※今日⑧

  ひろぴさんのブログ http://ameblo.jp/bay-mm-hiro/  から転載:


六ケ所再処理工場の高レベル廃液ガラス固化建屋で、配管から

高レベル放射性廃液が漏れるトラブルがあったと発表されたそうです。

漏れた場所 は、セル(コンクリートで密閉した部屋)内で、外部への

放射能漏れなどはない ということです。


原因は補修のためにガラス溶融炉への高レベル廃液の供給配管を閉止

していたフランジ部(配管の継ぎ目)から、放射性廃液が滴下していること

を発見し、遠隔操作によって閉止配管のフランジの締付けボルトの

増締め作業にて漏れは止まったとのことです。


地域を越えて地球のために。チームおは天隊出動~!
フランジとは参考写真を貼りつけましたが、パイプや弁などの部品をつなぐ際

に使われる、円盤、あるいは円盤と円筒を組み合わせた形状の部品を

いいます。

円筒部分をパイプと接合し、円盤部分同士をボルトなどで締結することで、

パイプ同士を繋ぎ合わせる、配管の基本的接続部品のひとつなんですよ。


フランジを使用する場合、流体の圧力と配管の断面積に応じた適切な厚みの

フランジと、適切な数と寸法のねじを選ばなければなりません。

流体の圧力に対してフランジが薄いと変形し漏れが生じてしまう場合が

ありますね。

ねじが細い、あるいは本数が少ない場合にはねじが伸びて漏れが生じるなどの

問題が発生する場合があるのです。

今回の漏れ箇所は締付けボルトが3本ということなのですが、本当なの

でしょうか?普通、フランジ部分は写真のようにもっと多くのボルトで締付け

られているものですから、どうしても解せないのですがね。


ただし、締結箇所を増やせば少ない場合よりも薄いフランジと細いねじで

済ますことができるのです。

また細いねじで済む場合には、フランジの外径を小さくすることもできます。


フランジとフランジの間には一般的にガスケットをはさんだり、溝を切って

Oリングをはめるなどの方法で、配管経路の流体が漏れるのを防ぐ施工に

なっています。


地域を越えて地球のために。チームおは天隊出動~!
↑の図のようにフランジ部分に入れて流体が漏れるのを防ぐ効果が

あるのです。


地域を越えて地球のために。チームおは天隊出動~!


地域を越えて地球のために。チームおは天隊出動~!
これらはOリングやガスケットの参考写真ですが、上側の写真で説明

しますと真ん中の穴を流体が流れ、外側の小さめの穴が締付けボルト

が入る穴になります。

作ろうと思えば、材料さえあれば自作も可能で、私も仕事では既成品が

あいにく在庫切れの場合、よく作って配管漏れの際などに対応して

いましたよ。


今回のように締付けボルト増締めにて復旧する場合もありますし、また

こういったガスケットの経年劣化からフランジより漏れが生じる場合も

ありますから、やはり入念な点検や修繕計画はビルなど建物管理

同様に大切なのだと思います。


ちなみに再処理工場でもこういったトラブル対応時のマニュアルみたいな

ものはあるみたいですが、その参考概要として列記してみますと。。。

(1) 加熱蒸気系の配管継手部から蒸気が漏れていることを確認する。
(2) 蒸気供給バルブを閉じて蒸気供給を停止する。配管継手、配管、

   バルブなど関連設備の破損状況を調査、確認する。
(3) 多重化された蒸気系では、系統を切り替えて運転する。
(4) 破損した配管継手のパッキン、締め付けボルトなど定められた保修

   作業手順に従って交換、保修を行い、正常に保修が完了したことを確認

   するため、蒸気を用いた暖気運転を行い異常がないことを確認した後に

   正常運転に復帰させる。


蒸気漏れ時の対応について書いてみましたが、やはり緊急時にはいかに

落ち着いて対応出来るかがヒューマンエラーを防ぐカギにもなりますし、

たかが増締め、されど増締めですから、再処理工場では遠隔で増締めも

出来るみたいですが、その締付けトルク(強さの設定)を誤って強く設定した

場合はボルトをネジ切ってしまうケースもありますから、やはりリスクは

拭いきれるものではないのだなぁ。。。とつくづく思いました。


実際、遠隔でなく手締めでもラチェットなどの工具を使って締め付ける際

には締付け過ぎのボルトネジ切れには細心の注意を払って作業しますから。

何を隠そう。。。私も冷温水ポンプの台座の締付けボルトをネジ切った

ことはありますしね(苦笑)

やはりメンテにはそれなりの知識と経験値がとても重要だと思います。


今の勤務ビルは築35年を越してボロボロなのですが、やはり同様な

漏れは日常的に起きていて点検で発見した際には給水や空調配管の

継ぎ手部分を増締めしたりしますが、それでも直らない場合は程度に

よっては業者に補修を依頼しています。

20リットル程度の漏れもこうしたことから日常的な感覚が原燃にも

あったならば、今回の1件もあまり重要視していないリスクはあるかも

しれません。

ですが扱っている物がモノですから、我々が管理している一般ビルの

修繕計画以上にもっと入念な管理形態があって然りと私は思うの

ですがね。