IAEAとWHOの関係


「放射能汚染が未来世代に及ぼすもの」~「科学」を問い、脱原発の

思想を紡ぐ
綿貫礼子編 2012.3発行

の一部を入力してくれた友人のメール転載↓

IAEAとWHO(世界保健機関)のオカシナ関係

2000年頃からチェルノブイリの健康影響をめぐるIAEAとWHOの関係に

焦点を当てた批判がヨーロッパのNGOなどから出始めていた。
国連諸機関の中で、健康問題については本来WHOが担うべきであるに

もかかわらず、チェルノブイリの健康影響に関して

WHOは当初から積極性に欠けており、ずっとIAEA主導が貫かれていた。

これについて
IAEAとWHOが1959年に結んだ同意書に原因があるのではないかと

指摘されていた。

その同意内容とは
「一方の当事者は、他方にとって実質的な利害関係を有するような課題

での活動やプログラムを開始するときには、

他方の当事者に相談しなければならない」というもので、

この同意事項によってIAEAはチェルノブイリ事故の健康影響に関して

WHOの本来あるべき活動を縛ってきたというのである。

批判の高まりにたいしてWHOは2001年にウエブサイト上で

「この同意はWHOをIAEAに従属させるものではない」と釈明の文書を

出すに至った。釈明せざるを得ないこと事態が異例であろう。
しかしその関係はその後さらに進展したようである。
2011年9月18日の『毎日新聞』の記事によると

WHOは1988年には原発事故の際にIAEAが対応の先頭に立つことを明記

するなどした新たな二つの条約

(1986年の原子力事故早期通報・援助二条約」。WHOは88年に
批准)を

IAEAと締結、

2005年には化学物質・放射性物質で汚染された食品の輸出入問題でも

IAEA主導が追加されたという。

そして2009年には、ついに

WHOから放射線の健康被害に関する専門部局を廃止し、

財政難を理由に今後も復活する予定はないという。
「国際原子力村」の中にあったWHOは、いまや

放射線の健康影響に関わる事すら封じられたということだろうか。