阿修羅さん経由で「誰も通らない裏道」さん

http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2012/02/post-cc8c.html  が

朝日のとても重要な記事を転載してくれていることを知りました。

 それであわてて読み落としていた120205朝刊を見たら

その記事が載っているのは39面(四こま漫画のページ)でした。

 先日検事(=検察官)が、石川氏(小沢氏秘書)が話してもないことを

話したかのような調書を書き、その調書をもとに“捜査報告書”を

作成していたことが判明しました。

 検事が作文していたということは、その取調べのとき、石川氏が最近の

ハイテク技術で馬鹿検事にわからないように取調べを録音していたから

証明できたのです。

 上記ブログ氏が転載してくれている朝日の記事の本文よりも、

記事本文の左上に掲載されている横書きの表のような部分のほうが

わかりやすいのですが、それは上記ブログ氏は転載していらっしゃらない

ので、そちらを転載します:

    ::::::::::::::::::::::::::

取調べの録音記録にないが、捜査報告書に記載された主なやりとり

  この見出しのつけ方がまたおかしい。

  「取調べの録音記録にない」?

  まるで録音は検察が自分でしたみたいじゃないですか。

  また「捜査報告書に記載された」?!

  まるで捏造調書に、録音と同じ重みがあるように

  読めてしまうではないですか。

 <この日の供述調書に署名するか>

石川議員 署名拒否でもよいですか。

田代検事 それはあなた自身の判断ですよ。どうしますか、署名拒否

     にしますか。

石川議員 そんな、突き放さないでくださいよ。

 

 いかにも石川氏が裁判官に証拠採用されたくないやばい

ことをしゃべろうとしているといった印象を受けますね。

<小沢氏への「報告・了承」を認めた理由>

田代検事  あなたがどういう形で供述したか覚えていますか。

石川議員  だいたい覚えていますよ。検事から「あなたは11万人

     以上の選挙民に指示されて国会議員になったんでしょ。そ

     のほとんどは、あなたが小沢一郎の秘書だったという理由

     で投票したのではなく、石川知裕という候補者個人に期待

     して国政に送り出したはずですよ。

     それなのに、ヤクザの手下が親分を守るためにうそをつくのと

     同じようなことをしていたら、選挙民を裏切ることになりますよ」

     って言われて、これは結構効いたんですよ。

  石川氏が①小沢氏は悪いことをした②自分はそれをかばおうと

  した―という2点をいかにも認めたように読めますね。

  

  

 <弁護士からのアドバイス>

 田代検事 あなたは「弁護士から『どんな内容の調書であっても署名

     してはならない。署名は拒否するように』ときつく言われた

     んですよ。もう1日待ってもらえませんか」と言って、泣き

     ついてきましたよね。

石川議員  その通りです。

田代検事  翌日になっても、ごねていたじゃないですか。

石川議員  そうでしたね。でも、検事から「供述が事実であって、その

     通りの内容が供述調書に取られていれば、署名拒否をする理由

     はないでしょ」と理詰めでこられて、「調書に署名したこと

     は、弁護士には内緒にしてください」とお願いして、供述調書

     を作ったんでしたね。


   この弁護士って、例の検察審査会が起訴相当としたときに

  検事にかわって起訴をするという、あの弁護士のこと?

   そうではないですよね?

   石川氏が、弁護士に対してこそこそする状況って?

   被疑者石川氏と弁護士が悪の連合を組んでいたけれども

  正義の味方である検事が石川氏を説得して悪の片割れである

  弁護士と手を切らせた、という風に読めますね。



警察官や検事が作文をするということは一般常識としては知って

いましたが、実際に今回上記作文を見てみるとほんとうにひどい

もので驚きました。


 この検事の作文は、先日報道された作文に加えて新たに

判明したものだそうです!他にも作文をしていたんですね。


 

 「この捜査報告書をめぐっては、市民団体「健全な法治国家の

ために声をあげる市民の会」が今年1月に、虚偽有印公文書作成・

同行使などの容疑で田代検事らを刑事告発し、東京地検刑事部が受理

している。」 [上記朝日記事本文]そうですが、

この部分も説明が不十分だと思います。

 この虚偽有印公文書作成・同行使という犯罪名を見て、一般の

読者がピンとくるでしょうか。これは文書偽造という犯罪の中の

特に重いものなんですよ。この記事でそのことがわかるでしょうか?


 文書というものを見ると一般人が①その文書を本来作るはずの人が

②ほんとうのことを書いたと信じるでしょう。

  そしてしかも文書の中でも国とか地方自治体が作った(ように見える)

文書だと、信用度がぐっと高くなります(実は国とか地方自治体

なんて別にあてにならないんですけどね)。そこで

文書偽造の中でも公務員ではない人が公務員が作ったように

見せかけて作った場合や、公務員が作ったのだけれど内容を偽った文書

を作った場合にはそうでない場合よりぐっと刑を重くしてあるんですよ。

 以下ごく簡単に刑の比較をしますね。


 155条 公文書偽造 1~10年の懲役

 156条 虚偽公文書作成   155と同じ刑

 159条 私文書偽造  3か月~5年の懲役

 160条 虚偽診断書作成  3年以下の禁錮または30万円以下の罰金


 155条は公務員じゃない人が公務員が作ったふりをした場合

 156条は公務員がうその内容をほんとうのことの見せかけた場合

 159条は公務員ではないAが公務員ではないBが作ったように

見せかけた場合

 160条は公務員でない医師がうその内容をほんとうに見せかけた場合


 公務員ではない人が作った文書への信用度が、公務員が

作った文書への信用度より低いので、

公務員ではない人が、内容を偽っただけのときは、そういう文書を

医師が作成した場合だけが処罰されているのです。


 文書偽造は文書への信用が保護法益で、155条と156条は

その保護法益侵害の度合いが同じなので刑の重さも同じなのです。

 このことが朝日の記事本文では見えないのでは?


 わたしが主筆ならこの記事を社会面などでなく1面トップに

します。