経験不足が原因としながらその克服策を示さない・・・ | 佐野 浩のブログ

経験不足が原因としながらその克服策を示さない・・・

経験不足が原因としながらその克服策を示さないのは矛盾②

 

 枝野立憲民主党党首は、その著書「枝野ビジョン 支え合う日本」で民主党政権(2009~2012年)の失敗の原因は「経験不足が根っこにあった」と記している。私は民主党政権には経験不足の他にも能力不足、止揚不足、寄せ集め政党のもろさ、等々もあったと思うが、それは別稿で。
 問題は「経験不足が失敗の原因」とするなら、それをどう克服するかが肝心要だが、枝野ビジョンはその克服の仕方を述べていない。

 

影の内閣に着手すべし


 議院内閣制を発達させた英国では「野党第一党の党首が影の首相に就任し、野党所属国会議員らから閣僚等を任命して、影の内閣を組織し、政権交代時の野党の政権運営の経験と政策立案能力を高める準備をしている」という。これに学び日本でも日本社会党が1991年から約2年間、新進党が1994年から約3年間、民主党が1999年から2度約16年間、自民党が2010年から約2年間、民進党が2016年から約2年間、影の内閣を模した内閣を設立し、組織してきた。


 枝野幸男氏を党首とする新たな立憲民主党が2020年9月に衆参両院で150人を擁する野党第一党になった。だが、今日(2021年7月)に至るも「影の内閣」は組織されていない。


 私は2018年5月20日号で「(前略)中道右派政党と(中略)中道左派政党が二大政党となり、政権を競い合う政治が望ましい」と指摘してきた。従って野党第一党の立憲民主党が「影の内閣」を組織することを期待している。しかし枝野氏の今回の本にはその事が触れられていないし、枝野氏の記者会見等でもそのことを聞かない。


 支障があろうとも最善手である「影の内閣」に着手する事を望む。