一地方の住民の意向で国防に関わる問題を決めていいのか。そういった趣旨の声が聞こえてくる。
そうだ、それは一理ある。
だがその論理からすると、今回の選挙で仮に基地が欲しい側が勝ったとしても、日本にこんなに基地を置かせてやるべきではないという判断を政府がすることも可能だということになるということを、彼らも知るべきだろう。
辺野古に基地を建てさせないその理由において、名護市長選で反対側が勝ったという事実を過大評価するのは避けたほうがいいとおもう。
肝心なのは、暴力団基地を置かせることは日本を危険にするという実質的理由である。
これは、基地だけの問題ではない。
青森県知事がいいよと言ったから再処理工場を建ててよかったのか。土地は青森県に属していても、放射能は北海道にも岩手県にも宮城県にも福島県にも千葉県にも流れてくる。
これから例えば山口市や柳井市や山口県の首長選で上関に放射能排出海温め工場を造らせるべきかが争点となったときに、もしそれが欲しいという人たちが勝ったらそれで建てていいということになるのか。そうではないだろう。
乱暴な国策が地方のコミュニティを壊す場面としての選挙は両刃の刃であることに留意しなければならない。