「ショックドクトリン」、初めて見たときは、実は・・・何度か寝てしまったのですが、改めて見直すと、よくできているとおもいました。

 キーワードはシカゴ学派、ないし新自由主義なのですが、

その新自由主義はほんとうに曲者で、純粋理論としてはそれなりに学生を

惹きつけるものがあるらしいのですが、実際に政策として実現させたら

どうなったか。たしかレーガンやサッチャーの前と後の比較だったと

おもうのですが、CEOの年収が、それ以外の人の年収の、

4倍ぐらいだったのが一挙に400倍ぐらいになったのだそうです。

(正確な基準時と何百倍になったかという数字を覚えてなくて

すみません)

 

 なおこれは映画ではなく原作に書いてあったのですが、

新自由主義はそのときどきでいろいろな名前で登場する。

 今はTPPとかアベノミクスとか消費増税とか国家戦略特区という名で

登場している。

 少し前の新自由主義は、規制緩和・民営化・インフレ抑制・減税を特徴と

してきたのですが、今はインフレ推進、消費増税をしているので

新自由主義とも違うようにみえる。でも

新自由主義がインフレ抑制を目標としていたときは、ハイパーインフレが

起きていたときだったりした。安倍政権登場時はデフレが

問題にされていたのであり、状況が違う。

 また消費増税は、輸出企業にとっては実質上懐が豊かになる

トリックであるそうなので、結果的には新自由主義と

同じ効果をもたらしている。

 また新自由主義は、とりわけイラク戦争あたりから

資本の”自由”な国際的行き来による

コーポラティズムを意味するようになってきています。

それを示す典型がブラックウォーターのような戦争請負会社の

規模の拡大。

TPPはこの流れをもっとシステマティックにしようというもの。

TPPが各国の猛烈な反対に遭ってやばいので、

同時に国家戦略特区でもって、特定企業をもうけさせようと

している。

 日本のフリードマン竹中平蔵が糸を引いている。

 竹中自身も糸を引かれつつ。

 新自由主義はこうして、変幻自在の化け物。