№113 12月12日
●追記・鈴木書店倒産の真相3
 鈴木書店の倒産は、岩波書店主導によるシナリオに従ったものであるのは明らかですが、ここであらためて岩波書店そのもの変質が問われるべきだろうと思います。岩波は95年頃にはすでに、福岡での文化犯罪者連と連携した動きを見せています。そこで『日本の出版社』で95年前後からの同社の役員の異動を調べたところ、興味深い事実が判明しました。鈴木書店会長兼岩波書店常務の坂口顕氏が、96年版(95年11月現在)で突如営業担当役員として登場。以降坂口氏は一気に権限を拡大し、98年版(97年9月現在)では、出版担当兼営業担当役員という要職を重任しています。合わせて編集担当であった大塚信一氏が社長代行に就任、社長は安江良介氏。

 ただし『物故者名簿』で調べたところ、安江氏は96年には社長を退任し、、97年から98年1月の死去まで相談役となっています。昨今、印刷物の資料としての信憑性がとみに薄らいでおり、どちらを信用すべきなのかは分かりませんが、いずれにしろ97年前後には、安江氏も会長であった岩波雄二郎氏もすでに実権を剥奪されていたと思われます。『日本の出版社』2000年版(99年10月現在)では、岩波雄二郎会長の名前が消え、社長は大塚信一氏、坂口顕氏は引きつづき出版・営業担当を兼務。編集担当は新顔が就任。つまり現在の岩波は、坂口氏が実権を握っていると見るべきでしょう。役員就任後わずか数年で、天下の岩波書店を手中に収めたわけです。鈴木書店に坂口氏が乗り込んだのも、同書店乗っ取りを狙ったものであったのはいうまでもありません。

 この犯罪の特徴は、必ずしもトップの座には固執せず、操縦しやすい人物をトップに据えて蔭で操縦し、法的責任は取らずに、利権の確保と拡大だけを図るという手口です。池田大作がその最上の手本ですが、官庁各省庁や新聞社、有名書店に学会員を送り込み、「総体革命」を進めている創価学会です。出版社も当然「総体革命」の対象になっているはずです。中でも日本最高の知の集積拠点を誇っていた岩波書店に対しては、襲撃の機会を虎視眈々と狙っていたものと思われます。坂口氏が学会員なのかどうかは分かりませんが、少なくとも大作・西武と通じた人物であることは間違いありません。

 そもそも岩波書店をこの犯罪に引きずり込んだ最初の誘惑者は、堤清二です。安江氏の死後、岩波と犯罪者連との連携がさらに強まりますが、堤清二=辻井喬が『世界』に小説を連載するなどという異例事が起こるのもその表れです。また『世界』と『潮』の内容的連動性も、岩波乗っ取りによる成果の表れでしょう。編集企画もおそらく事前に大作がチェックし、『潮』の権威づけに『世界』を利用しているはずです。両誌の連動性は事前チェックか情報漏れなしにはありえぬものですが、最終的には『潮』を『世界』以上の権威誌にすることが、大作と文化犯罪者連の狙いだろうと思われます。日本の知識人層を、大作・西武の配下におき、創価帝国強化をさらに進めること。岩波書店乗っ取りの最大の狙いです


 ここ数年、岩波が他の出版社と変わらない出版社になったとよく耳にしますが、当然でした。読者の変化以上に、社内的な大変動があったわけですから、変わって当然でした。他社の物真似としか思えぬ本でも次々と出版。岩波の変質は出版界の頽廃を象徴するものですが、犯罪者連に乗っ取られた、必然の結果です。