サッカーで南北に懸け橋 在日コリアン元Jリーガー「平和な未来を子供たちに」 | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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(毎日新聞の記事より)

 

 

サッカーで南北に懸け橋 在日コリアン元Jリーガー「平和な未来を子供たちに」

 
 
 
 
ベトナム・ハノイである2回目の米朝首脳会談(27~28日)の行方を、特別な思いで見つめる在日コリアンの元Jリーガーがいる。安英学(アン・ヨンハ)さん(40)。日本で生まれ育ち、北朝鮮代表、韓国Kリーグと、サッカーを通じて分断が続く北と南に橋を懸けてきた。「自分には日本も朝鮮も韓国も大切な国。子供たちの未来のためにも前に進んでほしい」。会談が平和への一歩となることを期待する。
 
 
 
岡山県倉敷市生まれで、朝鮮籍の在日3世。5歳で家族と上京し、朝鮮学校でサッカーに夢中になった。立正大を卒業後にJリーグの新潟、名古屋、韓国Kリーグでプレーした。2010年南アフリカワールドカップ(W杯)には北朝鮮代表として出場している。

 プロへの道は容易ではなかった。在日コリアンのため、日本の大学などを卒業すればJリーグの外国人特別枠で選手登録が認められるが、民族学校出身のため該当しない。母に頼み込み、1年浪人して大学に進み、5年越しでプロのピッチに立った。

 韓国Kリーグへの移籍では周囲から懸念の声が上がった。休戦状態とはいえ、依然として朝鮮戦争の戦時下にある。既に北朝鮮代表としての実績があったことから、「代表に復帰できなくなるのでは」ともささやかれた。

 だが決意は固く、祖父のルーツでもある韓国へ渡り、その後、W杯出場を果たした。これまで北朝鮮代表から韓国に渡った選手で、代表に再招集された選手は他にいない。

 忘れられない出来事がある。新潟入団1年目の02年、韓国であった南北統一サッカー大会に北朝鮮代表として初招集され、帰国した9月。日朝首脳会談で北朝鮮による拉致が明らかになった。大きな衝撃を受けた。

 日本海に面した新潟は拉致問題の現場でもある。「裏切られたという思い、申し訳ないという思い。親が罪を犯してしまったような後ろめたさがあった」。そんな時、救ってくれたのがサポーターだった。練習場で「英学と拉致は関係ない。サッカーに集中してくれ。俺たちはずっと応援しているから」と声をかけられた。「イギョラ(頑張れ)アンヨンハ」という朝鮮語の応援歌も歌い続けてくれた。「どこに身を置いても、あの経験が一番の支えです」と振り返る。

 現役を退き、自身が代表を務めるスクールや横浜の朝鮮学校でサッカーを教える今も、朝鮮半島の情勢には注目している。南北関係から米朝関係、そして最終的には日朝関係が進展することを期待している。「これまで自分が関わった国の人々が互いに理解し合い、友として生きていける時代が早く来ることを心から願っている。そういう時代を子供たちに残したい」【岡崎英遠】