以下は3月7日東京新聞3面の約5分の3を占める大きさの記事の

要約です。

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 女川は三陸のリアス式海岸の南部に位置し、869(貞観11)円、1611(慶

16)年ともに、当時の海岸線から4キロ以上離れた場所で津波の痕跡が

確認されている(千貫神社」)。

 ここ生まれ育った東北電力の元副社長平井弥之助氏(1902-86)が1号

機の建設のとき、海面から12mでいいという意見もあったのを、強硬に15m

でなければ、と主張して12mにさせた。[東京帝国大後輩同社で土木を担当した

大島達治氏談]

 さらに敷地の高さだけえでなく「引き波対策」が必要。取水口の内部に

段差を設け、波が引いて取水できなくなっても冷却用水が確保でき、

40分間は冷却が続けられるという設計も、女川原発では74年の変更申請で

実現された。「東芝プロジェクトマネジャーとして計画に携わった小川博巳氏

(73)は「東北で津波を考えなかったら何をやっているんだということ。そういう

雰囲気が東北電力にあった」と話す。」

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 図があり、女川原発は、取水路というものが長く、深く、またその底が

取水口より低くなっている、またその取水口より、タービン建屋や原子炉

建屋の床(底)が高いといった、福島第一より高いという特徴がよみとれます。


 見出しは「女川原発救った眼力 津波の恐怖知り尽くす

 「技術者は法律より結果責任」


 興味深い記事です。

 ただ記者は以下の問題があります。

  ・福島第一は(少なくとも第一次的には)津波で崩壊したのでは

   ないことに言及がない

  ・原発は地震や津波がなくても十分(!)危険だということを

   強調していない

  ・法律より結果責任という、一見りっぱな平井氏の言葉が

   紹介されているけれども、責任(他者からの非難)を

   負わなければならないようなことをそもそもすべきではない。

   平井氏の識見は、それがなかった技術者よりは

   りっぱだというに過ぎない。

   とくに原発については。

   例えば自動車も、大変危険な器械だけれども、

   利便性のほうが大きいと言える(のではないか)。

   これに対し原発は、発電という利益より、日常の放射能排出・

  事故時に膨大な国土を失わせ、また外国にも被害を及ぼす

  というデメリットのほうが、大きい、それも極端に。 

   この記事は“安全な原発”ならいいのだという誤った

  結論に利用されかねない。