明日に向けて(429)

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南相馬駅伝・マラソン大会の中止を求めます!(会場周辺は0.6~0.7μSV/h)

2012年03月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120317 23:30)

高線量地域のたくさんある福島県内において、昨年11月に強行された「東日本女子
駅伝大会」に続き、再びとんでもない企画が強行されようとしています。「南相馬
ふるさと復興駅伝・マラソン大会」です。しかも女子駅伝が、中学生と高校生と実
業団でチームをくんだことに対し、今度は小学生までもが参加させられようとしてい
ます。とんでもない虐待行為であり、絶対に行なってはならないことです。断固とし
て中止を求めます。

この企画が、子どもたちに対する虐待行為である最大の根拠は、大会主催者が、会場
周辺が放射線管理区域に相当する放射線量であることを知りながら、大会を強行しよ
うとしていることです。大会の案内には「制約事項」と「その他」の項目があります
が、その「その他」の8番目に次のように書いてあります。「会場周辺の放射線量は
0.6~0.7μSV/hです。」

放射線量0.6μSV/hは、放射線管理区域の目安となる数値です。放射線管理区域では
してはならないとされることがあります。1つ、飲み食いすること、2つ、寝ること、
3つ、18歳未満の青年・児童を連れ込むことです。その地域にわざわざ小学生まで招
いてマラソンをさせることは、明確な違法行為であり、傷害行為です。

しかも放射線管理区域にはそれを管轄する事業者に対する次のような規定もあります。
「放射線業務従事者、緊急作業に従事する労働者及び管理区域に一時的に立ち入る労
働者の管理区域内において受ける外部被ばくによる線量及び内部被ばくによる線量を
測定しなければならない」。引用はウキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%8C%BA%E5%9F%9F

ところが大会主催者が作り、参加者に強制している「制約事項」の中には次のような
記述があります。「5.私は大会開催中に負傷したり事故に遭遇したり、または発病
した場合、さらにこれが原因で後遺症が発生した場合、その原因の如何を問わず大会
主催者および、大会企画者、関係者に関する一切の責任を免除し、私に対する保障は、
大会側が加入した保険の範囲内であることを了承します。」

では「大会側が加入した保険の範囲」とはどのようなものかを調べようと思っても、
何の記述もなくそれすら分からない。放射線管理区域に相当する地域で小学生らにマラ
ソンをさせ、「負傷したり事故に遭遇したり、または発病した場合、さらにこれが原因
で後遺症が発生した場合、その原因の如何を問わず」大会主催者等の一切の責任を免除
せよというのですから、これはもう本当にひどすぎます。事実上、放射線障害が出ても
関知しないと言い切っているのです。以上の記述は以下から読むことができます。
http://kizuna51.org/image/p1.pdf

このような暴挙は、原発大災害の前には、まったくありえもしなかったことです。ところ
がなしくずし的に「放射線管理区域」の規定が反故にされ、放射線防護のためのあらゆ
る規定が無視される中で、小学生までもが、高線量地域で走らされようとしています。
もちろん小学生たちには、「制約事項」を吟味すること等できないでしょう。それで
高線量地域で走らされようとしているのです。

空間線量が大会側が認めるだけでも0.7μSV/hもあるということは、周辺に確実に放射性
物質が存在しているということです。0.7μSV/hの外部被曝を受けることも危険ですが、
その放射線を発している放射性物質を吸い込み、内部被曝することが数百倍も危険です。
そのような地域では、防護体制を固め、厳重にマスクを着用し、ガラスバッチをつけて
被曝管理を行う必要があるのです。だから「管理区域」に指定されるのです。中身のある
規定なのです。

そこで小学生までにもマラソンをさせることは、明確な傷害行為であり、子どもたちに対
する虐待です。目の前でこんなことが行われることをとても座視できません。繰り返しま
すが断固として中止を求めます。南相馬の子どもたちをみんなで守りましょう!

以下、大会案内を貼り付けておきます。

******************

相双地区活性化を目指し、3月25日に福島県の鹿島カントリー倶楽部を
起点とした「南相馬ふるさと復興駅伝・マラソン大会」を実施します。
 
特定営利活動法人 ふるさと復興・絆協議会(理事長 佐藤信義)は震災後、相双地
区の子供たちをはじめとする地域の人々が力強く走る姿を発信することで、地域の人々、
仮設住宅で過ごしている人々、全国に避難している人々、そして世界から応援してくれ
ている多くの人々へ勇気と元気を届けたいと念じ「南相馬ふるさと復興駅伝・マラソン
大会」を企画しました。

サブタイトルに“Fukushima-51”を掲げ、相双地区の鹿島カントリー倶楽部から勇気の
夢をのせた次の1000年に向け元気と勇気を発信します。Fukushima50(“フクシマ・
フィフテイー“と世界が称賛)+1の “1”は勇気ある子供、地域、日本の未来を表現
し、地域の人々の復興にむけて走る姿を全世界に向けて発信することで、これまで手を
差し伸べてくれた世界中の人々への御礼と共に、力強く誇りある日本の姿と重なって、
地域復興への勇気と自信としたいと考えて実施します。

■イベント詳細; 実行委員会を立ち上げ、実行委員長に桜井勝延南相馬市長をお願いし
ました。子供から大人まで参加出来る内容で、マラソンに関してはどなたでも参加してい
ただけるように配慮し最大ハーフマラソン、最小は小学生の1000メートルまで広く
門戸を広げました。併せて地域の方々3世代で楽しんで頂けるよう出し物や物販などに加
え、援助物資の配布なども関係企業様に依頼中です。
中学生・小学生は参加無料です。

□実施;平成24年3月25日日曜日午前8時開会予定
□コース;
出発点:福島県南相馬市鹿島区塩崎字蛇沼のゴルフ場鹿島カントリー倶楽部
折り返し地点:福島県南相馬市鹿島区牛河内真野川河川敷付近

■問い合わせ
「南相馬ふるさと復興駅伝・マラソン大会」事務局
電話:03-5379-3700 FAX:03-3353-6881
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-24-7 ルネ御苑プラザ4F 
お問合せメールアドレス marathon@kizuna51.org

事務局では皆さんからの「支援物資」を同時にお願いしています。
全員への参加賞として、又近隣仮設住宅への物資として配布を致します。
子供たちへの支援、また大人たちへの心温まる品々をお待ちしています。

尚、今回は勝手ながら大会の参加賞が目的という立場からリサイクル品はご遠慮頂ければ
幸いです。大会事務局までお送りください。
http://kizuna51.org/