函館市による大間原発建てるな裁判の第3回口頭弁論を
書いて下さった方のレポートを転載させていただきます↓ 

12月25日3時から東京地裁で、函館市が提訴した裁判の
第3回口頭弁論がありました。
幸い79枚の傍聴券の1枚があたりました。
傍聴席には函館市議、大間の奥本さんのお顔が見えます。
私の後ろに国会議員のバッジをつけた方がおられましたが
後で逢坂議員とわかりました。
相手側らしいスーツ姿の男性も少なくありません。

まず、原告、国側から出た準備書面を陳述(実際は読み上げません)しました。
裁判長は、条件をつけながらも「本案の審理に入る」と言いました。
原告に対して争点の項目立てを提出するよう求めました。
また、書証の符号の付け方を双方に確かめました。
これは「門前払いではない」と感じました。
井戸弁護士は、裁判長に「進行については早く進めていただきたい」
国の却下請求については学者に意見書を依頼しており3月中には
提出できる旨述べました。
内山弁護士は、電源開発が新規制基準の適合性審査申請をしたこと受け
基準地震動などを争うと意見を言いました。
15分足らずで閉廷しました。

議員会館での報告集会では、まず、海渡弁護士から報告がありました。
裁判長の「本案の審理に入る」という言葉に、記者からの要請で
緊急の記者会見をしてきた、これは国側に一定の配慮を示しつつ、
原告適格について判断する前に審議に入るという意味だと説明しました。
参加者からいっせいに拍手が起きました。
中野弁護士からも「裁判に向き合う姿勢が感じられた」と報告、
もし、裁判所が却下の姿勢を見せた場合、弁護団は次々抗議をし、
やり合う準備をしていたと言い、事を荒立てずにすんだと笑わせました。

海渡弁護士は逢坂議員を紹介、議員は北海道8区選挙区民主党として
電源開発に適合性審査の撤回を求めてきたこと、8区選出の議員は
自民党議員も大間原発に反対であること、函館市町会連合会が
凍結を求める署名を始めたことを報告しました。

海渡弁護士は、裁判所が実質審理に入る姿勢なのは、傍聴に
大勢の市民が駆けつけていることが大きく影響しているので
ぜひ今後も傍聴を続けてほしいと要請がありました。

次に大間町の奥本征雄(まさお)さんが、最近の大間町の
様子を話されました。
1945年生まれの奥本さんは郵便局員として、原発誘致時から
町を見てきました。
大間町は現在2500戸 人口5800人 面積は52平方㎞
漁業資源に恵まれているが、1998年4月に150億円で売り渡された。
しかし、福島事故以後1年半にわたって大間原発工事中断の間に
どっぷり原発に使っていた町の空気が少しずつ変わっているそうです。
1980年代から原発反対と言えなかった町で、20年ぶりに開かれた
学習会に女性13名が参加したことなど、デモの参加者はいないが
小さな変化が生まれつつあるということです。
原発マネーで地域振興のはずがシャッター街になり、
商工、漁協、町関係者から原発を抜きにして、大間の未来、
振興を考えなければならないと言い出す町民がでてきた、
これは壊され続けてきた地域の人間関係を取り戻す闘いで、
時間がかかるけれど、それしかないと思っているとのことでした。
地元では、2021年稼働を冷めた目で見ており、電源開発も本気では
ないかもという声さえ聞かれるそうです。
大飯の判決があり、仲間がいて、函館市の取り組みもある、
「がんばっていきましょう」としめられました。

原子力資料情報室の澤井さんから感動的な手紙が読み上げられました。
匿名で、反対グループに届いた1000円のカンパが同封された手紙です。
「マグロ漁師の妻です。口に出せないけれど家族全員原発に反対です。
昔の一部の人がお金目当てで決めただけ、大間町民一丸ではありません」

今回も報告会を「関東の会」の女性おふたり(テント村のかた)が
準備してくださいました。
クリスマスというので参加者全員にスパイスのきいた
ドイツのクッキーが用意されていました。

小笠原厚子さんとも久しぶりに会い、「がんばりましょうね」と
握手して別れました。