道コレクション第23弾 銚子電気鉄道2000形2002編成 2016年9月発売

←クハ2502  デハ2002→


1962年8月 京王帝都電鉄2010系デハ2069 日立製

同年12月 京王帝都電鉄2500系サハ2576 日本車輌製

              サハ2122の車籍と台車を流用した“ラージマルティー”

1963年頃〜1970年頃 2両とも5000系同様のアイボリー地+えんじ帯(この頃はそれぞれ別編成) 

1984年 廃車

1985年2月 譲渡 伊予鉄道800系

←横河原        高浜•郡中港→

モハ822+サハ853+モハ813

(種車:デハ2069+サハ2576+デハ2021)

1986年5月 冷房化

1993年頃 サハ853 先頭車化

               クハ853 京王5000系風の先頭部を接合

1995年頃 新塗装化

2009年11月 廃車

同年 譲渡 銚子電気鉄道2000形2002F

←外川           銚子→

クハ2502+デハ2002

(種車:クハ853+モハ822)

アイボリー単色+AEON銚子ラッピング

2012年 ラッピング解除 1960年代のえんじ帯追加

2013年9月 デハ2002 先頭部のみ銚子電鉄90年代塗装

2014年1月 笠上黒生駅で脱線事故

2015年4月 営業運転復帰 銚子電鉄90年代以前塗装

2022年11月 デハ2002 しなの鉄道169系アコモ車の座席を2席設置

同年12月 一部ドアを北陸鉄道8000系の廃車発生品に交換


2000年代。単行で走る電車の出物は無くなり、1000形のような魔改造も費用がかさむので、銚子電鉄も2両固定の電車の導入を決めました。以前も2両運転はありましたが、異形式の連結では総括制御ができず、車両と同数の運転士を乗せるという非効率なものでした。

当初は京王井の頭線の3000系を2連×4編成入れようとしました。しかし拡幅車体であることと、制御電動車が存在しないのでそのまま2両編成にならないこと、直流600V仕様に改造が必須なこと、その他諸々の都合で辞めました。

そこで京王は3000系を愛媛県の伊予鉄道に譲渡し、置換で引退した800系(京王2010系)2連×2本を銚子に送るという玉突き転配をやり遂げます。伊予鉄道800系は途中で2両化されており、幅狭車体のため銚子には好都合です。

これにより伊予鉄道出身のデハ801が廃車となりました。元々伊予鉄道から引退した理由は京王2010系の導入であり、同じ形式に2度も置換されたことになります。


鉄コレでは2002編成の赤電のみが製品化されています。

2001編成の京王グリーンと青電、2002編成の京王特急色と、製品化できそうな題材はまだ残っています。



この先はその他の形式です。


•銚子遊覧鉄道蒸気機関車

1887年ナスミス•ウィルソン(英国)製の内閣鉄道局87号機(製番310)と81号機(製番307)です。経歴は以下の通りです。

内閣鉄道局I-87→1898年逓信省鉄道作業局B4-63→1909年鉄道院1102→1913年銚子遊覧1→1917年八幡製鉄77→200→1952年頃廃車

内閣鉄道局I-81→1894年日本鉄道W3/3-23→1898年逓信省鉄道作業局B4-23→1909年鉄道院1107→1913年銚子遊覧2→1917年八幡製鉄78→201→1952年頃廃車

Nゲージではワールド工芸に1100形の金属キットが存在しますが、ランボードの形状からそのまま合致するものはありません。16番ゲージにはあります。


•1050形蒸気機関車

1896年ナスミス•ウィルソン(英国)製の中越鉄道甲1形2号機(製番489)です。1920年に鉄道ごと国有化され、鉄道省1050形1051に改称しました。1926年に銚子鉄道に譲渡、1937年に廃車となりました。

Nゲージではワールド工芸に、1050号機→別府鉄道3号機の金属キットが存在します。


•デハ101

1939年日本鉄道自動車工業製の電車です。下野電気鉄道の軌間762mmの台車を1067mmに改軌し使用しています。1953年に半鋼製化、その後集電装置のポールをビューゲルに換装しました。

1978年のデハ700導入後は予備車となったものの、1985年の連続テレビ小説「澪つくし」の撮影で活躍しています。

1999年廃車、2009年に解体されました。台車は上毛電鉄と東武博物館に譲渡されています。

Nゲージではワールド工芸と林檎製作所(KitcheN)に金属キットが存在します。


•デハ201

京成モニ7として1926年に雨宮製作所で製造されました。1938年に39形43号の旧車体に載せ替えて荷物車化、しかし1947年の高砂車庫火災により車体を焼失しています。

1948年に台枠と一部機器を流用し銚子電鉄デハ201となり、1979年に廃車となりました。

Nゲージでは林檎製作所(KitcheN)に金属キットが存在します。


•国鉄キハ10系気動車

1953〜57年に製造された一般型気動車です。本州では両運転台•お手洗い無のキハ10、両運転台•お手洗い有のキハ11、片運転台•お手洗い無のキハ16、片運転台•お手洗い有のキハ17が主に活躍しました。

1955〜60年の総武線•成田線の遜色準急「犬吠」、「房総の休日号」で入線していました。


•国鉄キハ20系気動車

1957〜66年に製造された一般型気動車です。前作のキハ10より車幅と全高が拡大されました。本州では両運転台•お手洗い有のキハ20、片運転台•お手洗い有のキハ25が主に活躍しました。

1957〜60年の総武線•成田線の遜色準急「犬吠」、「房総の休日号」で入線していました。なおキハ20系のみの編成で観音駅で接触事故を起こしたため、それ以来国鉄の旅客車両は出禁となりました。


•ユ101

1968年に日本車輌で製造された国鉄ワム183983を、1985年に大宮工場新小岩貨車職場(1997年に川崎貨物駅に移転)で改造したものです。形式は「遊覧客車」の「ユ」と上述のデハ101を由来とします。

当時放映されていた連続テレビ小説「澪つくし」主演の沢口靖子さんにより、「澪つくし号」と命名されました。

デハ501、デハ801、デハ1001•1002が牽引を担当していました。

2007年に休車、2012年に廃車、2024年現在は笠上黒生駅で放置されています。

Nゲージではワールド工芸と林檎製作所(KitcheN)に金属キットが存在します。


•3000形

1963年に日本車輌で製造された京王5070系→5100系の、デハ5073→デハ5103とクハ5774→クハ5854です。1986〜88年に伊予鉄道に譲渡、モハ713とクハ763となりました。

上述の2000形と同じく京王3000系により玉突き転配され、2016年に銚子電鉄デハ3001とクハ3501となりました。

京王5000系の幅狭車グループに当たり、全幅が2744mmで銚子電鉄では最大なものの、以前諦めた京王3000系より狭いので走行可能です。

ユ101の塗装とデハ1002鉄子カラーの直線的な塗り分けを継承した「澪つくし号」となっています。

Nゲージでは鉄コレの2両セットが2016年に製品化されています。


•22000系

1969年に南海22000系モハ22007•22008として、東急車輛大阪(もと帝国車輛)で製造されました。高野線の極楽橋直通、大運転と呼ばれる列車に使用されました。角ズームという名前が有名です。

1993年以降は支線の吊り掛け非冷房車の置換として、大半が用途別に改造されました。22007Fは2200系2202Fとして、汐見橋線•高師浜線•多奈川線•加太線で使用されました。

2023年8月に銚子電鉄が、南海電車から譲受したと発表。2024年2月に陸送で銚子に到着しました。この際、22000系としての緑塗装に変更されています。

同年3月9日に団体列車として営業運転開始、同時に製造時の車番に戻されました。

この編成の登場により2000形2001編成が廃車となります。22007Fはそれより7歳年下で、銚子電鉄としては歴代でも最も若い車両のようです。

Nゲージですが、22000系としてはGMストア阿倍野(閉店済)限定の金属キット、鉄コレの22001F(南海限定)が存在します。2200系としては2201F(南海限定)が存在します。

金型はあるので、待っていれば鉄コレから銚子仕様が製品化されるはずです。



ここからは話題を変えます。

2021年10月2日、理由(ワケ)あってアイドルマスターSideMのアイドル「Jupiter」とのコラボが開始されます。これは「315プロダクションお仕事コラボキャンペーン」において、バンダイナムコが銚子電鉄に共感しオファーしたものです。

2001編成へのヘッドマーク取付と車内広告掲出、記念乗車券やコラボカレーのなど販売が行われました。また犬吠駅の命名権を買収し、「315だぜ! 銚子! アイドルマスターSideM 犬吠」としました。

ネーミングライツにより変更された駅名標


「Jupiter」とは、鬼ヶ島羅刹ピピン板橋天ヶ崎竜馬天ヶ瀬冬馬、画面を横切る伊集院北斗、御手洗翔太の3人ユニットです。当初は961プロダクションに所属し、黒井社長のもとでライバルの765プロダクションに対し猛威を振るっていました。その後315プロダクションに移籍し、「アイマスはカレー」の一翼を担っています。

初登場はあの色々な意味で有名な「アイマス2」ということで歴史のあるユニットです。765プロの天海春香、如月千早、高槻やよい、ユニット「竜宮小町」とガチで張り合っていた者達です。そんなメインの座のユニットを送り込んだところを見るに、バンダイナムコとしては随分力の入ったコラボなのでしょうか。


コラボ記念乗車券 2021年10月2日発売






2022年3月20日、栃木県栃木市の食品会社の「岩下食品」が巻き込まれます。元々銚電と岩下は2021年3月からコラボしており、2002編成を装飾して運行していました。

今回は岩下食品が、同じくピンク色を基調とする「S.E.M」「もふもふえん」にお仕事を依頼し、さらに銚電の自社広告電車に上乗せしています。


「S.E.M」は硲道夫、舞田類、山下次郎の3人ユニットです。全員が元々同じ高校の教員で、担当教科の科学(Science)•英語(English)•数学(Mathmatics)がユニット名の由来です。硲さんはアイマスアイドルでは最年長の32歳です。

「もふもふえん」は岡村直央、橘志狼、姫野かのんの3人ユニットです。全員が小学生、元子役です。それぞれ羊、狼、兎をモチーフとした衣装を纏います。姫野さんはアイマスアイドル最年少の9歳です。※9歳はこのほか他事務所にも3人在籍します。

「S.E.M」は教員時代の高校で開催されたJupiterのライブに感銘を受けアイドルとなり、「もふもふえん」はJupiterに憧れており、そんな6人がJupiterの後を追い銚子に来ています。


合同コラボ記念乗車券 2022年4月29日発売




2022年7月2日からは、銚子市が「DRAMATIC STARS」「Altessimo」「W」「神速一魂」「C.FIRST」をPRに起用しさらに大ごとになります。

8月27日からは「彩」「F-LAGS」「Legenders」、10月8日からは「High×Joker」「Café Parade」「THE 虎牙道」、12月17日からは「Beit」「FRAME」、そして満を持して銚子電鉄発の実写ユニット「T.T.F」が参加しています。

※「T.T.F」は竹本社長、鳥居運転士、福島旅客掛の3人ユニット


こうした315プロを全員巻き込んだ大規模コラボも、2023年3月31日をもってグランドフィナーレとなりました。ありがとう銚電。ありがとう315プロ。

この後はその年のゴールデンウィークに、犬吠駅でパネル展示が行われました。



7月5日。銚子電鉄は100周年を迎えました。

記念のイベントではひたちなか海浜鉄道、えちごトキめき鉄道、小田急電鉄、JR東日本、さらに同じく100周年を迎えた広島電鉄が参加し、大変な盛り上がりを見せました。そして「中古車両の取得」が発表されました。


8月3日。

JR東日本による地域観光型MaaS「EeeE銚子」が提供開始されました。「イィちょうし」と読みます。

この名称について発表時のプレスリリースから引用しますと、「来ていただいた皆さまが銚子エリアを満喫し、気分を上げて「いい調子」になってほしいという想いをこめて命名しました。」だそうです。

これに伴い、銚子電鉄の電子チケットが登場しました。その名も「Beica」。デザイン含め完全にJR東日本のIC乗車券「Suica」のパロディです。さすが公式監修。

なんというか、竹本社長が考えたのでしょうか。


8月17日。“なんかいい”ちょうしに! 南海電車の2200系を譲受したと発表されました。「なんかいい」は南海電車が使っているキャッチコピーなので、まあどっちもどっちです。




ここまで駄洒落ばかりだと、流石に黙っていられない人がいたようです。大変なことになります。


11月16日。銚子電鉄100周年、EeeE銚子提供開始を記念して、再度SideMを起用した観光キャンペーンを発表しました。

そして今回の目玉の一つで、JR東日本の特急しおさい号に、「DRAMATIC STARS」の天道輝さんの車内放送が付きました。そう、駄洒落ばかり言う竹本社長に対し、JRはよくスベっている人を差し向けたのです。


「DRAMATIC STARS」は天道輝、桜庭薫、柏木翼の3人ユニットです。それぞれ前職は弁護士、外科医、パイロットです。「Jupiter」と共にSideMの二枚看板を務めます。

代表曲の「MOON NIGHTのせいにして」は名曲ですから、ぜひ聴いてみてください。

月夜がそうさせる \HI!/


そしてキャンペーン名は?


「315にイイ銚子!」


決まってますねぇ、これは良い。しかもこのパネル、余白を切り取っているおかげで実在性が増すんです。素晴らしい。


12月1日〜7日で両国駅の列車線ホーム(3番線)への通路で、「ただいま出区点検中!」というイベントが開催され、315プロ全ユニットのポスター展示がありました。

よく見ると315番線となっています。Mマスへの愛がありますね。


翌8日〜2024年2月29日に、この「315にイイ銚子!」が開催されました。

私も1月26日に行っております。


犬吠駅の2階を利用して「315プロダクション 銚子支部」が開設されました。



割と興奮気味でホワイトボードとノートに書き込んだので、何かと読みづらいかもしれません。

※私、アイマスPとしては「陸蒸氣P」という名前をつけています。我ながら気に入っています。絶対被らないだろうと思ったら、やはり被りませんでした。ですよね、だって明治時代のPですもん。


グッズの一部を紹介します。


銚子支部通勤セット 2023年12月8日発売 犬吠駅限定※2月1日より銚子電鉄通販で販売

タイムカード3ヶ月分(セット限定)

A5クリアファイル(セット限定)

銚子支部入室証(単品あり)

アクリルキーホルダー(単品あり)


クリアファイル3種セット 2023年12月8日発売 NewDays銚子限定※2月1日より銚子電鉄通販で販売

※画像のNゲージは付属しません。念のため。


※画像のラバーストラップは付属しません。ちなみにこのコラボのためにJupiterとドラスタを揃えました。



そしてこのイベントの目玉は、銚子電鉄100周年を祝うJupiterによるテーマソングです。こちらも発表されましたら追記します。

また3月1日から1ヶ月、JupiterによるPR企画「さあ、いこう。銚子電鉄の旅」と「もっと!315にイイ銚子!」が開始されます。

今後も動向に注目です。



ここまで読んでくださった皆様、どうもありがとうございます。なんだかんだ長くなってしまいました。

最後は765プロも巻き込んでおきます。どうやら巻き込みはアイマスあるあるのようですね。


特急しおさい、銚子電鉄の放送はこちらの記事へ




それではまた。