katsukoのブログ 120129-n

「島根原発」さんからいただいたコメントで次の中国新聞の記事を知り

ました。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201201290017.html  末尾にkatsukoのコメント。

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中国電力は28日、定期検査入りした島根原子力発電所(松江市鹿島町

)2号機で、27日午後から原子炉内の中性子の検出器に動作不良が

生じ、計測できなくなったと発表した。

 中電から連絡を受けた鳥取県と30キロ圏の境港市、米子市は27

夜、現地確認した。昨年末に結んだ安全協定に基づく初めての措置。

以前から協定を結ぶ島根県と松江市は、立ち入り調査した。

 中電によると、検出器は原子炉の起動や停止時に炉内の中性子の量

を監視する。4台あり、1台は13日から不調で、27日午後3時半ごろ

から相次ぎ、2、3台目が動作不能になった。

 同原発の保安規定は「4台中2台が正常に動作しなければならない」

と定めている。午後7時半、規定逸脱を国などに連絡した。その後、

もう1台も動作不能になった。中性子は4台とは別の装置で継続監視

している。

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 ウラン235に中性子をぶつけて核分裂させ、そのとき放出される

エネルギー(形態は熱)で湯を沸かし、水蒸気でタービンを回して

発電するのが原発。

 ちなみにタービンは巨大です。この蒸気の圧はすさまじいので

なければならない。その蒸気が管の中を通ってタービン建屋に送ら

れる。管は長いので少しずつ造ったものをつなぎ合わせるわけ。

つなぎ目からもどうしても蒸気がすこしずつ漏れる。つなぎ目じゃ

なくても管は常に蒸気の含む放射性核種が崩壊するとき出す放射線で

劣化していきます。

 原発のアキレス腱は管です。

 

 ちなみに○口さんという放射線防護学とかが専門の学者が事故後

あちこちに招かれていますが、この方は08年に開かれたある講演会で

「原子炉は堅固です」とおっしゃいました。

 原子炉ではなく管がネックなのに、それを知らなかったか、

講演会の主催者が原発は安全だという方向で話してくれと事前に

頼んでいたかどちらかです。主催者が主催者でしたから。

 御用学者に分類されてはいませんが、あまり信用できない学者です。

 

 その中性子を、わざと一挙にぶつけさせるのが原爆、制御(コント

ロール)しながらぶつけるのが原発。それだけの違いです。

 その制御がちゃんとできているかな、とチェックする計測器が4台

あるのが、定期検査のために止めようというその日とはいえ全部だめ

になったということは、島根原がありえたということですよね。

 上記記事を読むと、国の保安規定なるものもとても変ですね。

 原発は危険なものなので、何重にも網をかけてあるのでしょう、

設計上。それで中性子量計測器を4台設けようということに原子炉

メーカーが決めたのでしょう。

 国は4台でもどうか、40台にしろと指導するのならいざ知らず、

2台は故障してもかまわないと、わざわざ民間が自主的に決めた基準

を緩めてやっているとはいったいどういうことでしょうか。

 

 こんな保安規定がおかしいということは素人でもわかることです。

 ストレステストなんかより保安規定テストが必要でしょう。

 というか、中性子量測定器にしたって400台あったって、

100%安全ということはないので、まあ要するにすべての原発は

廃止するしかないのですが。

 ところで上で書いた制御の方法ですが、制御棒というのを使います。

これも原発のことを勉強し始めたとき、なんだかさっぱりわから

なかったのですが、あれこれ集会に出て反原発の先輩のちょっとした

一言を聞いたのをきっかけに調べているうちにやっとわかりました。

制御棒は炭素でできているらしいのです。それが中性子を吸収する性質

があるのだそうです。

 その制御棒の林を燃料棒の林に挿し込むことで、中性子が飛びにくく

なり、核分裂反応にブレーキがかかるというわけです。

 関連して燃料棒の林が水に浸っている理由も書きます。

 中性子があまり速いとウラン235にうまく当たらないのだそう

です。核分裂がほとんど起こらないのでは欲しい熱エネルギーを得る

ことができません。そこで飛ぶ中性子を減速させなければなりません。

水には中性子を減速させる働きがあるのだそうです。

つまり水には中性子減速材と冷却材という二つの機能が課せられてい

るのです。