世界最悪の企業東電とハリバートンが統括原価方式

190119

 

このことはご存じの方には有名な話ですみませんが

電力会社(他にガス・水道もそうだというのですが)は

価格を決定するのに統括原価方式をとっているということが

もうずーっと前から問題になっています。

その統括原価方式なのですが

原価に利益を上乗せして価格を決めることだと

以前ある人に言ったら、

そんなのどの企業だってそうだろう、と。

そのときはうまく説明できず、1時間以上も議論してけっきょく物別れに・・

それをうまく説明していくれているサイトが

https://biz-journal.jp/2012/07/post_352.html

 

以下青字は転載部分です。

 

(1)競争市場の場合:売価ー原価=利益

 ・売価:市場(相場)で決まるもの。
 ・原価:改善努力で下げるもの。
 ・利益:原価低減で儲けを出すもの。
  ※この場合、企業は少しでも多くの利益を出そうと、原価低減(コスト削減)に必死に努力する。

(2)独占市場の場合:売価=原価+利益

 ・売価:市場で決まるのでなく、原価と利益を単純に加算するもの。 
 ・原価:下げるものでなく、計算するもの。
 ・利益:原価に上乗せするもの。
  ※この場合、利益はあらかじめ決められていて原価に上乗せするだけだから、企業は原価低減(コスト削減)の努力をしない。
 
  算数では a-b=c と  a=b+c  は相互に正しい変形なのですが
ここではそうではないんですね。
 
 そしてしかも電力事業の場合、
利益の算出方法が、どうなっているのかというと、
利益を「事業報酬」と呼ぶらしいのですが、それは⇓ 
 
事業報酬は原価低減によって得られるのではなく、発電用資産に対してあらかじめ報酬率が決められており、直近の2008年では3%だ。発電用資産が増えれば増えるほど、事業報酬は大きくなる。そのため、原発のような何千億円もする巨額な発電用資産を建設したほうが、事業報酬も増えることになり、原発建設推進の大きな誘因になっている。

ゴミも資産に含まれる

 不可解なことには、原発では資産の中に使用済み核燃料まで含まれていることだ。一般的にはゴミとしか思われない使用済み核燃料が、ここでは資産として扱われているのだ。
 
 さてここでハリバートンについて。
 
以下

https://www.jstage.jst.go.jp/article/peq/50/2/50_KJ00009361212/_pdf

書評 『ショック・  ドクトリンー惨事便乗型資本主義の正体を暴く(上)(下)2013.7

ナオミ・ク ライン著/訳=幾島幸子・村上由見子[岩波書店,2011年]

評:足立眞理子 お茶の水女子大学 の一部を転載↓

 

「第五部ショックの時代」では,第四部までは米国の外で行われた事象を扱ってきたのに対して,

米国内部で何が生じたのかがテーマとなる。

90年代後半,ブッシュ政権は,米国の国家中枢機能――軍,警察,消防,刑務,国境警備,秘密情報,疾病対策,公教育,政府機関の統括――の民営化の動きを強めた

クラインによれば,これは国家中枢の空洞化という事態であり,ショック・ドクトリンが自己言及的な新局面を迎え,惨事便乗型資本主義が確立してくることを意味する。例えば,ペンタゴンによる,ヒューストンに本社を置く多国籍企業ハリバートンに対する業務委託の導入は,「原価加算方式」である。これにより,ハリバートンにとって,戦争は収益性の高いサービス業務となり,「軍隊のマクドナルド化」が出現した。クラインによれば,9.11直後の人々がショック状態にあった時に進行した事態は,表向きは「テロとの戦い」を目標に掲げつつ,その実態は,惨事便乗型資本主義複合体の進展であった。すなわち,警察,監視,拘束,戦争遂行といった国家権力を強化しつつ,セキュリティ,占領,復興という新事業が外部委託され,利潤目的の民間企業に手渡される体制の構築であった。

「第六部暴力への回帰」では,アメリカのイラク侵攻目的が,ショック療法によるイラクの白紙状態化にあり,当初はそこに 「中東自由貿易構想」 にもとづく 「新たなモデル国家創設」にあったと述べる。

米軍「衝撃と恐怖」作戦とは,ショックと恐怖,混乱と心理的退行を起こさせる感覚遮断と過負荷によって国全体を痛めつけ,インフラ施設を故意に破壊し,この国の文化や歴史が崩壊するのを放置し,その後,安い家庭用品やジャンク・フードを雪崩れこませ,その過程をテレビで生中継し見世物と化すというものである。その一方で,イラクに「民主主義を根付かせる」 という任務さえも外注民営化する。しかしながら,国政選挙の白紙撤回以降,多数派のシーア派からも徹底した抗議行動がおこり,「白紙状態」 にするという夢想は,その分身である 「焦土作戦」に変貌する。イラクが混乱に陥れば陥るほど,もたらされた結果は,最小限におさえられた軍隊をバックアップするための,戦争民営化産業の隆盛であった。

イラク侵攻による 「白紙状態」,デパターニングは,米国の国家中枢機能の民間委託であり,惨事に便乗して,破壊と「再建」 のどちらにおいてもビジネスチャンスを得る,惨事便乗型資本主義のパターン化であった。