オモニパワーがハッキョを支える | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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朝鮮新報より






(ジョンファヌナ)


【座談会】オモニパワーで学校を支える 



金“考えること、学ぶことにも取り組んでいきたい”

邊“私の力が学校のため、子どものためになるのは幸せなこと”

呉“地域と協力、若い同胞をコミュニティーに受け入れる



日本各地のウリハッキョを陰ながら力強く支え続けているオモニ会。朝鮮学校の財政支援、美化活動、図書整理、児童募集に至るまでその活動は幅広い。東京都内3校のオモニ会会長に話を聞いた。(金)



―学校の規模は地域によってさまざま。オモニ会役員を何人でやっているのか。



邊:第5は全校生が109人。学父母数は69人の中規模くらいの学校だ。オモニ会は役員会6人と学年役員21人で動かしている。役員会は会長、副会長、低学年、高学年、中1・2、中3の担当に分けられる。

呉:第2は全校児童39人、29戸の少人数学校だ。役員は10人で、1~5年に各1人、6年2人、ほか会長1人と副会長2人で構成される。副会長がそれぞれ低学年と高学年を担当している。

金:第1は初中合わせて265人、オモニの数は197人だ。第1は来年70周年を迎え、オモニ会の歴史も古い。現在、40人ほどの学年役員と会長、副会長でやっている。昨年から役員会を設けず、会長、副会長に加えて学年責任者を中心に活動した。今年は低学年、高学年、中級部の責任者を出して、それぞれの集団でベルマーク、図書、通信を担当している。



―どのような活動をしているか



呉:第2は毎週土曜給食を年間44回行っている。食育をテーマにしてこれまでオモニたちがすべてやってきたが、今年から6年生が配膳、後片づけをしている。以前は食べ残しも見られたが、給食に子どもが加わることで好き嫌いや食べ残しに改善が見られるようになった。ほかには夜会、豊洲フェスタ(日本人のバザー)、枝川基金(日本人による学校支援。今年はスクールバスを購入するためのコンサートなどを開催)に料理を作って協力、美化活動、ビーチボールバレー、ベルマークなどがある。

邊:第5は1学校支援、2子どものための活動、3保護者をまとめる活動に力を入れている。大きいのはバザー。その他来校者が多い行事では役員会がカフェを出す。収益は1回につき1万円くらいで年間5万円くらいになる。キムチ販売も毎月やっている。毎回注文する日本人常連客もいるほどだ。昨年はオモニ会から子どもたちに1輪車を10台プレゼントした。

他にも毎月1日給食、読み聞かせ、低学年は学期ごとに誕生会をしている。学父母向けには外の体育館を借りて月一回ビーチボールバレーの練習。今年からは運動が苦手なオモニ向けにチャンゴサークルも立ち上げた。知り合いがいないというオンマも学校を通して仲間を作り、楽しみを分かち合えるよう工夫している。

金:第1も1日給食をやっている。生徒数が多いが炊事室は狭く、300人分の食事を一度に作れない。なので、1人の子どもが年に3回食べられるよう工夫している。給食日を低学年、高学年、中級部と分けて、低学年を例にすると、1年生の役員が1学期、2年生の役員が2学期、3年生の役員が3学期に低学年100人分の食事を賄う形で進めている。オモニたちの給食当番は年に1回だけ、子どもたちは3回食べられる。そういう形で全校生の給食を賄っている。他校同様バザー、ベルマーク、図書活動にも力を入れている。




(キョンヒヌナ)




―オモニ会運営の工夫について



邊:昨年の経験から、役割を大胆に振り分けたのが良かったと感じている。たとえば低学年の誕生会は低学年の役員たちでする、高学年は図書室、中1・2はベルマークとテトラパック、中3は「高校無償化」の集会とデモに参加するとか。そうすることによってオモニたちの当事者意識がアップした。塵も積もれば山となる。3学期はバレンタインデーの影響でチョコレートのベルマークが多いことも担当すればこそわかること(笑)。

呉:私は自分の同級生に今年、オモニ会の会長になったと話したら「一年間大変なのに何で引き受けたの?」と言われた。そういう思いは一掃されなきゃいけない。それよりむしろ「して良かった」と思えるようにしたい。活動を通して得られるものは多い。人との絆も深まる。私は自分が楽しんでやってるというのをアピールしたい。

邊:たしかに。役員は大変だし、学校に出向くことも多い。でも、オモニ会を支えてきた強い絆を感じられる。

第5は役員会に入ってきたオモニの中から会長、副会長が出る仕組みになっていて、私を推薦してくれた上の世代のオモニたちに感謝している。私は来年卒業だけど、新会長がやりやすいよう自分にできることをやろうと努めている。

たとえば、今年からオモニ会の会費を上げた。その結果バザーの材料費をクラスで500円ずつ集めていたのをやめて、会費の中から出せるようになった。こういうことは私がオモニ会の中で「オルシン」だから言えること。新入りのオンマはみんな不安だろうけど、一緒にやるから大丈夫。オモニ会を通して、子どもが同じ学年でもないのに知りあえて良かったと思える。今でも夜会の準備に前の役員会のオモニたちが手伝いに来てくれたり後ろで支えてくれている。私は苦労するからやらない方が良いとは絶対言わない。

金:第1は、昨年、一昨年が学校建設の特例期間だったので、オモニ会会長は学校の理事会、建設委員会の会議にも参加した。個人的にはアボジと接する機会はこれまでほとんどなかったが、今年はアボジ会と協力しあって学校を支えていきたいと考えている。

具体的には学校でアボジたちが労働する日にオモニたちが美化活動をして交流したりするとか。ほかにも昨年、子育てセミナーを復活させて、親の過保護・過干渉について学んだので、今年もオモニたちが考えること、学ぶことにも取り組んでいきたい。昨年セミナーを準備しながら衝撃的だったのが「アボジたちがオモニ化している」という指摘があったこと。アボジたちがイクメンとなって育児に積極的に関わるのは良いことだけど、どうも必要以上に関与し過ぎちゃう。

呉:オモニは子どもの年齢、学年で「同級生」になれるけど、アボジたちはタテの関係をなかなか崩せないんだろうね。

金:そうそう。「アボジのオモニ化」という話にびっくりしたけど、第1の公開授業も昔では考えられないほどアボジたちの参加率が高い。幼稚班のイベントにもなると夫婦同伴は当たり前。

邊:良いことなんだけどね~。

金:良いことなんだけど、過干渉になると悪い方向に行くので気をつけないと。子育ては親自身を育てるという側面もあるので、アボジたちともタッグを組んで、学校、子どもを親としてどう支えるかということを考えていきたいと思っている。








―今年のセミナーのテーマは?




金:今年は「朝高に行くという選択」についてやりたいと考えている。最近、日本学校への転出が増えている。朝高進学が決して劣る選択ではないということを説得力ある講師から聞いてみたい。

呉:「高校無償化」に期待したけどできなかったことによって出ちゃった人もいっぱいいるよね。

金:受験へのあこがれもあると思う。

邊:うちは娘が中3だけど、今は子どもが自分から受験したいと言い出す時代。力試しというのが多いようだ。私たちの時代は「日本の学校へ行く」というのはなかなか言い出せないものだった。それが今では、日本の学校にいくのがカッコ良くて、朝高に行くのはイケてないみたいな風潮がある。それはおかしいし、許せない。そんなゆがんだ空気、環境が子どもたちに影響を及ぼしているのが気になる。朝高に行く生徒たちが堂々と話せないのはおかしい。

呉:日本の学校に学力が劣らないという朝鮮学校のアピールが間違った方向で受け止められてしまった現れじゃないかな。発信する側も方法を練り直した方が良いかもしれない。うちの長男も日本の大学を受験したけど、アッパが絶対朝大以外はダメだと言って息子は入学式直前まで決められずにいた。春休みに2次で朝大を受験して結果的に朝大へ進んだ。その時代に40%が日本の大学に進学している。

邊:「高校無償化」実現をめざして励む朝高、朝大生がどれほど頼もしいか。人生に早い、遅いはない。今の子どもはとにかく部活、トンム、それで良いじゃん。北海道から九州までチョソンサラムのトンムと付き合う。これってウリハッキョじゃなきゃできないこと。親は何をそんなに慌てているのか。今の朝高生は昔と違う。部活と勉強をちゃんとしている。



―財政の捻出をどうしているか。



金:学校を財政的に支えるため、これまでバザーで目標金額が定められていたが、不景気の中それが大きな負担となっていた。オモニたちがバザーのために時間を出して、労働して、尚且つ目標金額達成のために身銭を切る。こうした矛盾を断ち切らねばと思いつつ、今まで頑張ってきた「伝統」を崩すことにためらいがあった。しかし昨年、大雨に見舞われついにその「伝統」を崩すこととなった。今年は新校舎建設後初のバザーだけにみんな気合が入っているだろうけど、オモニたちが身銭を切るんじゃなくて、友だちをいっぱい連れてきて欲しい。学父母以外の人たちにお金を落としてもらわないと、オモニたちがしんどくなる一方だ。私はオモニ会の役員は大変というイメージを払拭したい。

邊:第5のキムチ販売は年間を通して12~13万円の収益を上げている。1キロ当たりの販売価格は千円。カットの場合は900グラム1000円。販売日の1時から学校の玄関前で売っている。基本的には予約制で予備として10㎏くらい置いてある。キムチを漬けてるオモニは材料費だけ受け取り、売上はすべて学校に。1人で毎月40㎏を漬けている。

第5もバザーの目標金額が決まっていたけど、私の前の会長の時に年間を通しての目標金額に変わった。今はバザー、キムチ、カフェもろもろで年間目標金額を寄付できるよう努めている。


―地域とのつながりについて



呉:第2には「イーキッズ」というのがあって、就学前の子どもたちとのつながりを大切にしている。名簿には子どもの生年月日はもちろん、妊婦さんの出産予定日まで書かれている。地域の女性同盟、青商会と協力して、若い同胞を第2コミュニティに受け入れることに大きな力を注いでいる。イーキッズでは就学前の子どもたちが在校生と縦割りグループで活動を共にする。1学期だけでもオリニフェスタ、低学年対象の流しそうめん、夏期学校などに参加して交流を深めてきた。学芸会なんかも見に来てくれる。

金:第1は学校が新しいこともあって入学希望者が多い。幼稚班の夏祭りには在園児51人に、体験児が40人近く加わった。一番遠くは小平からの参加者もいて、子どもの就学に合わせて引っ越しを検討中という。今や子どもに合わせて親が動く時代になっている。しかし、多いと言ってもうちらの時代の3分の1。やっぱり減っている。学校と関わる支部だけでも第1の場合は荒川、台東、北、文千、東葛の5つがある。これまでこのほとんどに専従職員がいたが今は荒川委員長一人しか女性同盟の専従職員がいない。今後はその辺のことも大きな課題となってくる。

邊:第5も江戸川、葛飾、墨田のどこにも女性同盟の専従職員がいない。児童募集のための朝鮮人探しが手詰まりになっている。地域の女性同盟専従職員の存在は大きいと痛感している。



―最後に



金:オモニたちが元気だと学校も元気になる。オモニたちはあくまでサポートであって出しゃばらず、学校のため何ができるのかを考える立場にある。近年東京のオモニ会会長らとこまめに連絡を取ることによって、他校の良いところを学び、参考にしたり、刺激を受けている。それらを活かして自分の学校に合わせた活動をして行ければ良い。学校の雰囲気が良ければ人は自然と増えると思う。

呉:会長同士のやり取りはすごく勉強になる。今年は第4の運動会が猛暑日で「うちわを急遽販売しました!」と書き込まれていて、行動の早さと広さと発想の柔軟さにさすがだなと感心した。それで夜会の時、私たちも手作りうちわを100本売って1万円の収益を上げた(笑)。スクールゾーンの話も参考になって、第2でも設置されることが決まった。オモニ会を通したすべての出会いに感謝している。会長になって、校長や青商会の人とも深く付き合うことになり多くのことを学んだ。

邊:子どもたちがオンマすごいね、頑張ってるねと言ってくれるとうれしい。子どもは親の姿を見て育つ。私の小さな力が学校のため、子どものためになるのは幸せなこと。みんなの力はそれぞれ違う。力のある人は力を、知識のある人は知識を、これが基本。どこでも良いから自分が力を出せるところで協力しあえれば良い。今年の夜会で私の話がウケたのか「オンニ、私は力も知識もないけど、お金ならあるから、これ買います!」と買っていったオモニがいた(笑)。みんなが明るく、とにかく学校のためにという気持ちを一緒に持てれば良い。そして、この関係がこれからもつながっていくことを望んでいる。朝高でまた一緒にやっていければうれしい。これからもよろしくお願いいたします。




朝鮮新報より






※第1 ジョンファヌナ、そして第5のキョンヒヌナ素晴らしいなー




(東京第4出身のヌナたち頼もしいです)




オモニ達のパワーがハッキョを支えていることは間違いないですねー




全国のオモニ会の皆様いつもお疲れさまです