2018年4月度 石川 三平 

◆これほど各系統に辞めて欲しくない人材の自廃の続出現象に発行本社だけが、「我関せず」のトンチンカン姿勢である。N社は専売店をA~Eに種別分け、将来の姿を描いてみせた。発行本社には大規模な自社社員のリストラということしか望み得ないのか。「押し紙」問題は集団訴訟が噴出するギリギリの段階であろう。どう考えても首都圏で6社の専売網が存在する事が不思議。無読化が進行し、各店配達網維持が困難な状況は明らかになり、自系統での統廃合だけでは乗り切れないことが明白で、遂にはAとYしか存立しなくなった。この先、自由競争時代の先は「完全合売社会」が見えるものの、店数は限定される。それを折込の急減が指し示している。この数年続く、毎年の10%以上の折込収入減は広域の配達限界予算につながる。市制地というものがあるならば、市内でA中心、Y中心の「完全合売店」が2、3に集約されていくというのが正解だろう。その中に入るべくの生き残り策を検討してみたい。

◆最大の課題は「人」である。中で働く従業員はどの店が「嘘」でどの店が「本物」であるかを知っている。本社など上から見たのでは実態はわからない。特に「休み」と「社会保険」と「税金」のことである。行政から突然「市県民税」の請求が来てオロオロする姿を見たことがある。安心して働けるかどうかを下から仲間内で見ている。「切り取り制」の横行も酷い。即座の取引中止に値する。これで半分以上のお店が資格喪失。無理矢理強制的に作らされた定数を責任定数とされ発証、責任集金金額とされ自己入金させられる。それだけでなくお店独自の制度として維持以上の部数を出すことが強要され集金額に連動する制度的きりとりもある。1、2名しか存在しない専業だけの週休二日制店も資格なし。配達に係わる人全ての週休二日制はすごい。ただしお店の経営からみて、1日8時間労働や週40時間労働の厳守、超過勤務時間給の支払い、アルバイトの最低賃金クリアが出来ているか、4週6休は守られているか、それで経営は大丈夫か。

 第2は販売店経営である。5か月前から大型販売店の経営再建に取り組んでいる。まず損益計算書を分析。人件費と競争経費の異常に気が付く。競争経費の内、団ゼロ、SPゼロ(SPカードは1年後生きていない)を決める。拡材支払いは@200円打ち切り(集金時の配布物も含める)。ただ注文と支払いの間にタイムラッグがあるのに注意。問題はこれを現場にどう守らせるかだ。折込の落ちより紙の落ちの方が少ないことに気付く。「紙が減ってもいいから拡材は使うな」と営業方法の改革を現場に周知。5か月で@300円ダウンする。

 次は「入り改革」。今までの方式では入り=お客様の中身は変わらない。拡材読者、縛り読者をグルグル回しているだけ。いわゆる見込み読者をどう作っていくかだ。今からやるが選抜クラスの従業員を選び、取り掛かる。

 年間増減1.5%、自店回収率95%、手集金30%(自動引き落とし70%)も打ち出した。やることは山ほどある。

◆前例を顧みず、最大の難題に直接切り込むことにした。周りを見ていると、環境が大きく変わっているのに「無理だ。俺では立場が違うと人のせいにする人ばかり」。特に今の状況は新聞社にしても販売店にしても広告収入という自分たちでは簡単に手が出せないことが原因に見えているからだろう。自分たちが安住してきたくせに、「義を忘れて、今の何も役にも立たない肩書ばかりを振り回す最低の種族だ」。こんな輩は種の保全の原則により同じ種の上位に淘汰される。折込広告もその効果は大衆によって規定される。紙の広告はウェブにより大きく減少したといえる。ただ急速に伸びたウェブもFBに見られるようにビッグデータの流失事件を引き起こしている。正しいと言われてきた大衆。その大衆の反応はどう変化してきているのか。独裁という政治用語を受け入れることは。

◆毎月10冊読破というスタイルを21世紀に入り続けている。3月に入り指示される側の方々がどう考えているのだろうと思うことが多くなり、社会科学系の本ばかり読んでいたのを、自然科学系の本、特に宇宙物理学系の本を選んで読むように変更してみた。確かに読むペースは落ちる。だが思考回路も確実に変更(偏向ではない)してきている。不足する知識も補てんされる。考える範囲は広がったということか。折込の落ちに対処できないようでは人に指図する立場に居続けれない。担当員は特に能無し。彼らが理解できない経営のことを前面に出し、あれこれ理由付けて、彼らの上司言いなり策を撥ね付け、根雪押し紙をちょっとずつでも切ることだ。