’17衆院選 安全保障と朝鮮学校 国家のはざまで揺れ (毎日新聞より) | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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(毎日新聞 地方版より)

 

 

 

’17衆院選/中 安全保障と朝鮮学校 国家のはざまで揺れ /和歌山

 

 

 

https://mainichi.jp/articles/20171006/ddl/k30/010/427000c

 

 

 

 

教室には「ひとーつ、ふたーつ」とオルガンの音色に乗せて日本語の歌が響いていた。校内ですれ違った子供たちは「アンニョンハシムニカ!(こんにちは)」とはにかんだ笑顔を見せた。

 県内唯一の朝鮮学校である和歌山朝鮮初中級学校(和歌山市中島)には、安倍晋三首相が衆院解散を表明した9月25日も、ありふれた学校風景が広がっていた。

 幼稚園児から中学生までを受け入れ、現在は幼稚園児12人と小中学生21人が通う。10人の教諭・講師を含めて全員が日本生まれで、幼少期から日本語を自然に身につけてきた。ただ、校内では私語も含めて「母国語」である朝鮮語を使うのが原則だ。

 在日3世で、和歌山市出身の朴志〓(パクチジュン)校長(42)は「僕たちにとって言語はアイデンティティーの象徴。朝鮮半島に戻ろうという在日はいないが、自分が何者であるのかを確認するため、母国語と歴史文化を継承している」と説明した。

 朝鮮学校の生徒・教諭の大半は、戦時中の軍事施設建設や鉄道敷設工事で働かされていた現在の韓国領出身者の子孫にあたる。戦後も日本にとどまった人たちがつくった言語学校を、北朝鮮が国として支援した。関係の深さを象徴するように校長室には、建国者の故金日成主席と、息子の故金正日総書記の肖像画が掲げられている。

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 学校が置かれた状況は、その時々の日朝関係に大きく左右されてきた。これまで教育振興の名目で県と和歌山市から支給されてきた補助金は2015年度分の計約400万円を最後に、昨年度打ち切られた。朝鮮学校への補助金支出に「透明性」などを自治体に求めた文部科学省の通知(昨年3月)を受けた措置で、仁坂吉伸知事は「(補助金支出は)日本国のためにならない」と説明した。

 多くの学校法人が対象となっている寄付の優遇制度についても、朝鮮学校は除外されている。同校では授業料や同胞からの寄付などで学校運営を続けるが、校舎の修繕もままならず、教室の天井は雨漏りのため所々朽ち、階段の天井もはがれ落ちたままだ。

 かつて多くの近隣学校とあった交流も今では2校だけとなった。そのうちの1校で和歌山市立宮前小教諭時代の約20年前に交流活動を始めた神谷憲次さん(66)は「保護者からの批判の声も寄せられたが、子供らの楽しそうな様子をみて納得してくれた。在日や朝鮮学校の本当の姿を知っている人は少ない。まずは草の根の対話から始めるべきではないか」と説く。現在は同朝鮮学校支援団体の会長を務める。

 北朝鮮は8~9月に日本上空を通過するミサイルを相次いで発射し、9月には6回目の核実験も強行した。情勢が緊迫する中、北朝鮮に対する日本の国民感情は悪化の一途をたどっている。朴校長は「北朝鮮を巡る報道は一面的過ぎると感じている。僕たちはいつでも門戸を開いているし、誰とでも話をしたい」と話し、日本社会との交流を望んでいる。【稲生陽】


政権「対話より圧力」

 安倍晋三首相は、北朝鮮が軍事的挑発を繰り返す中、「対話のための対話には意味がない」として、圧力を重視する姿勢を打ち出す。「こういう時期にこそ、選挙によって北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」と衆院解散への理解を求め、「国難突破解散」と主張した。安全保障対応を争点化することに、野党からは「取って付けた理屈」などと疑問視する声も上がった。