関東新人大会出場権は桐蔭学園が手に。慶應義塾は肌で感じた経験をふまえ「じっくりと強化」へ|桐蔭学園 33-0 慶應義塾|令和5年度 神奈川県高等学校ラグビーフットボール 新人大会
令和5年度 神奈川県高等学校ラグビーフットボール 新人大会 準決勝
【対戦カード】
桐蔭学園高等学校 33-0 慶應義塾高等学校
【日時】
2024年1月21日(日)10:00キックオフ
【場所】
秋葉台公園(球技場)
桐蔭学園:紺白ジャージー、慶應義塾:黒黄ジャージー
桐蔭学園 33 – 0 慶應義塾
昨季2大会ぶり21回目の神奈川県王者に返り咲き、また第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会においても3大会ぶり4回目の全国制覇を成し遂げたばかりの桐蔭学園。
新チームが始動して僅か2週間。神奈川県下2校へ与えられる関東新人大会への出場権をかけ、慶應義塾と対戦した。
最初の10分間で主導権を握ったのは、桐蔭学園だった。
前半3分、6番・申驥世選手が左中間にトライを決めると、その3分後にも9番・後藤快斗選手がラックのショートサイドを走り込みキックを交えながらビッグゲインをみせれば、最後は5番・佐藤龍之介選手がトライ。
前半11分にはゴール前スクラムからのエイタンで8番・新里堅志選手がゴールラインに迫ると、テンポよく4番・西野誠一朗選手がグラウンディングし21-0とリードを広げた。
ペナルティではペナルティゴールを狙わず、タッチに蹴り出した桐蔭学園。ゴール前ではひたすら、クイックスタートを切る。
「FWこだわれ」の声がベンチからも響いた。
一方ピッチに立つ選手たちからは「シンプルなことを丁寧にやるよ」「テーマ思い出すよ」「新しいことやらなくていい」と、新チームが稼働したばかりの様を感じさせる。
前半26分にも2番・堂薗尚悟選手がトライを決めれば、前半4度のコンバージョンゴールを全て成功させたのは9番・後藤快斗選手。
6番・申選手と8番・新里選手の安定感を軸に、9番・後藤選手の判断と15番・古賀龍人選手のキックでエリアを稼げば、個のスキルとフィジカルで勢いを掴んだ桐蔭学園が28-0と前半をリードし折り返した。
後半も開始早々、スコアが動く。
フロントロー3人を入れ替えた桐蔭学園は、後半1分、FW戦から18番・喜瑛人選手が押し込んだ。
スクラムでも桐蔭学園が相手ボールを奪い返し、またペナルティを獲得するなど優位性を保つ。
対する慶應義塾の反撃は、その後だった。
前半は敵陣22m内で攻撃の機会を得ることができなかったが、徐々にポゼッションを得られるようになると、右のショートサイドを幾度かボールを持って走り込んだのは10番・小林祐貴選手。
9番・尾関航輔選手と左キッカーの13番・吉田 賢太郎選手を交えた3人で蹴り分けしながら、エリア獲得を狙った。
すると次第に桐蔭学園の反則は増え、前半1つに対し後半は7つ。
逆に慶應義塾は前半6に対し、後半は3分の2となる4まで減らした。
慶應義塾はSO小林選手の右サイドでのランからSH尾関選手がインゴールへショートパントへ蹴り上げるなど面白い攻撃を見せた。
だが最後の一手が及ばず。
後半30分間のスコアは5-0と詰めたが、前半のリードを守り抜き完封に抑えた桐蔭学園が33-0で勝利。
決勝進出を果たし、関東新人大会への出場権を獲得した。
桐蔭学園
「まだ船を作っていない。筏(いかだ)にもなっていない。いつ作り終えるかは本人たち次第。木材を探しているんじゃないですかね。木を切る所から、廃材しかないかもしれないけど」と発したのは、藤原秀之監督。
「冒険はできないかもしれない。大海原には出れないかもしれない」と、新チーム最初のフルメンバーでの船出を厳しい言葉で締めくくった。
新チームのキャプテンは、FL申驥世選手に決まった。
1年次から試合に出場しており、またU17関東ブロック代表でもキャプテンを務めた経験を持つ。
「去年に比べたら、個々の強さがない。だから全員がチームを引っ張ろうと意識しています」と、申キャプテンは昨季の全国優勝チームとの違いを説明した。
※新キャプテンとして頑張ってほしいですねー