★店が仲間の店のせいで苦しむパターンが増えているのをご存知だろうか。新聞販売店が新聞が減ることの売り上げ減と折込入の減により多くの店が苦しんでいるのは誰もが周知の話である。そして店自らが持つすばらしいデリバリー力を単に「新聞という特別な商品の送達」にしか使えず、新たな一歩による新利益獲得手法を創り出せてないことも誰もがみんな知っている。しかし新しい試みを見出し、一歩踏み出そうとした時、その人間の足を引っぱり、邪魔してきたのも発行社ではなく、新聞販売店を営む仲間だったことも事実である。(現役時代、私自身が数多く経験し、驚きあきれ果てたこともある。)

★この古来からあったケースが今の閉塞状況の中またぞろ出現している。

(ケース1)会とか支部とかのグループ全体での目標部数を掲げる発行社に同調し、個々の店の自由な増減活動に対し、結果責任をその内部の販売店が連帯責任と称し、結果を拘束する行為である。誰しも自分の店の売り上げが減ることは望んでいない。そしてそれぞれ経営責任を持ち、その計画行動を持っている。これに対しその店の経営責任を持たない他の店主がそれも結果を拘束する言動を取ることは許されない。これを恐れる店主も店主である。店主は自店の経営と社員、そして取引している発行社に対する責任を果たせばいいだけで、取引もしていない、単なる同じ地域の他の経営者の言は一切気にする必要は無い。

(ケース2)SH活動によく見られる例である。SHの本来はセルフヘルプであり、「自助」である。拡張の外注の質と値段に対する批判から、自店社員の営業力アップを目的とし、慣れを排除する狙いで他店のバンク利用、人材交流を進めた結果、拡張成果だけを競う方式と劣化した。その原因は『発行社の人材選抜の誤った指針に迎合する一部店主』が『SHの本質(人材育成)に拘り、派手な成果枚数を出さない本格店主』を批判する事態に至ってしまった。相当のエリアで「現金爆」という違法事件が発生し、SH活動そのもので、店主間の内部対立まで引き起こしている。主客転倒も甚だしい。

(ケース3)デリバリー商品を増やすことによって販売店に新たな利益をもたらすべく、点ではなく面としての体制を作り、商品の開発をやっと為し終えて、デリバリーを実施してみたところ、不配、不法投棄等の事故店が多数発生、全体の社会に対する信用喪失を引き起こす。この事故を引き起こした店が正直に非を認めなかったり、自分の非を棚に挙げて他店や企画実行者を非難する始末。スポンサーからは損害賠償請求を受け、折角インフラまで作ったのに他店のヤル気を失わせ、モデルチェンジが再び後もどりする。全部を進化させることは不可能である。未進化店は退場するしかない。

(ケース4)所謂業界特有の「みんなで渡れば恐くない」現象。コンピューター導入は書類の改ざんを容易にしただけ。自由増減を声を大にして叫ぶ一方、積み紙も安易にする。自由増減の必需品と言われてきた「増減簿」を完備、記入、常用している店は何店あるのだろう。

★店主の皆様、貴兄が取引している相手は誰なのか。同系列の同じ販売店ではない。そして自店の生死には他店は一切関係がないことを再度自覚していただきたい。上記したように、新聞販売店が進化しえない最大のポイントは古来から続く「みんなで渡れば恐くない」という言葉に代表される甘えの感性にある。今のこの閉塞の時代「みんなで渡れるかどうか」考えてみればすぐわかる。自分が誰に経営者としての責務があるのかを確信しての行動を願う。