「実のひとつだになきぞ悲しき」
台所の窓を開け夕食のしたくにかかる。
この窓から私の背丈ほどの柿の木が正面に見え、今年も柿が10コほど実をつけた、、、
2、3日前に3コほどなっていた。さてさて、、、(カラスか猿か?)
毎年の事、カラスが青く小さい柿を目ざとくよく見つけるもの、、、ネ と思っていた
数年前のこと、いつものように夕食の支度をしている最中、目の前に猿が直立して小さい青い柿の実を手でもいでいたのです。「コラ〜」声を出すと猿はびっくりして廻りを見渡して、人がいないと確認をした。そして柿に手を伸ばした。
今度は大きな声で「ダメ〜」と叫ぶと手に持っていた青柿を口にほおばり又急いで柿をもぐ。両手に青柿を1コづつ、口に1コ、立ったまま数メートル走り、竹がきの向こうに消えていきました。
色づく柿を見たことなく、実のひとつだになきぞ悲しき、、、、。
柿の枝を一枝、私の友人に渡し、「花は咲けども柿の実のひとつだになきぞ悲しき」
チョットしゃれてみました。
友人も太田道灌が詠んだうたとすぐ分かり、、、
さすが〜ネ、といわれました。

太田道灌 「七重八重 花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」
(雨の中、旅人に山吹の一枝をさし出し、この歌を詠んだといわれています。)
実の・・・山吹は実がつかない
みの・・・みの傘がございません


明日はこの少し大きくなった柿の実、残っているでしょうか?



青柿