友人にとにかくプロローグだけでも読むようにと言われて読んだ
堤未果さんの『(株)貧困大国アメリカ』のプロローグ。
フードスタンプ、今はSNAP Supplemental Nutrition Assistance Program
という呼称になっているそうですが、それを使うには―
あるいは最大限に活かすということだったか― 一か月に一度夜中の24時に
扱いスーパーに駆けつけてカートにあれこれ突っ込むのだというのです。
一か月保たせるためということもあるのでしょうが、
少なくとも、そのプロローグに挙げられていた買い物の中身は
カップラーメンやコカコーラといったジャンクフード。
生活が苦しいと、とにかく空腹を紛らわすしかないということなので
しょうがかんばしくない内容です。
(映画「ありまるごちそう」に、米国に住む移民家族が、
カリフラワーがほしいとおもっても、カリフラワー1個とハンバーガーが
同じ値段だと、どうしてもハンバーガーを買わざるをえない
と話している画面が思い出されます。)
(SNAPの普及以前からの傾向かもしれませんが、)子どもの
2型糖尿病が増えており、SNAPも影響しているはずだから、
もっと実質を充実させるべきだと、国会議員が
指摘したことも一回ではなかったというのですが、
そのたびに、ジャンクフードのメーカーが圧力をかけて
つぶしてしまったのだそうです。
SNAPという呼称変更も怪しい。フードスタンプの内容が
よくないと批判されるようになったので、言葉だけ
変えたのではないでしょうか。nutrition(=栄養) でなく
カロリー(ジュール?)とするならまだましでしょうが・・
堤さんは、財政難だといいながら、このSNAPにものすごい
予算を割いている意図にも疑問を投げかけています。
どうも税金を特定企業の利益になるように使って、
国民には、あなたたちのためだよと説明している例の
一つのように見えてきました。
日本の生活保護にいろいろ問題を指摘する人がいますが、
SNAPよりいいような気がします。