土曜日の夜「世界不思議発見」を何となく見ていたら
(TVをなんとなく見ているのはいけませんね、電気と
時間の無駄)、見覚えがある光景が目にとびこんできました。
それであわててノートを見たら、やはり。
「世界が食べられなくなる日」を観てとったノートに、
そのゴレ島という地名が記してありました。
映画では、何十人ものセネガルの人たちが、ある建物の
バルコニーのような場所や、外階段などで、ひたすら
太鼓を叩いているところが、デモの様子を撮った場面と交互に
盛んに映されるのでした。ただそこでは、ゴレ島が
どういうところか説明がなかったので、意識しないで
観ていたのです。
他方テレビでは、ずっと気になっていたエピソードが
紹介されました。そのエピソードは、以前友人が小学校の音楽の
先生から聞いたというもので、出典も地名もわからずに
いたのです。そのエピソードとは、黒人-今はアフリカ系アメリカ
人というのでしょうかーの歌、ソウルの由来でした。奴隷たちが
太鼓で連絡をとりあっているのに、白人たちが気付き、
太鼓を取り上げてしまった、それでもう表現手段が歌うことしか
なくなってしまったというもの。その話が残っているのが、
ゴレ島というところなのだと、テレビで知らされたのです。
ゴレ島の、今“奴隷の家”と呼ばれている建物は、
白人たちが、あちこちから捕えてきた黒人をいっとき
閉じこめておき、中庭-その外階段で降りるーで“品定め”した
後“新大陸”に“輸出”する拠点だったのだそうです。
同国にはアグロエコロジーというのだったか、自然の営みを生か
した農業を実践する学校が創設されており、種子の自家採取を実践
し、GM種子の侵入を警戒しているのだそうです。それは
GM種子の受容が、モンサントの経済的奴隷になることを
意味すると、先生にわかっているからなのです。
監督はある時点から、その奴隷の家で、日本人のグループに
和太鼓を演奏させ、さらに次の段階では、セネガルの太鼓と
和太鼓を競演させます。
アフリカの人と二度の原爆に加え福島原発事故で
被ばくさせられた日本人が連帯して食物兵器商人と
対抗すべきことを監督は訴えているのだとおもわれます。
この監督は、前作「地球のなおし方」でも、カルガモ農法と
ともに能を盛んに登場させており、いわゆるエキゾチックな
ものへのヨーロッパの人特有の憧憬があるのだろう、
和太鼓もその伝<でん>だろうとたかをくくっていたのですが、
たまたま「世界不思議発見」で、そうではなかったのだと
悟ったことでした。