酒の吉田屋2 | mitatake佐野岳彦のライブ日記

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昨日の引き継ぎが出来ていないので、どのような状況かわからないんですが。
店長がそういいながら、条件をぼくから聞き出すと、色々物件を出してくれた。
結局、昨日行こうとしていたところと、他に店長のおすすめ、そして、駅から近くて築浅でとても素敵な作りの家賃が高いところを見に行くことになった。
車に乗り込み、ぼくたちは、出発した。
「いやー、Sさんから朝急に電話が来まして、
『てんちょー、ちょっと腹痛が全然治まらなくてー。』
とか言ってるんですよー。ぼくも、
『どうするんですか?10時にお客さん来ちゃいますよ。あー、土日とかここ何年もぼく休んでないなあー。Sさん休むんだ―。腹痛で休むんだ―。あーあ、そうなんだそうなんだ。お客さん来るのにな―。』
とか言っていじめてみたんですけど、駄目そうだったので、今日はゆっくりしてもらうことにしました。すみませんでした。」
仲がいい職場なんだなと思った。
Sさんは、そういえば昨日、午前中は友達の結婚式に行って、他のスタッフも結婚式だったから、帰ってきて仕事をしていると言っていた。そして、結婚式って、何次会までやってるんですかね?と、ぼくに尋ねてきていた。ぼくも、五次会くらいはやってると思いますよ。と言っておいた。
うん、朝まで、飲んでいたんだろうなあ。ふと思った。
Sさんの話をしているうちに、最初の物件に辿り着いた。ここは、川越に来て最初に住んだアパートのすぐ近くだった。なかなか馴染みのある場所だ。今のところより駅に近いし、2階の角部屋で、木に覆われ静かそうだ。
中に入ると、全リフォームしてあり、とてもきれいだった。キッチンはシステマチックになっていて、カウンターになっており、収納もけっこうある。広さもほぼ決めている物件と同じくらいだ。ここでもいいと思った。
だが、ここは、木造だった。今まで、どんな場所でも昼夜問わずハーモニカを吹いてきたぼくでも、木造でのハーモニカ経験はまだなかった。生活音だけでも割りと聞こえるという木造は、ぼくには合わないと思った。店長に、木造の音のもれはすごいんですか?と聞いたところ、
「そうですね!木造の音は、すごいですね!」
と言われた。残念ながらここではないと思い、ぼくたちは、次の場所へ向かった。
次は、そこから徒歩で5、6分歩けば着くくらいのところだった。もちろん車で移動したが。
そこの物件は、建築会社が建てて管理しているとこらしく、とても中がきれいで立派だった。が、3週間も物件を見続けると、変に目が肥えてきて、よくある間取りだとつまらなく思えてくる。この部屋は、2DKの、部屋入ってDKで、そこから右に一部屋左に一部屋で、二部屋は扉で繋がっている。という、ワンルームの次に多いと思われる間取りだった。これはよくないと思い、店長も、
「そうですね!直感って大事ですからね!」
ということを言って下さったので、すぐに次の物件に移動させてもらった。
次は、駅近築浅賃高物件だ。
ワンルームで、写真からみて、恐らくぼくの荷物は入らない。が、床下に収納があり、そこに望みをかける内見となった。
物件に到着すると、そこは、駅から5分もかからないとてもいいところに建っていた。
中をみる。
きれいだし、しゃれているし、外には竹林みたいなのがあって、素敵だ。天井も高い。狭いながらも書斎スペースみたいなのがあり、かっこいい。ブログをいつもここで書くのもいい、そう思った。
そして、注目の床下収納スペース。とても広いとされていたスペースだが、果たして、どの程度の現実がそこにはあるのか。
「ここが収納ですか?」
「そうですね!ここが収納スペースになりますね!」
店長の肯定するときの、そうですね!が、いつしかぼくの安心に変わっていた。
恐る恐る収納スペースを開けてみると、なんとその収納スペースは、恐らく、推定で、だいたい、大まかに言うと、信じがたいが、六畳分は優に超えていた。広い、広すぎる。
「これは広いですね。」
「そうですね!これは広いですよね!」
店長も広いと言うんだから、これは絶対に床下収納としては広いと確信した。
ただ、床下収納の中に下りてみると、高さがあるにはあるが、四つん這いになって動く感じにはなるので、六畳分まるまる上手に使える気はしなかった。
なかなかよいところではあるが、なかなかあのほぼ決めている物件には及ぶ物件がない。やはりこれは、不動産屋に戻ったら、あそこに決めてしまうべきなのか。
そんなことを思いながら、ぼくたちは、不動産屋さんに戻った。
「おかえりなさいませ。」
スタッフの皆さんは、総出で迎えてくれた。
「どうも、戻りました。」
なんだか口から自然と出てしまった。
「佐野さんどうしますか?ほぼ決めている物件はかなり佐野さんの条件にあってますけど。」
「そうですねー、ほぼ決めている物件はほんとにいいですよねー。じゃあ、ほぼ決めている物件と今日みた物件の見積もりをいちお出してもらってもいいですか?そして少し悩んでまたすぐに来店させてもらいます。」
「かしこまりました。じゃあ、すぐ、見積書出しちゃいますね。」
ぼくは、つまり、ほぼ決めている物件には、まだ、決めなかった。なにかまだ、まだみたかった。あそこが本当に次に住むべき場所なのか、見極めたかった。
見積もりを受け取り、ぼくは、
「またのご来店お待ちしております。」
スタッフの皆さん総出で見送られ、家に帰った。