山形酒田のラーメン店
『味龍』の創業者 岡部正巳さんが21日他界しました。

佐野実の事をご存知の方は、承知でしょうが、
佐野が自家製麺をやるきっかけになったお店の店主でした。
かれこれ25年前、山形食べ歩きで訪れた7軒目の店でした。
既に8杯のラーメンを食べていたのに、麺の旨さに感動して、『これだ!』と思ったそうです。
日頃から製麺屋さんに頼んでいたが、何かが違うと常々思いながらラーメン作っていた。
そんな佐野は、その店主岡部さんに麺について話をさせて下さいと頼んだそうです。

岡部さんは、『良いですよ』と仰ってくれ、閉店迄 待たせてもらうと…
『では外で一杯呑みながら…。イケるんでしょう?』と言ってくれたのに、
佐野は…
『いえ、ここで話をしたいです!』と、大好きなお酒も断ったそうです。

そして、
16時〜21時頃迄、5時間も話し込んだと岡部さんより聞いています。

それからです。
先ずは小麦の勉強する為に、北海道の製粉会社や、農家さんへ訪ね歩き、又 製麺の勉強も同時で行いました。

製麺機を購入し、自家製麺を始めた時から暫くは、ほぼ毎日と言うくらい電話したり掛かってきたりして小麦の事、麺の事、機械の事を話し合ったそうです。

岡部さんは、佐野実の開業より1年後の開業でした。
ただ、麺作りは若い頃蕎麦作りの経験を生かし、開業当初から自家製麺だったそう。

年齢は11年先輩ですが、職人魂では気があったのでしょうね〜。
それからと言うものは、毎日この5〜6月の時期に酒田へお邪魔して親交を深めていました。

そして佐野が亡くなた今でも変わらぬお付き合いをさせてもらっています。
私にとっても心の支えになる大好きな親父さんです。

昨年から怪しい雰囲気になっていて、ご自身の病気の事はチャンと理解されていました。
なので何度も何度もこれまでもお礼の言葉を言う機会はありました。
亡くなる少し前にも電話で、
『予定通り6月には来てね』
と仰ってくれました。

岡部さん。あちらでも佐野とラーメン談義に花を咲かせて下さいね。

告別式は、本日 遺言通り家族葬で執り行われ、そこへ私も参列させて頂きました。

岡部さん、ありがとうございました。
ご冥福を心よりお祈り致します。