笠貫委員 サロゲート・エンドポイントで有効性を認めるには当然限界があると思いま

す。これはサロゲート・エンドポイントとして許可し、65ページに市販後調査での臨床

試験と書いてあるのですが、そこで初めてサロゲート・エンドポイントが真のエンドポイ

ントになるかを検証する段階という位置付けになるのだと思います。もしそうだとするな

ら、この臨床試験でサロゲート・エンドポイントと認めた上で、癌を予防するのかを検証

し得る臨床試験になっているかについて、批判的に吟味しているかをお聞きしたいと思い

ます。

機構 御指摘のとおり、サロゲート・エンドポイントでの評価には限界があると私ども

も考えております。海外においてはすでにいろいろな試験が先行しており、中には10

20年にわたる調査もあり、情報収集されているところです。私どもとしましても、これ

らの結果については十分情報提供されるように努めてまいりたいと思います。

笠貫委員 そうしますと、世界中での長期にわたるサロゲート・エンドポイントではな

くて、真のエンドポイントが有効だというものはどれぐらいあるのかについて、ワクチン

を使うにあたって十分情報として提供しなければいけないと思います。その数値がどのよ

うになっていて、どこまでその使用にあたっての説明がインフォームドコンセントに入る

のかについてお聞きしたいと思います。

機構 真のエンドポイントの情報収集も途中段階で、まだ明確に数値はまとめ切れてい

ない状況と思いますが、重ねて申請者に確認してまいりたいと思います。

笠貫委員 情報収集をどう徹底するかという問題と、先ほどの臨床試験を具体的にどう

いう規模で、実施するという担保をどうしているのか、申請者がするということだけでな

く、これは非常に大変な臨床試験になりますので、市販した後も厳しく申請者には確認し

ていただきたいということをお願いしたいと思います。

望月分科会長 よろしいでしょうか。機構の方で十分検討した上で、申請者に確認を取

るということです。

機構 そのようにさせていただきます。

吉田委員 両委員からの御指摘の点は、実際に部会でも問題になりました。今笠貫委員

がおっしゃった真のエンドポイントでの有効性については、世界中で誰も知らないわけで

す。要するに、グローバルで一応科学的と考えられる方法で有効性を推定しているに過ぎ

いわけです決定的な予防薬ができたということではなくて、基本的に予防の可能性が

高いワクチンができているという御理解でいていただければ思います。

 もう一つ、神山委員の御指摘ですが、これはがん予防、つまりがん対策の一環としてど

うしたら一番効果的であるかということを前面に押し出しているので、確かに実際の使い

方は難しいと思います。しかし、小児と言っても10歳以下はいくら何でも大変だろうと

いうことで、一応10歳から線を引いてありますが、10歳から必ずやれと言っているわけ

ではなくて、現場の判断として12歳からでも15歳からでも、適当と思われる方法でやっ

ていただければ、審査する側としてはそれで十分ではないかということで審議は終わって

おります。

宗林委員 今のお話のとおりだと思いますし、重ねて確認することになるかもしれませ

んが、実際に予防接種をした子供は、どのぐらい経ったときに何をどう確認して、どう注

意すればいいのでしょうか。例えば、10年後ぐらいに抗体価を調べるというようなこと

を、最初に打った人に対して説明をすることがないと、打ったらもう大丈夫と思ってしま

っては、検診を受けることのマイナスの要素にもなってしまうかもしれませんので、この

承認にあたっては、打った方がその後どのぐらい経ったときにどういうことに気をつけて

いくかという説明がセットでないと、逆効果もあり得るのではないかと思うのですが、い

かがでしょうか。

機構 まだ案の段階ではありますが接種にあたり、接種される方への説明文書を用意

ております。お手元の資料1.13.2に「サーバリックスの接種をご希望の方へ()」をお

示ししております。今御指摘があったような追加接種の要否についてまだ十分な情報が得

られていないこと、ほかの型についての効果は確認されていないことなど、過度な期待を

持たれぬよう注意喚起しております