社会人として半年、メーカーの工場に勤務してわかったことがある。
それは、大卒総合職として就職した僕たちは、『エリート』だということだ。
世間一般でいうこの『エリート』という言葉は、もはや死語のようなものかもしれない。
しかし、この工場という小さな世界の中では、いわゆる少数の『エリート組』とそうでないグループが間違いなく存在する。
工場の勤務者のほとんどが有期契約社員。
何も知らないまま配属された新入社員の僕ができるのは、彼らの手伝いや邪魔ばかりだ。
大学で学んだ知識はまったくと言っていいほど役に立たない。
何が『実学が大事』だ。
パイプの配管整備や、ポンプの組み立て方、ドラム缶の運び方、作製した製品の濁り具合の目視確認...
これくらいできないで何が技術者か。
そんな自問を繰り返すのが日課になった。
一方、何年もこのような『経験』を積んできた現場の方々よりも、僕の給料は高い。
新卒の、何の役にも立たないただの人間に、会社は高いお金を払う。
工場の現場は体力勝負だ。
長袖、長ズボン、完全着帽、マスク姿で摂氏30℃、湿度75%を超える場所で、ステンレス容器を洗わなければならない。
僕の2倍近い年齢の人が、自分の体重以上のものを運ばなくてはならない。
一日に運ぶ重量は数トンの世界だ。
当然、体にガタがくる。特に腰を痛めている人が本当に多い。
それでも、仕事はしなくてはならない。
そして、一日でサラリーマンの平均年収の数倍以上の価値が付けられる量の製品を生み出していく。
そんな状況でも、自分の作るものに少しでも疑問があれば徹底的に調べ、品質を保とうとする。
これが、社会人か。
本当にすごいとおもう。
では、自分に何ができるか。
“仕事を早く覚え、彼らの役に立つ。”
おそらく、それだけでは足りないだろう。
会社のためといった大げさなことではなく、小さなことでもいい。周りの人のために何ができるのだろうか。
もっと、現在の仕事を快適にするにはどうすればいいのか。
自ら選んだわけではない『エリート』の地位だが、そこにはきっと責任がある。
チェス上の『ポーン』に自ら望んでなってはいけない。
そんなことを毎日考えながら、怠惰に生活しています。
だから、僕は現在、偉大なる先輩方にお勧めのアダルトビデオを教えるため、日々研究に勤しんでいます。
みなさん、慣れない土地、生活のなかで
「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」~魔女の宅急便より~
