〈2019年朝・日体育人懇親会〉両国関係を友好親善へ/JOC会長、日体大理事長も参加、東京オリンピック・パラリンピック見据え
主催者を代表し韓英三会長があいさつした。
韓英三会長は、あと1年と迫った2020年東京オリンピック・パラリンピックへの参加に向けて、朝鮮の選手たちは日々練習に励んでいると述べながら、昨年の平昌冬季オリンピックでの北南朝鮮の合同入場について触れ、東京オリンピック・パラリンピックが、平和の祭典として輝かしい成果を収められることを祈念した。
そして、私たち朝・日のスポーツ人は昨今の厳しい政治情勢の中でもスポーツをとおした朝・日友好の道を絶え間なく歩んできたとしながら、朝・日スポーツ人の友好と親善のための日本の関係者の取り組みについて敬意を表した。
その上で、在日アスリートを含む多くの朝鮮代表選手たちが東京オリンピック・パラリンピックに出場できるように尽力することを強調し、大会が人々の相互理解を深め、朝・日両国の関係を友好親善へと導くことを願うと話した。
山下泰裕会長、松浪健四郎理事長の来賓のあいさつに続いて、体連の金載英副会長が乾杯の音頭を取った。
壇上でスピーチした馳浩衆議院議員(自民党、代読)、赤木恭平・JOC名誉委員、嶋岡健治・バレーボール協会会長、山神孝志・ラグビー協会強化副委員長は、それぞれ親睦と絆を深め、スポーツ交流をとおして朝・日両国のかけはしを築いていこうと呼びかけた。
懇親会では、「RAM-HONG FRAG CAMPAIGN」の紹介もあった。
宋修日事務局長(体連副理事長、朝大体育学部長)がキャンペーンの概要について説明し、アンバサダーの金尚龍さん(陸上)、姜知衣さん(空手)が選手たちを鼓舞し大会を盛り上げていきたいと抱負を語った。
最後に体連の文章弘副会長が、先代から受け継いだ友好と親善の伝統を継承し手を取り合って発展させていこうと述べ、閉会を宣言した。
朝・日関係者による記念写真
日本リンピック委員会・山下泰裕会長
朝・日体育人懇親会に初めて参加した。この場に多くの日本の関係者を招いてくれたことに感謝している。
母校である東海大学の柔道部には在日朝鮮人の先輩がいた。その先輩が朝鮮柔道界の発展に寄与する姿に感銘を受けた私は、心の中で朝鮮選手たちへの親しみを感じていた。
柔道男子代表の監督としてのぞんだ96年のアトランタ五輪には朝鮮選手団も参加。大会では女子柔道48㎏K級に出場したケ・スニ選手が素晴らしい闘いぶりで決勝まで勝ち上がり、世界で無敵と呼ばれた田村亮子選手を圧勝的な内容で破って金メダルを獲得した。
その翌日、とあるレストランでケ選手と出くわした。東海大学の創立者、松前重義はスポーツを通じた友情と世界平和を常々唱えていた。その精神にのっとり、ケ選手と固い握手を交わしたことを今でも覚えている。
日本と朝鮮は隣国。両国間の関係は政治的に厳しいが、民間交流、スポーツ交流を促進していくことが大事だ。来年の東京五輪やその後を見据え、朝・日体育人たちとの交流に汗を流していきたい。
日本体育大学・松浪健四郎理事長
日本体育大学卒業後、帝京高校に赴任した。隣にある東京朝鮮高校と生徒同士のもめ事が起きないように早朝から東十条の駅周辺を監視しなくてはいけなかった。それが教師としての最初の仕事だった。
当時からスポーツ交流を盛んにし、偏見をなくしたいという思いを持ってきた。日本のスポーツ基本法の前文には「スポーツは、世界共通の人類の文化である」と書かれている。政治体制、宗教、社会が違えど、スポーツのルールは同じだ。日頃から切磋琢磨した技術をフィールドで互いに発揮し合う。これほど素晴らしいことはない。
だからこそ日体大は朝鮮遠征を4回も行い、学生間のスポーツ交流促進に力を注いできた。「スポーツの力を機軸に、国際平和の実現に寄与する」という日体大の建学の精神を、どんな障壁があっても成し遂げてみせる。世界平和に貢献するために、言葉ではなく行動から実践に移していかないといけない。
(朝鮮新報)
※東京オリンピックに朝鮮代表が
来日するのが楽しみです。