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「兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相」


目次

◆ マスメディアの正体
◆ マニフェスト放棄の終着駅
◆ 日中を分断してアジアを統治

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  ▼ マスメディアの正体 ▼
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11月18日、NHKスペシャル「徹底討論TPP どうなる日本」を見た。TPP参加賛成派に政府代表者2名と田中均が出演。TPP参加反対派として榊原英資と鈴木宣弘が出演。政府からは国家戦略相の古川元久と外務副大臣の山口壯が出演。反対派は2名で、賛成派は3名の不公平「徹底討論」だった。

いかにも御用メディアNHKらしい人数構成。番組は「徹底討論」と銘打ちながら、肝心の公平さが担保されていなかった。しかも、野田は、まだ交渉の前段階で、関係国との協議を始めただけとの、二枚舌のスタンスをとり続けている。ところが参加賛成派は、司会者も含めて、交渉参加として発言していた。

NHK番組で、TPP賛成派は、野田の二枚舌の、米国向け発言に沿って発言を繰り返した。しかも最後に司会者は、「賛否両論をよく踏まえて、政府にはしっかりと交渉して欲しい」とまとめた。本人も自分が何をいっているかわからなかったに違いない。最後まで、交渉参加を前提とした司会であった。

毎度だが、NHKのTPP報道は非常に偏向している。NHKは、必ず農業と他の産業との対立にもっていく。あたかも農業の対応策さえきちんとやれば、TPPは問題なしという狙いだ。この番組でも、しきりと司会者は、コメ、コメといい続けた。ところがTPP賛成派は、農業の将来を展開できなかった。

番組のなかで、TPP賛成派は、これまでも説明を国民に対してやってきた、TPPによってアジアの繁栄を日本に取り入れる、という根拠のない物語を展開。そのなかで、NHKは、画面に、TPPに参加した場合の10年間累積の国民総生産を、「10年間」の表示をせずに提示するお粗末。

普通、視聴者は何の表示もなければ1年間の国民総生産増加と解釈するものだ。かろうじてTPP反対派の指摘で10年間の累積だとわかった。フジテレビで中野を怒らせた構図と酷似している。番組で意味があったのは、榊原英資の発言。「米国は日本のマスコミをうまく使う。NHKなどはすぐに変わる」

続けて榊原はNHKの番組のなかで、「(米国と交渉していると)後ろから(マスコミの)弾が飛んでくる」と暴露。あわてた隣席の田中が、榊原の腕を押さえて発言を制するのを、カメラは映してしまった。さらに榊原は、「日米の交渉力の比較は2対8である」と日本の貧寒な交渉力を指摘した。

NHKの番組のなかで、榊原は「米国は、米国のルールが世界のルールだと思っている。日本が独自の制度をもっているところは、必ず攻撃してくる」」と発言。榊原は、「民主党のなかでも、国会議員のなかでも反対派が多い。党内でも、国会でも、徹底討論をして、まとめる努力が必要」と発言した。

NHK番組のなかで、TPP賛成派の意見は抽象的で具体性がなかった。もともとメリットなどないのである。日本の、実質的な参加表明以来、中国がTPPを警戒し始めている。日本のとるべき道は、繁栄するアジアを重視するべきだ。中国排除に向かうべきではない。

ところが、このNHK番組でも、政府は、中国包囲網は考えていないとする。これは甘い日本政府の願望だ。日米関係では、圧倒的に米国の意向で日本は行動を強いられる。重要なのは米国のアジア戦略である。ISD条項も知らずにTPPに参加する平和ボケした日本の思いつきや、二枚舌外交などではない。

TPPには参加しない方がいい。日本にとっては米国も重要だが、中国も重要だ。どちらについて他方を排除する、包囲するといった選択が、軍事的に強まれば、日本を滅亡に追い込んだ戦前の軍事同盟の悪夢をよみがえらせる。必要なのは東アジアに生きる民族の、しなやかな知恵であり、歴史の教訓である。

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  ▼ マニフェスト放棄の終着駅 ▼
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TPPに関して、民主党の全国会議員に説明する両院議員懇談会が、今月24日に開かれる。せめて慎重(反対)派は、次の点は主張し、追及してもらいたいものだ。それは、すでに「合意された」TPPの通商ルールのなかに、問題のネガティブリストやISDが入っていることの確認が第一。

米国との交渉は、現在の対米隷属の劣化した政治・官僚の現実からして、無抵抗の、丸のみ参加になる可能性が大である。このことを慎重(反対)派には、しっかり追及して、あらためてTPPに反対してもらいたい。民主党の、そして国会議員の半数の反対を強権的に押し切れば、民主主義は死ぬ。

民主党内の慎重(反対)派が諦めてしまえば、あとは、悪乗りした野田の独裁が続き、選挙がやってくる。野田の悪政の責任を、慎重派はともにとらされる。菅、野田と続いた対米隷属の、国民いじめの悪政を、民主党慎重(反対)派は、結果的には数的に補完したからだ。裁く側にも一理あるわけだ。

TPPに反対しながら、すぐにおとなしく諦め、同調したじゃないか。所詮はお坊ちゃん、お嬢ちゃんの政党だ。すでに政治評論家の多くは、慎重(反対)派は諦めたといっている。すると、同じ政党なのだから、結果的に野田の悪政を担ぐことになる。売国を実現する役割を、数的に担わされることになる。

民主党の半数ほどは、小泉亜流の市場経済主義者だ。それが政治的には未熟で訓練されていない。選挙のたびに反小沢で動く。それが今回は売国で動いている。決別の時だ。次の選挙に賭けるなど、人がいいと侮られるだけだ。国民の大方の願いは、TPPを阻止してほしい、と小沢の出陣を願っている。

民主党は、小泉流の、弱肉強食が国をズタズタに破壊した後に、その反省のうえに政権を託された。それが経済的にはフリードマン流の自由市場経済、新自由主義、グローバリズムに逆行し始めた。野田は、それをTPPの看板をかかげながら、実現しようとしている。これがマニフェスト放棄の終着駅だ。

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  ▼ 日中を分断してアジアを統治 ▼
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この世には専門家面した音痴、たとえば政治音痴の政治家というのがいる。野田や前原はほんとうの政治音痴。深読みなどする必要はない。国内でそれを証明し、外国でまた証明している。日本の繁栄は、中国、インド、韓国、インドネシアなどとの関係強化抜きにはない。これらの国はTPPに入っていない。

中国などが、将来TPPに入ると前原がいっている。どの国もそんなことはいっていない。12日の米中首脳会談でもそんな話はでなかった。前原本人が、偽メール問題でもわかるように政治音痴なので、聞く必要もない与太話だ。だいいち中国がTPPに入って何のメリットがあるのか。

もし中国がTPPに入れば、ISD条約によって米国企業の訴訟の嵐に巻き込まれる。共産党一党独裁の、体制の最大の権益も危うくなる。米国の悪夢は、日本と中国が手を握り、米国抜きの経済的共同体が東アジアで完成すること。

TPPへの日本参加巻き込みの、米国の真の狙いは、日中間にくさびを打ち込み、先にTPPに日本を取り込み、アジアに覇権を維持すること。日中を分断してアジアを統治する。この戦略は、米国にとっては、必要不可欠な戦略。だから、最後はどんなに敷居を低くしても、とにかく日本をTPPに巻き込む。

TPPに一度日本を入れてしまえば、後で敷居はいくらでも高くできる。米国にとって、政治の劣化した金持ち国日本ほど、おいしい国はないのだ。日本としては、TPPには入らず、アメリカによる日中分断策は受け入れられないと、米国を説得すべきである。

日本の戦略の基本は、日米中のどの国も排除されない、三国の対等の友好関係の構築におくべきだ。米国を排除してもいけないし、中国も排除しない。それが東アジアで生きる民族の知恵である。愚かな野田は、そのような国家戦略もなく、ネガティブリスト(例外リスト)さえ持たずに手ぶらで出かけた。

野田はオバマの懐に飛び込んだ。もしTPPに参加すれば、ISD条約を盾に強欲な米国の会社・投資家に裁判を起こされ続け、国内法の改正を義務付けられる。TPP参加によって国家主権の侵害が簡単に、しかも合法的に行われていくことになる。

ISD条約によって、カナダやメキシコ、中南米の国々が訴えられ、巨額の賠償金を支払わせられている。TPPに参加すると、米の一企業(一投資家)が日本の法律を変える権限を持つことになる。つまり、日本全体が外国の金持ちの利害で変えられてゆく。いやとはいえない。

TPP参加後の国内の惨状に気付いて、もとに戻そうと思ったとしよう。しかしラチェット規定で、もはやもとに戻せないのだ。人間は間違う存在。間違わない人間なんていない。しかし利口な人間は反省して、修正する、後に引き返す。しかし、元に戻るのを許さないのがラチェット規定なのである。

この規定は、銀行、保険、法務、特許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機器、航空輸送など、ほぼ全分野を網羅している。つまり野田ジャパンは、虎の檻の入り口に立たされたのである。一度檻に入ったら、二度と引き返せない鉄の扉が閉まるTPPの恐ろしさ。

TPPは、実に傲慢で、強欲で、理不尽な仕掛けである。よほど圧力をかけられるか、間抜けでなければ入り口にすら立たない仕掛けである。振り返ると、先の参議院選挙の惨敗、それに続く地方選の惨敗にも民主党は誰一人責任をとらなかった。TPPにも責任はとらないだろう。

民主党の姿勢は、国家の将来などどうでもいい、今の自分たちがよけりゃそれでいい、好きにやるから黙っておけ、といっているように聞こえる。民主党の慎重(反対)派の国会議員は、野田が外国に行く前に、集団離党しておけば、TPP参加表明はなかったことを知るべきだ。次はあるのか。ほんとうか?