日本の方の【読書感想文】「青き闘球部 東京朝鮮高校ラグビー部の目指すノーサイド」を読んでみた | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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(引用元:青き闘球部 東京朝鮮高校ラグビー部の目指すノーサイドより)

 

 

 

【読書感想文】「青き闘球部 東京朝鮮高校ラグビー部の目指すノーサイド」を読んでみた。【ラグビー】

 
 
 

 

 

 

 

 

↑こちらのツイッターより

 

 

 

 

この記事を書いた人はこんな人



こんにちは
川崎です。

私の記事を初めてご覧になる方向けに自己紹介をします。

ラグビーは中学から始めるが、小太りで才能がないと思い込み、高校からは辞めてしまう。大学も卒業した後、2009年、機会があって、後の奥さんと大学対抗戦の「早稲田vs慶應戦」を見て、改めてラグビーっていいなって思う。感化され、とりあえず体を鍛え始める。

元々、肉がつきやすく、ラグビーを辞めてから背も伸び、体格もいいので、ベンチプレスで160キロを挙げられるようになる。日比谷公園のオリンピックイベントで、スクラムのコーナーがあり、300キロの記録を出して、周囲をドン引きさせる。最近は自重に凝る。

 

 

ラグビー観戦は、奥さんとその後も続け、早稲田戦、日本代表戦、サンウルブズ戦はよく観に行くようになる。今回紹介する「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡」にも記載されている対ウェールズ戦も観戦している。その時もらったTシャツは今もある。
 

作者はこんな人

リ・スンイル氏:1961年日本生まれの在日コリアン3世。在日コリアンとスポーツが関連する作品が多い。著書に「もう一人の力道山」「ラグビー・ルネッサンス」など。
 

あらすじ・内容



東京朝鮮高校のラグビー部の歴史を2000年前半まで描いている。不良の集まりから始まったラグビー部が、どのように強くなったのか?東京での強豪校になるまでの創意・工夫が述べられている。

また、朝鮮学校自体の苦悩、在日韓国人・朝鮮人の日本での状況など、朝鮮学校に通う生徒のバックグラウンドも紹介されている。
 

感想



・何もないどころか、マイナスからここまで強くなったプロセスが面白い!



「マイナスからのスタート」とは、朝鮮学校には公式の試合に出る資格がなかったことを意味します。高校の各スポーツ大会は、基本「一条校」と呼ばれる高校が出場でき、「各種学校」扱いの朝鮮学校には公式戦の出場資格がありませんでした。

東京朝鮮学校のラグビー部は1975年に創設されますが、彼らの「公式戦」とは、全国の朝鮮学校が集まる各スポーツの交流戦しかなかったのです。

 

 

また、東京朝鮮学校ラグビー部には、ラグビーの指導ができる顧問がいませんでした。そんな中から、独自に練習を開始します。縁があって、強豪校と練習試合をして、敗れはしますが、その身体能力と根性は相手の監督に褒められます。

やがて、指導者が現れ、本格的に強化が始まると、ラグビー部はどんどん強くなってきます。20世紀末には公式戦への出場も認められるようになり、東京朝鮮学校はベスト8、ベスト4辺りまでは顔を出す強豪校になっていきます。

OB会よるサポート、ジャッカル(ラックにおいて相手ボールを奪うこと)の強化などで、東京朝鮮学校は、競合の私立校を押しのけてどんどん強くなります。本には記載されていませんが、2015年にはようやく東京予選を勝ち取り、全国大会に進みます。

ここまでのストーリーはまさに「ドラマ」です。何もないところから、全国大会に出場したチームになっていく話は、読者をワクワクさせます。

 

 

通常の高校であれば、指導者もいるでしょうし、OB会は父母会のサポートもあるでしょう。何より、全国大会に問題なく出場できます。こうした当たり前のことも感謝せざるを得ない気持ちになってきます。

しかし、何よりも素晴らしいのは生徒と指導者のラグビーに対する熱さではないでしょうか。全くの未経験でも「全国制覇」を目指すひたむきさ。生徒のために大型免許を取得して、バスを生徒に乗せて、合宿地まで運ぶ指導者。彼らの熱意がなければ、ここまでの強豪にはなりえません。


 

・朝鮮学校・在日韓国人・朝鮮人の現状



現在はやや緩和されているかもしれませんが、在日韓国人・朝鮮人は、まとまって暮らしている感じがします。東京だと大久保、大阪だと生野でしょうか。新大久保駅を降りて、右側に行けば、韓国語の看板ばかりになります。彼らはここで商いをしています。

こうした状況を作り上げた原因の多くは日本の社会にあります。例えば、就職の際には在日韓国人・朝鮮人をあからさまに差別してきました。日本の社会で働けない彼らは、自分たちのコミュニティで仕事を見つけるしかなかったのです。

 

 

 

現在でも就職において、差別はないことはないようです。例えば、アルバイトの面接で「外国人は雇わない」と露骨に言われたという話しを今でも聞きます。また、在日韓国人・朝鮮人へのヘイトスピーチもSNS上でまだ見られます。

また、日本の学術に世界においても、彼らは報われませんでした。前述したように朝鮮学校は「各種学校」にあたり、日本の高校卒業資格が得られません。よって、大学進学の条件を満たさず、日本の大学を受けるには、高認が必要でした。

現在では、文科省が定める大学入学資格の「大学において個別の入学資格審査により認めた18歳以上の者」として大学入学が認められています。つまり、朝鮮学校を卒業した生徒を入学させるかどうかは、大学が決めることになります。

大学の態度はそれぞれで、すんなりと受け入れる大学もあれば、保守的な大学は受け入れません。私立大学は比較的受け入れる傾向がありますが、国公立は保守的な態度を取るようです。国公立大学に行くにはまだ高認が必要になります。

こうした、朝鮮学校や在日韓国人・朝鮮人に対する差別の要因は、朝鮮学校が朝鮮総連からの支援を受けてきたという背景があります。戦後、実は韓国よりも北朝鮮の方が経済的には豊かで、朝鮮学校を設立するにあたっては朝鮮総連の力を受けなければならなかったという背景があります。

2016年に朝鮮学校は高校無償化制度の対象外になりました。朝鮮学校が朝鮮総連とつながっていることが原因と言われています。朝鮮学校の授業料は年間で100万円程度します。朝鮮学校に行くことができる生徒は、お金持ちに限られるようになりました。

こうした一連の差別があることは、日本人として恥ずかしいことです。就職や進学において、在日韓国人・朝鮮人への差別が亡くなる世の中を望みます。
 

まとめ


在日韓国人・朝鮮人に限らず、日本にはたくさんの外国人がいます。彼らを喜んで受け入れる人もいれば、残念ながらそうでない人もいます。

そうでない人がいる原因は「教育」のせいだと思います。その教育は学校のみならず、家庭での教育も含みます。