朝鮮学校の児童に、JR十条駅が制作したポスターが訴える社会の在り方 | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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東京第3ハッキョ 新校舎建設物語 25 (十条駅員さんからのメッセージ&今週引越しです)

 

 

 

の続き

 

 

 

 

東京中高のある、十条の駅員達が新校舎へ移る、東京第三の学生達にメッセージ

 

 

 

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(写真 東京朝鮮第三初級学校フェイスブックより 1月21日アップ分)

 

 

 

 

朝鮮学校の児童に、JR十条駅が制作した

ポスターが訴える社会の在り方

 

 

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200124-00211492-hbolz-soci&p=2&fbclid=IwAR0IvViGhA1mw1UUFJavqQKgMC6Alto7K1_iF4jdISqKpK1DJHeH86TI9ck

 

 

 

 

十条に通った朝鮮学校児童たちと十条駅員の交流

 昨年の7月に「東京朝鮮高校文化祭のヘイトコメント展示が訴えかけてくるもの」という記事を書いたこともあり、在日朝鮮・韓国人の子ども達が通う東京朝鮮中高級学校(以下、東京朝高)について関心を持ち続けている。

 東京都板橋区十条にある東京朝高には、東京都や千葉県、埼玉県に在住する在日朝鮮・韓国人の中級部、高給部の生徒(日本の中学生、高校生)らが通っているのだが、この半年の間は、同じ校舎に初級部生(日本の小学生)らも通学していた。

 この子達が本来通うべき学校は、同じ板橋区の大山ハッピーロード近くにある東京朝鮮第3初級学校(以下、第三学校)。同校が新校舎に建て替える期間、臨時の学舎として十条にある東京朝高を間借りしていた。

 その新校舎も既に完成し、来週には第三学校の初級部生らは大山の学校に戻っていく。そんな子どもたちに、JR十条駅の駅員からサプライズプレゼントが渡された。それが、冒頭のポスターである。

 

 

 

 

きっかけは、朝鮮学校児童が十条駅に送った年賀状

きっかけは、第三学校の初級部生が書いた年賀状だった。いつも利用するJR十条駅の駅員宛に、学童が「いつもありがとうございます」の一言を添えて年賀状を送ったのだ。

その年賀状をもらった駅員達はとても感激し、お礼のポスターを作成、それを東京朝高の学校まで出向き子ども達に渡したという流れである。





 

 



東京朝鮮第三初級学校のみなさんへ―
年賀状ありがとう!駅員さんたち、とってもうれしかったです!
★大山にもどるみなさんへ★大山でもがんばってね! 
JR東日本 十条駅 駅員さんたちより(原文ママ)

と書かれたポスターの下には4人の駅員の直筆のメッセージも書かれている。

 

 

 

 

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「元気なメッセージありがとう!笑顔も明るい挨拶もこれからも続けてね!」
「心温まるメッセージありがとう!みんなに元気を頂きました! 大山に行っても十条を忘れないでね!」
「すてきなメッセージありがとう!今日も元気に出発進行!」
「毎日明るいあいさつ嬉しかったです!十条のこと忘れないでね!」

 低学年の学生も読めるように、難しい漢字にはフリガナもふり、駅員さんたちの写真も切り貼りしている。子ども達を喜ばせようと、電車の写真も貼り付けてある。

 都内でも限られた場所にしかない朝鮮学校に通う多くの学生たちは、初級部の頃から電車通学をしている。子ども達の元気な挨拶と、その通学を見守る駅員の優しい眼差しが感じ取れる一枚のポスターに心が温まる。

 

 

 

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ヘイトスピーチの「最前線」であるJR十条駅

ここからは、筆者の推測や憶測が多分に含まれることを前提に読み進めて欲しい。

JR東日本の十条駅は、全国でも有数のヘイトスピーチとそのカウンターの「激戦地」である。

なぜなら十条駅から徒歩5分の場所に東京朝鮮中高級学校があり、在日朝鮮・韓国人たちによる様々な文化・スポーツイベントが行われる場所としても多く利用される同校は、近年、北朝鮮の脅威を煽る報道の影響を受けたり、高校無償化法の朝鮮学校への適用に反対したりする人たちのうち、過激な行動に走る輩たちの標的にされている。

東京都は2018年10月、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、五輪憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指すとして人権尊重条例を制定したが、具体的な罰則は無い。

駅前のロータリーの一方では朝鮮学校の学生や在日の人たちに口汚いヘイトスピーチを浴びせ続ける行為が頻繁に行われ、その反対側ではそれに対抗するカウンターの人たちがシュプレヒコールをがなり立てる。

双方は警察官に囲まれ衝突こそ起きはしないが、その罵声と怒声の間を朝鮮学校の生徒たちが、先生たちや保護者に守られるようにして通り抜ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘイトに晒される学童を見守る駅員たちの存在

そんな事が何年間も、何年間も繰り返されてきたし、駅をよく利用する筆者自身も直接目撃している。

そして、十条駅の駅員らもこの光景を見続けてきたはずだ。

一枚のポスターに、それを製作した個々の駅員が、言葉で書いた事以上の思いを込めたかどうかは筆者は知りようがなく、直接聞くつもりもない。

ただ口汚い大人たちの罵詈雑言の中を、小さな体をもっと小さく丸めながら駆け抜けていく子ども達の日常を、出来得る限りの慈しみをもって見守ってくれている駅員がいる。

一枚のポスターが、社会の在り様を雄弁に語っているように思えてならないのだ。

 

 

<文/安達夕>

【安達夕】
Twitter:@yuu_adachi