何日か前、ピチューピチューという鳴き声が聞こえました。シジュウカラはトゥピートゥピーと鳴くし、季節が少し違う。近所の友人は毎年今頃その鳴き声を聞くというのですが、とすると渡り鳥なのでしょうか。姿が見えない。

 少し前にかっこうの托卵についてのテレビ番組を紹介しましたが、かっこうは渡り鳥で子育てができないからと説明されていました。では渡り鳥はみな托卵をしているのかというとそうではないでしょう。とすると他の渡り鳥はどうやって子育てをしているのでしょうか。そういえば燕は自分で温めて自分で餌を与えて、大きくなった子を一緒に渡りに連れていきますよね。こちらがスタンダードなのでしょうか。

 ピチューピチューという鳴き声が短い間にしか聞かれないとすると、案外その鳥も托卵しているのかもしれません。

 以前カワラヒワの雛をしばらく親鳥さんからお預かりしたとき、飛び立つ直前になんとも書き表せないとても柔らかい、複雑な鳴き方を聞かせてくれました。図鑑にはピーッという鋭い鳴き声としか書いてありませんでした。あまり大きな図鑑ではなかったせいもあるかもしれませんが。たしかにその鋭い鳴き方もそのとき聞きましたが、それは親鳥さんが、雛を奪還にきたときに聞いたもの。

 自然界には、学者にもよくわかっていないことがたくさんあるのに違いない。