以前も書いたと思いますが、STOP六ヶ所仲間の友人の友人が、      経産官僚から“核兵器をもつ技術を捨てるわけにはいかない”という      趣旨の述懐を聞いたことがあり、さもありなんとおもい、またずいぶん     正直な人だ(内容的にも賞賛しているわけではない)とおもったことが     ありますが、それを石破氏があっけなく認めていたのですね。

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逝きし世の面影 http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/4f32e98b43cc676f89d1b2562c1bde3e  さん20110824付    から一部転載:

NHK「核を求めた日本」原子力発電は核機微技術の確保目的

2011年08月24日 | 軍事、外交



『何の為の原子力発電だったのか』

 自民党政調会長で元防衛大臣の石破茂がMBSの『報道ステーション』で       自民党が『脱原発』に反対する理由として、『日本は絶対に核兵器を持つ
べきでない』とことわった上で、原発を持つことは一年以内に核兵器を
開発できるという核の機微技術の確保による『抑止力』を意味し、剣道の
寸止めのようなものであると、長年日本の政権党だった自民党の恐る
べき内幕を正直に説明している。
 『機微技術』とは、武器、あるいは、民生品であっても大量破壊兵器
などに転用できる物に関する技術のことで、国家(国際)安全保障に
甚大な影響を与え得るもの。
 原発推進派が懸命に隠し続けていたが今回明らかにした石破さんは
政治家としては問題だが人間が何とも正直である。
核の機微技術は、原発事業とセットで、ウラン濃縮から使用済核燃料処
理など核サイクルシステムの関連技術体系で、これは米英仏ロ中など
核保有国以外では世界中で唯一日本国だけが全てを保有する特別な
存在なのです。

『目の前の隠されていた醜い真実』

『どうせ私を騙すなら、騙し続けて欲しかった♪』との演歌の台詞そっくり
の感情的な批判が石破茂氏の『隠されていた真実』の告白?に対して
出されている現状は嘆かわしい。
原発推進の今までの言動は『いささかの間違いもない』と言い切る
与謝野馨財務相や『原発は必然』との谷垣禎一自民党総裁と比べて
みれば、石破発言の真っ当さは段違いである。
どれ程悲惨な事柄でも、それが客観的事実であれば『いや違う。事実では
ない』などと頭から否定せず、隠されていた不都合な真実を『これは間違
いない事実である。』として受け入れる以外に方法が無いとの科学的
判断が出来ないとは何とも情けない。
 石破茂自民党政調会長が原発推進は核武装・核抑止力のためだった
事実を明らかにしたことに対しては『理解不能』とか『欲ボケした低脳
ミリタリーオタク』などの言葉は上質な部類で、低級な政治ブログでは
『石破茂とかいうキチガイ』等と常識ある大人とは思えない見るに
耐えない感情的な罵倒語が並んでいて、『何が(隠蔽されていた)
真実であったのか』との視点が欠落しているのですから困った話である。

『石破と石原慎太郎との明確な違い』

報道ステーションの石破発言ですが、 機微技術の保持との原発の存在理由を述べる前に、『日本は絶対に核武装するべきでない』との前提発言を行っている。
ですからタモ神とか石原慎太郎など夢想的な右翼の現実無視の核武装論とは一線を画している事実を、護憲派が今のように完璧に無視するべきではないでしょう。
日本の原発ですが、経済性は真っ赤な嘘。
安全性に至っては正反対である事実は今では誰でもが知っている、
それなら何故、とんでもなく危険で天文学的な損害が出る原発を日本国が国策として何十年も推進していたかの謎ですが、 これは石破発言以外には無いのです。
客観的に正しい科学的事実は、善悪とは無関係に『事実である』と認める以外の選択肢は無いことに皆さんは余りにも無頓着過ぎないでしょうか。
石破発言ですが、『悪い』ことは事実ですが、同時に恐ろしいことではありますが『正しい』客観的な歴史事実に合致した発言なのです。

『半世紀前からの客観的事実』

この『石破発言が正しい発言である』との意味ですが、 自民党が半世紀
もの長い間、 何十兆円もの大金かけて、 しかも半世紀前に15万キロ
ワットという小型原発の過酷事故でも国家予算の倍以上の損害が出る
と試算されていた、 下手をすれば国家滅亡の危険性がある原子力に
拘った理由とは、『石破発言』以外には真実は無いとの意味です。
石破発言の中身が良いか悪いかと問われれば、間違いなく極悪発言
ですが、 正しいか間違っているかの判断なら『正しい』としか答えは出ない。
半世紀もの長い間、日本国が積極的に推進した『国策』の中身とは、
まさに『石破発言』なのです。
恐るべき事柄であり忌まわしい。直視出来ないほどに醜いとの理由で、
今現在の目の前にある『真実』から目を背けることは正しい態度では
ありません。
『悪いこと』(許せない)と、『間違いである』(事実と違う)とは同じで
はありません。
石破発言は悪いことですが、間違いではないのですよ。
半世紀の日本国の真実の姿を、正直に石破は語っているのです。
如何も、『悪い』と、『間違い』の二つの別のカテゴリーが『許せないとの
感情論が先走り』して仕舞い、『別のもの』との違いが判らずに混同している。
石破発言を、間違いである(事実と違う)とするなら、 それならこの
半世紀の間何故日本国はとんでもなく危険で莫大な経費がかかり
経済的には到底採算が合わない原発を推進していた、別の合理的な
理由を何か『ある』と考えないと合理的とは言えず、論理的に無理なのです。
『原発は安全で安い』と正反対の真っ赤な大嘘を付いてまで、とんでも
ない間違っていた恐ろしいことを半世紀も続けていた日本国の国策
(原発推進)に、 もしも石破発言以外の『別の合理的な説明』が出来
るなら、誰でも良いから是非ともお聞かせ願いたい。
 冷静に色々な事実を突き詰めれば、石破発言以外に合理的に説明
が付く原因は『何処にも無い』のですよ。
日本は『核を求めていた。!』のです。

『NHKスペシャル「核を求めた日本」』

奇しくも福島第一原発事故の半年前の2010年10月3日NHKスペシャル
のスクープドキュメント『核を求めた日本』が放送されている。
1945年7月16日アメリカの人類初の核爆弾トリニティが炸裂して巨大
な閃光とネバダ砂漠上空高くに舞い上がる不気味なキノコ雲の地獄絵。
数週間後には日本の広島長崎にアメリカは原爆攻撃を行っている。
このNHKドキュメント番組『核を求めた日本』では1964年の中国の
初めての核実験成功に対して、衝撃をうけた当時の佐藤栄作首相が
日本の核武装を真剣に模索していた驚愕の事実が関係者の証言で
明らかになっている。
日本国は『核武装により超大国への道を目指すべきである』との、
驚愕の『狂気の議論』が自民党政権内部では国民には内緒で密かに
行われていた。
専門家の秘密研究で、核兵器の製造は技術的には比較的短期間で
可能だが政治・外交的なアメリカや周辺諸国からの反発が予想されて、
日本政府は核兵器の開発を断念する。
佐藤栄作首相は、日米首脳会談で日本国の核兵器開発の断念の
見返りとしてジョンソン大統領に核での報復(核の傘)の確約を取り付け、
この直後に有名な日本の非核三原則が発表された。
一見平和政策(緊張緩和)に見える日本の非核三原則と、超強硬な狂気
の軍事政策である核による報復政策(核の傘)とは別々のものではなくて、
何と政策的に一連の『セット』で一体であったのです。

『実戦を考え反核に向かうドイツ、対照的な姿勢の日本』

日本国は一応はアメリカに核武装を放棄する決定を伝えたが、その後も
核兵器への未練は捨てきれず1969年に、旧同盟国(日独伊三国同盟)
で置かれている立場が似ている西ドイツと内密に核兵器の保持について
秘密会合を繰り返していた恐るべき事実が関係者の証言で明らかに
されている。
 日本側の危険で夢想的な核武装論ではなくて、当時の西ドイツは
東西冷戦の最前線であり実際の、次に起きると想定される具体的な
戦争(実戦)を想定していた。
その為に、日本側の積極的な態度とは対照的に、ドイツは国家存亡
に繋がる自国の核武装には消極的であり、最後まで賛成することは
無かったらしい。
秘密会合や研究だけではなくて、日本で初めての東海村原子力
発電所(15万キロワット)を使った、具体的な核兵器用の高純度
プルトニウムの生産計画もシュミレーションされていた事実も報道されている。
日本の原子力発電推進の意味から、問題とされた石破茂の機微技術
の部分を除くことは、そもそも原理的に無理がある。
石破発言とは、『王様は裸だ』と真実を叫んだ正直な子供のイソップ
寓話と同じ種類の、何とも腹立たしい話であったのです。


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