『パエトーン』という恐ろしい漫画[山岸涼子さん]があります。
山岸さんはチェルノブイリ事故の恐ろしさを知って、それを
伝えるためにこの作品を描いたのです。
題名はギリシャ神話からとったもの。その神話の内容は
太陽は“係”の神が毎日馬車で動かしているのだけれども、その子?が
せがんで一日だけ駆らせてもらって、結局焼け死んだー
記憶不鮮明―といったものです。
太陽(核反応)を人間が操ろうとしてはいけないという比喩として
作者がこの題名を選んだとおもわれます。
この作品の中に、事故を撮ったヘリコプターに乗っていた
カメラマンのフィルムが感光してしまったというものがあり、
五感に感じない放射線をある程度実感(?)したものです。
http://usio.feliseed.net/paetone/ で特別公開されているようです。
パエトーンが収録されている単行本の後半は奇しくもー
奇しくもとは、わたしがそう思っているだけなのかどうか―
拒食症で死んだといわれているカレン・カーペンターの伝記のような
内容の作品でした。当時わたしは原発や放射線の害について
ほとんど知らなかったので、気にもとめなかったのですが、
最近になって不思議におもうことには、拒食症(なり過食症)って、
昔からあったのでしょうか。
肥満のほうは昔からあったでしょうが、それにしても
ときどき紹介されるように、とくにアメリカなどにいるという、動けなくなる
ほど太るまで食べている人が昔からいたのでしょうか。
また拒食症は、生物として明らかにおかしい。
拒食や過食とは、代謝が狂う病気なのではないでしょうか。
甲状腺というと、がんという語がセットになって出てくるようですが、
それ自体が、巧妙な情報操作なのではないでしょうか。
中には手術して切ればいいのだなどと言っている人もいます。
が、甲状腺は代謝ー生きるシステムーをつかさどる臓器だ
そうです。
甲状腺のはたらきを狂わせるものとして、放射線が
あるのではないか。
もう一つ情報操作が疑われることがあります。甲状腺障害を
避けるためにはヨウ素剤を飲めばいいという件。
それは間違ってはいない。人間の遠い祖先が海から上がったとき、
海で不足することはありえなかったヨウ素が陸には
ほとんどない、そこで、ヨウ素については他の物質と
異なり体内でできるだけ“リユース”するように、
飲食だけではなく空気からさえ採れるように進化してきて
というのです[美浜の会のHPより]。だから、
放射性ヨウ素を身体がとりこんでしまわないように、原発
事故の前に放射性でないヨウ素を摂っておいたほうが
いいというのです。
けれども、実際には甲状腺にはヨウ素だけではなく
セシウムも溜まってしまうというのです。
このことはたまたまチェルノブイリ事故が起り、バンダジェフスキーさん
が亡くなった子どもの遺体を解剖したから判明したことです。
この解剖結果はセシウム以外の放射性物質が甲状腺に害を与えない
という証拠にはならない、寧ろ他の放射性物質の害も
あるのではないかという推測もしたくなる。
過食・拒食といった“現象”がクローズアップされ始めたのは
70年代の終わりごろからです。ちょうど原発がどんどん増設
されてきた時期と一致する。
マスコミにはほとんど出ませんが、トリチウム、クリプトン85といった
放射性物質が体内に入った場合どういう影響があるか、そうした
研究もないのでは?
(主に再処理で出る物質のようではありますが、もともと
原子炉は。発電などではなく再処理ープルトニウム抽出ーが目的の装置なので、原発と再処理は同時に始まっています。
遺伝子組み換えに関する闇を追った映画「サイエンティスト」で取材されている学者が言っていることには学者の95%は企業寄りだと。これは
原子力関係の学界でも医学の学界でも残念ながら同じなのでは
ないでしょうか。放射線の害をほんとうに99%のために研究してくれている
学者は少ない。)
拒食・過食は原発の蔓延の一つの“症状”なのではないでしょうか。
補足:
福島原発事故後、髪が抜けるという訴えが聞かれます。
これを聞いても、“髪が抜けるなんて急性症状でそんなことは
ありえない、ストレスだろう”と馬鹿にする人が多そうです。
が、では髪は通常何故抜けないのか、学者にほんとうに
わかっているのでしょうか。
しかも先日書いたように、甲状腺機能が狂うと髪が抜けると
いうではないですか、とすると事故後は東京などでも
水道水が放射性ヨウ素を含み、飲めない状態だったのですよ。
放射性ヨウ素を甲状腺がとりこんでしまっていたかもしれず、
そうだとすると髪が抜けてもおかしくないのでは?