Jリーガー韓浩康、未来へと受け継がれる在日朝鮮人選手の『魂』(サッカーキングより) | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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「提供=横浜FC」 *2021/12/4 J1リーグ最終節のホームゲーム。招待した朝高選抜の選手を前にスタメンフル出場。

 

 

 

 

韓浩康、未来へと受け継がれる在日朝鮮人選手の『魂』

 
 
 
 

 

 
 
 
 
↑サッカーキングより
 
 
 
 

秋晴れのような天候となったニッパツ三ツ沢球技場での2021シーズンJ1リーグ最終節。残り一節を残してJ2リーグへの降格が決まっていた横浜FCのスタメンとして、90分間のフル出場を果たした韓浩康(ハンホガン)は、最終ラインから終了のホイッスルが鳴る瞬間までチームを鼓舞し続けた。

 「ファンやサポーターのために、最終節を勝利で飾れなかったのは残念でした。しかし、招待した朝高選抜(朝鮮高級学校選抜)の未来ある生徒たちに対して、プロの厳しさや歴代の在日朝鮮人選手に受け継がれる『魂』は背中で語れたかなと。」

 

 

ピッチ上で見せる真剣な表情とはうってかわって、リラックスした表情でハンドルを軽く握りながら語ってくれた彼は、今回のプロジェクト「MIRERO FESTIVAL(ミレロフェスティバル)」に参加している朝高選抜の生徒たちが待つ懇親会の会場へ車を走らせた。

 

 

 

未来へと受け継がれる在日朝鮮人選手の『魂』

 

 

 

懇親会の会場へと向かう車中では、師として仰ぐ元朝鮮民主主義人民共和国代表の安英学(アンヨンハ)と現在FC町田ゼルビアでクラブナビゲーターを務める李漢宰(リハンジェ)と熱い会話が繰り広げられた。

 

 

岡山県倉敷市出身で在日朝鮮人3世というバックグラウンドを持ち、母国の代表選手としてもピッチ上で共にプレーした経験があるこの二人は、現役時代からチームの誰よりも力強く戦ってきた漢たちであり、いかなる状況に置かれても溢れ出る闘志と貪欲さで、在日コリアンの誰もが心から魅了され、希望を抱かせたレジェンドたちでもある。
 
 

 「降格が決まっているチームでこれだけ多くのファンやサポーターがスタジアムへ応援に足を運んでくれている中、球際のプレーひとつとってもお世辞にも戦っている選手がほとんどいなかった。ホガン(韓浩康)は、味方にとことん追及しなきゃ駄目だよ。友達を作りにJリーグの舞台で戦っている訳でもないし、嫌われてもいいじゃん。」

 そう静かに切り出した安(アンヨンハ)は、現役引退前に所属した横浜FCのOBでもあり、自身が掲げる「プロとしてのあるべき姿」を体現しきれていない後輩たちに対して、怒りよりも悲しみに近い感情を吐露した。

 

 

 

 
 

「誰に対してもストレートに自分の想いを語り、自然と巻き込むことができるんですよね。そして、誰からも称賛されて、ひとりの人間としても本当に素晴らしい人格者です。現役時代中は、ピッチ上で熱くなり過ぎた自分をヒョンニン(アンヨンハ)がうまくフォローしてくれたのは良い思い出です。」

 後の懇親会の会場で、語り慣れた口調で話してくれたのは李(リハンジェ)である。数々のクラブを渡り歩き、逆境を乗り越え続けてきた経験があるからこそ、一つ一つの言動に妥協せずに向き合いたいという「プロとしてのあるべき姿」がアン(安)の中で醸成されてきたのかもしれない。

 「ヨンハさんの言葉を聞きながら2021シーズンを振り返ると、移籍した初年度だからというチームに対する遠慮と自分に対する甘さがあったと反省しましたね。一方で、シーズン中に葛藤していた気持ちに間違いはなかったと確信を持つことができました。」

 そのように笑顔で語ってくれた韓(ハンホガン)は、こう続けた。

 「大学3年生の頃、母国へ短期研修で訪れた際に、指導官が語ってくれたことをふと思い出しました。1910年の韓国併合から1945年の日本の降伏まで、朝鮮半島は35年に渡って日本の植民地として支配されてきましたが、植民地解放のために韓国と朝鮮(北朝鮮)での争いを経て、ようやく今の朝鮮が築かれますが、国を立て直すまでに100年以上もかかっているんですよね。この話を聞いた当時、人間の信頼関係も同じだなと思ったんです。一つ一つの言動に妥協せずに向き合ってはじめて周りとの信頼関係は育まれます。失うのは本当に一瞬で、積み上げるためにどれだけの努力が必要なことか。。」

 

 

 これまでの笑顔とは変わって、目を細めて語る彼が、決して順風満帆にキャリアを歩んで来れたわけではなかったことを思い出した。

「最終的には、誰も助けてくれない。」

 大学進学後は、一度も公式戦のピッチに立つ機会もなく、理想と現実の狭間で憧れのプロの舞台が少しずつ遠ざかっている感覚から目を背けたくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
↑続きはサッカーキングご覧ください。
 
 
 
 

●韓 浩康(ハン・ホガン)プロフィール
1993年9月18日生まれ、京都府京都市出身(国籍:韓国)

<経歴>
在日朝鮮人4世であり、朝鮮大学校卒業後、2016年J2リーグ・モンテディオ山形に加入。同年にJ3リーグ・ブラウブリッツ秋田へ期限付き移籍。2018年からブラウブリッツ秋田へ完全移籍。2020年、ブラウブリッツ秋田で2回目のJ3優勝、J2昇格に大きく貢献。同年12月にJ1・横浜FCへの完全移籍が発表され、念願のJ1プレーヤーへ。

「在日社会と日本社会の架け橋になる」という目標を人生のゴールに掲げ、幼少期・地元サッカースクール体験時の自己紹介で経験したアイデンティティーの問題から、「非日常の体験を通して、未来への”チョウセン”を紡ぐ」プロジェクトとして、全国の現役朝鮮中高級学校のサッカー部の生徒を対象に、自身が所属するクラブのリーグ戦招待及び同世代の全国トップレベルの高体連サッカー部とのトレーニングマッチをプロデュース。

また、「サッカー愛を、次世代につなぐ」1%フットボールクラブにも2021年11月より参画。

 

 

 

 

※今季もがんばってください。