土曜日のTBS「報道特集」で、ミツバチの大量死を引き起こしているネオニコチノイド系農薬の被害が取り上げられました。私も取材を受け、田んぼでのネオニコ系農薬の散布についてお話しています。

あとふた月もすると、田んぼには農薬を空中散布するヘリやドローンが飛び交うようになります。でも、秋田県のお米農家・今野さんは、「田んぼでのネオニコ系農薬散布はやめられる」と断言します。

そもそも、農家さんがネオニコ系農薬を使いたくなくても使わざるを得ないのは、カメムシに吸われた黒い点のある米粒が、1,000粒にたった2粒混ざっただけで米の等級が落ちるという、農水省の古くからある厳しい基準があるから。

でも現代の技術では、精米のときに黒い点のある米粒を簡単に取り除けるので、農薬を使う必要はありません。時代遅れの基準が見直されずにそのままになっているために、農薬がムダに使われ続けているんです。しかも、1,000粒に2粒という基準には、特に根拠がないということも農水省への調査で判明しました。*1

黒い点のあるお米は農薬を使わなくても簡単に取り除ける。厳しい規則に根拠はない。農家も自然に有害な農薬を使いたくない。消費者も安全なお米が欲しい。

ムダに農薬を使わせる時代遅れの基準を廃止するために、必要なピースは揃っていると言えます。田んぼにネオニコ系農薬を使わなくてもよくなるように、規則を見直すことを求める署名に、参加していただけませんか。

厳しい基準に根拠がなかったと米農家の今野さんにお伝えすると「コメの厳しい検査基準には当然、客観的合理性があるものと思っていたので、根拠となるデータ無しに作られたと知ってとても驚いた」とおっしゃっていました。農家さんと消費者が力が合わせれば、この意味のないルールを変えられるはずです。ぜひ今日署名に参加してください。安全な田んぼを一緒に作りましょう。

関根彩子 グリーンピース・ジャパン 食と農業チーム

*1 http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/61541/