友人が先日、祖国・平壌を訪問し何とあの宋日昊(ソン・イルホ)さんと会ってきたらしい。
ソンイルホさんとは皆さんご存じ、朝鮮外務省の日本局長で、朝日国交正常化交渉担当大使だ。
友人が言うには2時間ほど席を共にし、いろんな話をしたそうだが、要約してみるとこんな感じです。
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安倍首相の施政方針演説を注意深く聴いた。 去年の演説とは違いがあるようだ。
彼は不幸な過去を清算し、不信の殻を破り、我が委員長同志と直接向かい合って、あらゆる機会を逃すことなく…などと発言したが、我が人民に対する過去の罪について謝罪することはおろか、我が共和国の誉れ高き海外公民団体である総聯と在日同胞を、あたかも人質のように取り扱い、あらゆる差別と弾圧を続けている。 人類歴史上、類を見ない蛮行を続けていると我々は見ている。
日本政府は総聯組織をあまりにも軽視している。
日本にある総聯とは即ち我が共和国であり、日本の一番身近な共和国とは即ち総聯である。
日本は総聯の機関、団体、職員に対する弾圧を続けているが、我々はあらゆるルートから逐一情報を入手しており、絶対に座視しない。
日本はこれら自らの行いがどれほど「高くつく」ことかを思い知ることになるだろう。
安倍首相が「不信の殻」と発言したが、不信はそもそも日本が作った事だ。
とにかく演説を聴くかぎり、日本は我が共和国と、その重要な海外公民団体である総聯と、我が同胞に対する制裁、弾圧、差別は続けるということで根本的な姿勢と本質的な変化は無いと言える。そして昨今の情勢激変による焦燥心の表れが見て取れる。
改めて日本に対する我が共和国の原則的立場を明確にしよう。
まず我が国と日本との関係の基本は「被害者」と「加害者」の関係と言うことだ。
それに基づき我が国は日本に対し、
一つ、朝鮮半島に対する再侵略の野望を捨てよ。
一つ、我が人民に与えた筆舌に尽くしがたい苦しみの過去を反省し、謝罪せよ。
一つ、祖国統一をこれ以上妨害するな。ということを要求している。
日本が軍備を増強するのは結局、朝鮮半島を狙ったものである。また過去の問題については日朝ピョンヤン宣言で明記されているが、対朝鮮政策、在日同胞差別を続けるのを見る限り、日朝関係をさらに難しくさせているのは日本である。
ピョンチャン冬季五輪の際も、最後まで民族和合、統一機運を妨害したのは日本であった。南に対し「北の微笑み外交に騙されるな」、「米韓合同軍事演習はつづけるべき」といい、世界各国を回りながら「断交、制裁」を吠えまくった。
総聯と在日同胞を人質のように扱い、弾圧していることは我慢できない。
特に子どもたちまで迫害している。 高校無償化制度から唯一朝鮮学校だけ除外し、自治体の助成金も政府が先頭に立って打ち切りを促している。 在日同胞達も日本人とまったく同じ税金を日本政府に納めている。
神戸朝高学生らの祖国訪問おみやげ事件もそうだ。
日本の制裁のせいで、高額になった渡航費用を親御さんが汗を流して工面し、やっとの思いで子どもを母国訪問させ、その子どものために祖国の親族が真心込めて送ったお土産を奪いとる…このような反人倫的な国が日本を除いて世界のどこにあるのか。
何度もいうが総聯と在日同胞に対する日本の政策を我々は注視している。
このような状況で直接対話などよく言えたものだ。
総聯と在日同胞問題は、過去の清算問題の重要な1つだということを再度はっきり申し上げたい。
過去の清算とは主に4つだ。
植民地支配による人的被害、物的被害、文化・精神的被害、そして在日朝鮮人問題だ。
これらを必ず精算させる。しかし精算や補償とは金額では無い。 我々に対する本当の謝罪と反省、行動だ。 人の命は決して計算できるものではない。
我々は過去の問題を絶対に「日韓条約」のようなもので解決しようとしない。
国と国との関係とは即ち、人と人との関係だ。日本は我が国への渡航を妨害し、総聯幹部の往来を遮断した。国連制裁の項目にもないことをやっている。決して許されることではない。
経済事件と称した総聯の傘下企業に対する政治的弾圧も行われている。
このようなあらゆる差別や弾圧が是正されるかどうか? 我々に「何かを求めたい」ならば今後、このような事案に変化があるのかどうかだ。そうして初めて信頼しうるメッセージと受け止めることができるだろう。
良心的な日本の人々にもこのような事をしっかり伝えて欲しい。
もっと発信すべきだ。
昨年末、モンゴルとかどこかで日本政府の誰かと我々が接触したなどと日本のメディアで報道されたが、そんな事実は一切無い。すべて嘘だ。 あまりにも惨めな嘘である。 そういった嘘を言って拉致被害者家族や国民に何かしら希望を与えようとしているだけだ。
祖国、そして我々は総聯組織と在日同胞を守るべく、今後も全力で取り組んでいく。
何か訴えたい事があれば今後も遠慮無く伝えてくれ。
日本という異国の地で大変苦労が多いと思うが、勝利の日まで信念を持って頑張って欲しい。